エギングロッドの定番パワークラスであるMとML。

本記事では、両者の違いについて、具体的なポイントを挙げながら徹底解説します。

Mパワーないし、MLパワーの万能エギングロッドをお探しの方は必見です。

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エギングロッドの硬さ(パワークラス)事情について

まずはエギングロッドの硬さについて、ざっくりまとめておきます。

主な硬さ(パワークラス)は↓の4種類です。

硬さ適合エギサイズ
(※目安)
特徴
L~3.0号小型のイカをメインターゲットとするライトエギング
ML~3.5号秋エギング寄りのオールシーズンモデル
M~4.0号春エギング寄りのオールシーズンモデル
MH~4.5号デカイカ専用モデル

他にもULやHといった硬さもあるっちゃあるんですが、ごく少数。

とりあえず、上記の4種類だけ覚えておけばOKです。

MとMLの位置づけは?

本記事のテーマとなるMパワーとMLパワーは、エギングロッドのなかでも特に人気の高いパワークラスです。

いずれもオールシーズン活躍するする万能モデルとして認識されています。

どちらも万能とはいえ、その特性はそれなりに異なるものです。

そのへんについては後ほど詳しく解説しますので、ここではいったん置いておきましょう。

硬さ(パワークラス)はメーカーや製品によって異なります

本記事では、MパワーやMLパワーの一般的な特徴や違いを解説します。

…が、それらはあくまで一般論です。

エギングロッドの使用感は、メーカーや製品によってずいぶん変わります。

同じ硬さ(パワー表記)であっても、すべて同じ感覚で使えるわけではありません。

この点はあらかじめご了承ください。

エギングロッドにおけるMとMLの違い5選

では、具体的にMクラスとMLクラスのエギングロッドはどう違うのか。

この点について、以下の5つのポイントを挙げながら解説していきます。

  • エギサイズ
  • 重量
  • 得意とするシーズン
  • ファイトの楽しさ
  • ファイトの安定感・キャッチ率

MとMLの違い①エギサイズ

1つ目の違いは、エギサイズです。

MとMLの一般的な対応エギサイズは↓のとおり。

  • M:2.5〜4.0号
  • ML:2.0〜3.5号

3.0号のエギを主軸に据えつつ、状況に応じてエギサイズを調整するという、王道の戦略はどちらの硬さでも対応可能です。

Mクラスの場合は、定番の2.5〜3.5号に加え、オプションとして4号クラスを使うことができます。

これが春エギング寄りといわれる所以ですね。

MとMLの違い②重量

2つ目の違いは重量。

これに関しては、違いといえるほどMとMLで差がありません。

具体例を挙げると↓のとおり。

メーカー製品機種自重
ダイワ21エメラルダスMX86M95g
86ML95g
シマノセフィアXR86M100g
86ML100g

製品によっては、より細身なMLモデルのほうが軽いケースもありますが、基本的にはほぼ同水準。

重要の違いはないに等しいです。

MとMLの違い③得意とするシーズン

3つ目の違いは、それぞれが得意とするシーズン。

まず、しなやかなMLクラスは、秋エギングを得意とします。

小〜中型のエギ操作に最適な竿調子となっており、2.5号や3号のエギがベストマッチです。

春エギングもいけないことはないのですが、

  • 3.5号のエギ使用時は操作のラグ(遅れ)を感じたり
  • 良型のイカに好き勝手走り回られたり

といったパワー不足を感じる可能性があります。

一方、Mクラスのエギングロッドは春エギングを得意とします。

中〜大型のエギ使用を想定した設計になっており、3号や3.5号のエギと好相性なモデルが多いです。

Mクラスのロッドでも秋エギングはできますが、

  • ファイトが味気なかったり
  • 小型のエギが動きすぎたり

など、オーバーパワーになりがちです。

MとMLの違い④ファイトの楽しさ

4つ目の違いは、ファイトの楽しさ。これは圧倒的にMLクラスでしょう。

より柔らかいMLクラスのロッドは、小型のイカを掛けた際もしっかり曲がりこみます。

ターゲットの引き味をより鮮明に感じることができ、スリリングなファイトを楽しむことが可能。

イカ特有の、グイッグイッというジェット噴射をたっぷり楽しみたい方には、しなやかなMLクラスのほうがマッチするでしょう。

MとMLの違い⑤ファイトの安定感・キャッチ率

一方、ファイトの安定感に関してはMクラスに軍配が上がります。

ブランクスのもつパワーで、良型イカでも無理なく浮かせて寄せることが可能。

走られたらまずい場所があるポイントなどでは、Mクラスの力強さが頼りになります。

エギングにおける総合的なキャッチ率においては、MLよりもMの方が優っているといえるでしょう。

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エギングでMとMLを迷ったときの判断基準

ここまでの内容をふまえ、エギングロッドの硬さをMとMLで迷ったときの判断基準をまとめておきます。

基準は以下の4つです。

  1. 釣り味重視か、効率重視か
  2. メインは春なのか、秋なのか
  3. 感度重視か、パワー重視か
  4. 入門ロッドかどうか

基準①釣り味重視か、効率重視か

1つ目の基準は、ファイトの楽しさと効率をてんびんにかけるパターンです。

  • 釣り味(ファイトの楽しさ)重視ならMLパワー
  • ファイトの効率・キャッチ率重視ならMパワー

ということになります。

1匹1匹を楽しみながら釣りたい派の人には、しなやかで引き味を存分に感じられるMLクラスがGood。

ファイトを手早く片付けて、サクサク数釣りしたい人には、より反発力が高いMクラスがマッチするでしょう。

基準②メインは春なのか、秋なのか

次はそれぞれの硬さ(パワークラス)と相性が良い季節についてです。

基本的には、秋にはML、春にはMということになります。

その時期に釣れるアベレージサイズに合わせた設計になっていますからね。

ただ、エギングに手慣れてくると

  • 秋だけど数釣りのためにあえてMクラスを
  • 春イカの引きをより楽しむためにあえてMLクラスを

という選択肢も有力になってきます。

このあたりは、自身のスタイルに合わせて柔軟に変えていくべき点ともいえるでしょう。

基準③感度重視か、パワー重視か

続いては、繊細さと力強さのバランスについて。

両者はトレードオフの関係にありますから、

  • 感度重視ならMLクラス
  • パワー重視ならMクラス

を選ぶのが定番です。

MLクラスは細身で軽く、しなやか。負荷の入りと抜けを感知しやすく、特に荷重感度の面で有利になります。

Mクラスは硬くて反発力が強め。総合的な感度はMLよりも劣るケースが多いものの、力持ちです。

基準④入門ロッドかどうか

お探しのロッドが入門用かどうかという点も、重要なポイントとなります。

結論からいえば、入門ロッドにはMLクラスのほうがおすすめです。

まず、持ち前の柔らかさが衝撃を吸収するので、体への負担が少なくなります。

よくしなるぶんキャスト時のリリースのタイミングもとりやすいです。

また、MLクラスが得意とする秋シーズンに釣れるアオリイカの新子は、比較的警戒心が低めで釣りやすいというのも良いところ。

エギング入門ロッドには、最も万能なMクラスを!という考え方もあるのですが、筆者的にはMLクラスをおすすめしています。

Mクラス/MLクラスのおすすめエギングロッド一覧

MとMLの選び分けについてはあらかた解説しましたので、ここからはおすすめのロッドをまとめていきます。

ロッドに費やす予算は人それぞれだと思いますので、以下の3つの価格帯に分けておすすめ製品をピックアップしてみました。

  • エントリークラス(実売1万円台)
  • ミドルクラス(実売2〜3万円台)
  • ハイエンドクラス(実売4万円台〜)

ちなみに、Mクラス・MLクラスのエギングロッドについては、それぞれの特集記事を用意しています。

なので、ここではおすすめモデルのスペックをざっくり一覧でまとめる程度にしました。

Mクラス・MLクラスやおすすめモデルの詳しい特徴については、以下の記事をご確認ください。

エントリークラスのおすすめロッド一覧

エントリークラス×MLパワー

メーカー製品機種全長自重エギサイズ
シマノセフィアTTS86ML2.59m98g1.8~3.8号
オリムピック21カラマレッティUX832ML2.52m110g2.0~3.5号

≫シマノ「セフィアTT」の特集記事はコチラ

≫オリムピック「21カラマレッティUX」の特集記事はコチラ

エントリークラス×Mパワー

メーカー製品機種全長自重エギサイズ
シマノセフィアTTS86M2.59m105g2.0-4.0号
テイルウォークエギストSSD81M8ft1in105gMAX4.5号

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≫テイルウォーク「エギストSSD」の特集記事はコチラ

ミドルクラスのおすすめロッド一覧

ミドルクラス×MLパワー

メーカー製品機種全長自重エギサイズ
メジャークラフトエギゾースト5G862ML8ft6in1.5-3.5号
がまかつEGRRS80ML-solid2.44m85g1.8-3.5号

≫メジャークラフト「エギゾースト5G」の特集記事はコチラ

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ミドルクラス×Mパワー

メーカー製品機種全長自重エギサイズ
ダイワ21エメラルダスMX83M2.52m95g2.5-4.0号
シマノセフィアXRS86M-S2.59m100g2.0-4.0号

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ハイエンドクラスのおすすめロッド一覧

出典:シマノ

ハイエンドクラス×MLパワー

メーカー製品機種全長自重エギサイズ
ダイワエメラルダス ストイスト RT88ML2.64m84g1.8-3.5号
ヤマガブランクス23カリスタ82ML2.496m92g2.5-3.5号

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≫ヤマガブランクス「23カリスタ」の特集記事はコチラ

ハイエンドクラス×Mパワー

メーカー製品機種全長自重エギサイズ
シマノ20セフィア エクスチューン79M2.36m100g2.0-4.0号
がまかつラグゼ EGX89M-solid2.67m89g2.0-3.5号

≫シマノ「20セフィア エクスチューン」の特集記事はコチラ

≫がまかつ「ラグゼ EGX」の特集記事はコチラ

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万能だけど違いあり!MとMLのエギングロッド

というわけで、エギングロッドのMクラス・MLクラスの違いについての解説は以上です。

本記事で紹介したそれぞれのパワークラスの解説は以下のとおり。

比較項目MLM
エギサイズ
(※目安)
2.0-3.5号2.5-4.0号
重量ほぼ同水準左に同じ
得意とするシーズン
ファイトの楽しさ引き味を存分に楽しめる小型のイカ相手なら味気ないことも…
ファイトの安定感・キャッチ率良型のイカには力負けするケースあり小型〜良型まで、高い安定感とキャッチ率

上表を参考に、ご自身がエギングロッドに求める要素は何かを絞り込めば、MクラスとMLクラスの選び分けに失敗する確率が下がると思います。

本記事の内容も取り入れつつ、自分にピッタリのエギングロッドを探してみてください。

この記事で紹介したおすすめロッドまとめ

エントリークラス×MLパワー

メーカー製品機種全長自重エギサイズ
シマノセフィアTTS86ML2.59m98g1.8~3.8号
オリムピック21カラマレッティUX832ML2.52m110g2.0~3.5号

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エントリークラス×Mパワー

メーカー製品機種全長自重エギサイズ
シマノセフィアTTS86M2.59m105g2.0-4.0号
テイルウォークエギストSSD81M8ft1in105gMAX4.5号

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≫テイルウォーク「エギストSSD」の特集記事はコチラ

ミドルクラス×MLパワー

メーカー製品機種全長自重エギサイズ
メジャークラフトエギゾースト5G862ML8ft6in1.5-3.5号
がまかつEGRRS80ML-solid2.44m85g1.8-3.5号

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ミドルクラス×Mパワー

メーカー製品機種全長自重エギサイズ
ダイワ21エメラルダスMX83M2.52m95g2.5-4.0号
シマノセフィアXRS86M-S2.59m100g2.0-4.0号

≫ダイワ「21エメラルダスMX」の特集記事はコチラ

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ハイエンドクラス×MLパワー

メーカー製品機種全長自重エギサイズ
ダイワエメラルダス ストイスト RT88ML2.64m84g1.8-3.5号
ヤマガブランクス23カリスタ82ML2.496m92g2.5-3.5号

≫ダイワ「エメラルダス ストイスト RT」の特集記事はコチラ

≫ヤマガブランクス「23カリスタ」の特集記事はコチラ

ハイエンドクラス×Mパワー

メーカー製品機種全長自重エギサイズ
シマノ20セフィア エクスチューン79M2.36m100g2.0-4.0号
がまかつラグゼ EGX89M-solid2.67m89g2.0-3.5号

≫シマノ「20セフィア エクスチューン」の特集記事はコチラ

≫がまかつ「ラグゼ EGX」の特集記事はコチラ

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