本記事では「エギングロッドでアジングはできるの?楽しめるの?」という疑問にお答えしていきます。

先に結論を言っておきますと、残念ながらそんなに快適に楽しむことはできません。

とはいえ、エギングロッドに合う仕掛けを使うなら、むしろ兼用するほうが賢い選択であるともいえます。

本文ではそのへんをわかりやすく整理・解説し、エギングとアジングでの兼用に向くオススメロッドもご紹介。

エギングとアジングでのロッド兼用をお考えの方は、ご一読ください。

本記事でわかること
  • エギングロッドでアジングはできるのか?楽しめるのか?
  • アジングでエギングロッドを使うときの注意点
  • エギングとアジングで兼用できるロッドの選び方/おすすめロッド
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エギングロッドでアジングはできるのか?

まずは本記事で最も大きな問いである「エギングロッドでアジングはできるのか?」という点について回答しておきます。

エギングロッドでアジングができないことはないです。ただ、楽しめるとは言い難い…。

やや歯切れの悪い言い方になってしまいますが、結論はこうなります。

このように主張する理由は主に以下の2点です。

  • ロッドの硬さ・長さが違いすぎることで弊害が生じる
  • アジングの醍醐味であるジグ単ができない

このあとは、上記2点について深掘りしていきます。

ロッドの硬さ・長さが違いすぎることによる弊害がキツイ

エギングロッドとアジングロッドでは、硬さ・長さがだいぶ異なります。

両者の違いを一覧にすると下表のとおり。

主流の長さ主流の硬さ扱いやすいルアー重量
アジングロッド6フィート前後UL、L0.3-8g
エギングロッド8フィート6インチ前後ML、M6-20g

見てわかるとおり、硬さも長さもぜんぜん違います。

ちなみにルアーロッド全体でいうと、これぐらい↓の違いがあります。

アジングロッドと比べて、長くて硬い(強い)エギングロッドでアジングをやろうとすると、以下のようなデメリットが生じます。

  • 操作感がわかりづらい
  • アタリがわかりづらい
  • 引きがわかりづらい
  • バラシが多くなる

デメリット①操作感がわかりづらい

1つ目のデメリットは、操作感がわかりづらくなること。

硬いエギングロッドでは、アジングの主軸となる軽い仕掛けを操作している感覚がわかりづらいです。

ロッドが長いことにより、手から穂先までの距離が遠くなるので、これも操作感がわかりづらくなる一要因となります。

特に風が強くなると、操作感のわかりづらさは顕著に…。

アジングに慣れていない方だと、すぐに「何をやっとるかわからん状態」になってしまいます。

デメリット②アタリがわかりづらい

2つ目のデメリットは、アタリがわかりづらいこと。

アジングロッドには、「ツッ…」という小さな振動やわずかな荷重変化など、アジの微細なアタリを取れる感度が備わっています。

一方、エギングロッドも感度は良いほうなのですが、繊細なつくりのアジングロッドと比べるとさすがに劣ります。

感知できるアタリの数が減る→アワセが決まらない→釣果が落ちる。という状況からは逃れられません。

また、アタリを感じて掛けるのはアジングの大きな楽しみのひとつ。これを味わえる回数が減るのもデメリットといえるでしょう。

デメリット③引きがわかりづらい

3つ目のデメリットは、アジの引きがわかりづらいこと。

硬いエギングロッドでは、アジのような小型魚の引きが非常にわかりづらくなります。

エギングロッドでアジングをやっていると、アタリも引きもわからず「なんか釣れてた」案件が増えます。

「(なんか)釣れた」ではなく、「(意図して)釣った」を味わえるというのがルアーフィッシングの良いところ。

自分なりの仮説を立て、試行錯誤したすえに釣れるから、脳汁ブシャーなわけですよ。

そんな脳汁体験が減るというのも、エギングロッドをアジングに流用するデメリットの1つです。

デメリット④バラシが増える

4つ目のデメリットは、バラシが増えること。

上アゴ部分以外のアジの口はとても柔らかく、針の掛かりどころが悪いとすぐにバレてしまいます。

アジングロッドのパワーが弱めになっている代表的な理由は、軽い仕掛けを投げ操作するため。

加えて、アジの動きに竿が追従してバラシを軽減するためというのも、大きな要因なのです。

エギングロッドは、アジングロッドと比べるとずいぶん硬いので、追従性で劣ります。

なので、口ギレなどによるバラシがどうしても多くなってしまいます。

ひとつのコツとして、ドラグを緩めに設定しておけばそれなりにバラシを軽減することは可能です。

ただ、「アジングロッドなら獲れた魚がエギングロッドでは獲れない」という現象がたびたび起きることは、事前に知っておかなければなりません。

よって、快適に楽しめるとは言い難い

…というわけで、エギングロッドでアジングをやろうとすると、以下のデメリットが生じます。

  • 操作感がわかりづらい
  • アタリがわかりづらい
  • 引きがわかりづらい
  • バラシが多くなる

エギングロッドであってもちゃんとアジを釣ることはできますし、アジングができないとまでは言いません。

しかしながら、快適にアジングを楽しめるとは言い難いですし、釣果を伸ばす難易度は高くなります。

ロッドの兼用を検討されている方にとっては少々ツラい現実になりますが、この事実は早めに知っておくべきです。

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エギングロッドではアジングの醍醐味であるジグ単ができないのがキツイ

エギングロッドでは基本的にジグ単ができないというのも、なかなかキツイ点です。

アジングで最強かつ一番おもしろい仕掛け(リグ)は「ジグ単」。(※もちろん異論は認めますが)

ジグ単(ジグヘッド単体)とは
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ジグ単とは、ジグヘッドにワームをつけ、それをラインの先に結ぶだけのシンプルな仕掛けです。

アタリがわかりやすく、アジに与える違和感も少ないので、釣果を伸ばしやすいという利点あり。

アジングでもっともポピュラーなリグなのです。

アジングでは1g前後のジグ単をゲームの軸にすると釣果を伸ばしやすいのですが、エギングロッドでは基本的にこれが使えません。

操作感がほとんどわからない状態になっちゃいますから…。

重い(3g〜)ジグ単ならエギングロッドでも使えるのですが、近年のアジングシーンではジグヘッドが重いと釣果が落ちがち。(理由は長くなるのでここでは割愛)

なので、エギングロッドで無理してジグ単を使うのはそもそもナンセンスです。

エギングロッドでアジングをやるなら、基本的に遠投リグ一択

とはいえ、エギングロッドでも他の武器は使うことができます。

エギングロッドでアジングをやるなら、「遠投リグ」がメインウエポンとなります。

遠投リグとは
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遠投リグとは、ジグヘッド&ワームの少し上に、シンカー(重り)や飛ばしウキなどをつけて重量を稼ぎ、遠投できるようにしたもの。

エギングロッドで操作しやすいリグ重量は6〜20gぐらいですから、ある程度重さのあるシンカー(ないし、飛ばしウキ)を合わせるとアジングがやりやすくなります。

重量でいうと10g前後が最も扱いやすいでしょう。

おすすめの飛ばしウキは、アルカジックの「シャローフリーク」です。

アルカジック「シャローフリーク」の特徴
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リーダーの端糸に結ぶだけで使える簡単セッティングが魅力の、アジングの決定版飛ばしウキです。

ウキの残浮力が0.3〜0.8g(ウキ重量によって変わる)に設定されており、残浮力よりも重いジグヘッドを合わせると仕掛けがゆっくり沈んでいくというのも注目ポイント。

表層以外の深さも探ることができ、距離・深さともに手広くサーチできます。

秒でセッティングできるので、アジング初心者さんの遠投リグ入門にもおすすめのアイテムです。

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エギングとアジングで兼用できるロッドの選び方

ここからは、エギングとアジング(※遠投リグ)で兼用しやすいロッドの選び方を解説していきます。

ロッド選びのポイントは以下の2点です。

ポイント詳細
MLパワー・MLパワーは、年間を通してエギングを楽しめる硬さ
・一方、強すぎない(堅すぎない)ので、遠投アジングとの相性も良い
8.3ft前後・エギングロッドで定番の長さ8.6ftよりもやや短めのレングス
・多彩なフィールドでエギングを楽しめる
・取り回しが良いので、遠投アジングでも十分に活躍できる

ちなみに、ティップ(穂先)に関しては一長一短あるので、好みで選んでOKです。

  • バラシを減らしたい→柔軟性の高いソリッドティップ
  • 感知できるアタリを増やしたい→中空構造で振動が響きやすいチューブラーティップ

とりあえず上記の基準がわかりやすいでしょう。

エギングとアジングで兼用しやすいおすすめロッドランキング

ってなわけで、ここからはエギングと遠投アジングで兼用しやすいおすすめロッドを、ランキング形式で紹介していきます。

ロッドの兼用を検討されている方は、コストパフォーマンスを重要視されていると思います。

なので、アンダー1万円〜2万円台の価格帯から以下の5本をピックアップしてみました。

おすすめ
ランキング
メーカー製品/機種参考実売価格
1位ダイワエギングX 83ML9,000円前後
2位メジャークラフトファーストキャスト エギング 832EL6,000円前後
3位シマノ22セフィアBB S832ML、S86M-S13,000円前後
4位メジャークラフトエギゾースト1G 832ML13,000円前後
5位がまかつラグゼ EG S S82ML28,000円前後
※参考実売価格は変動あり

おすすめ1位:ダイワ「エギングX 83ML」

出典:ダイワ

おすすめランキング1位は「エギングX」。

ダイワのエギング専用ロッドのなかで最もリーズナブルな製品です。

実売9,000円前後のお手頃価格ながら、独自機構の「ブレーディングX」でブランクを強化するなど、仕様も充実しています。

出典:ダイワ

十分な強度があってそこそこ軽いため、かなりコストパフォーマンスが高い製品です。

そんな「エギングX」の機種一覧は以下のとおり。

機種全長自重エギサイズ継数
83ML(★)2.51m108g1.8-3.5号2本
86ML2.59m110g1.8-3.5号2本
83M2.51m108g2.5-4.0号2本
86M2.59m113g2.5-4.0号2本

エギングと遠投アジングでの兼用におすすめの機種は「83ML」です。

年間を通してエギングを楽しめて、なおかつアジングの遠投リグとも好相性な8.3ft×MLクラス。

他ジャンルでも万能な活躍を期待できるので、ルアーフィッシングのなんでもロッドにもおすすめです。

おすすめ2位:メジャークラフト「ファーストキャスト エギング 832EL」

おすすめランキング2位は、「ファーストキャスト エギング」。

メジャークラフト社のなかで最安のエギング専用ロッドです。

実売6,000円前後という格安価格ながら、エギングに必要な最低限の性能はきちんと備わっています。

とにかく出費を抑えたい方におすすめのアイテムです。

「ファーストキャスト エギング」の機種一覧は以下のとおり。

機種全長(m)自重(g)エギサイズ(号)
FCS-802EL2.44非公表2.0-3.5
FCS-832EL(★)2.51非公表2.0-3.5
FCS-862EL2.59非公表2.0-3.5
FCS-832E2.51非公表2.5-3.5
FCS-862E2.59非公表2.5-3.5

エギングと遠投アジングでの兼用におすすめの機種は「832EL」。

取り回しの良い8.3ftに、堅すぎないELクラス(※他社のMLと同程度のパワー感)を合わせたモデルです。

おすすめ3位:シマノ「22セフィアBB S83ML/S86M-S」

出典:シマノ

おすすめランキング3位は、「22セフィアBB」。

シマノのエギング専用ブランド「セフィア」シリーズの入門機です。

「22セフィアBB」の持ち味は、独自機構の「ハイパワーX」が適用された、ネジレに強く軽量なブランク。

上位グレードのようなシャープな操作感と入門ロッドならではのマイルドさを、うまいこと共存させるセッティングとなっています。

出典:シマノ

「22セフィアBB」は、先に紹介した2製品よりはややお高い実売1.3万円前後。

とはいえ、価格が上がるぶん性能もしっかりしています。

そして、有名ブランドである「セフィア」のロッドを所有する喜びもアリ。てことで、いろんな意味でコスパ良好です。

「22セフィアBB」の機種一覧は以下のとおり。

「22セフィアBB」の機種一覧
-タップで開く-
機種全長自重エギサイズ継数
S76SUL-S2.29m95g1.5~2.5号2本
S83L2.51m103g1.5~3.5号2本
S86L2.59m103g1.5~3.5号2本
S76ML2.29m98g1.8~3.8号2本
S80ML2.44m105g1.8~3.8号2本
S83ML(★)2.51m105g1.8~3.8号2本
S86ML2.59m105g1.8~3.8号2本
S86ML-S2.59m103g1.8~3.8号2本
S89ML2.67m105g1.8~3.8号2本
S80M2.44m105g2~4号2本
S83M2.51m105g2~4号2本
S86M2.59m110g2~4号2本
S86M-S(★)2.59m108g2~4号2本
S89M2.67m110g2~4号2本
S86MH2.59m110g2.5~4.5号2本
S89MH2.67m110g2.5~4.5号2本

最推し機種は「S83ML」。8.3ft×MLクラスの組み合わせで、エギングでも遠投アジングでも使いやすい1本です。

もう1つの選択肢が「S86M-S」。アジングで使うには硬めのMクラスですが、しなやかなソリッドティップを採用しているというのがチャームポイントです。

食い込みが良く、掛けたアジをバラシづらい乗せ系機種となっています。

ソリッドティップ好きな方にgood!

おすすめ4位:メジャークラフト「エギゾースト1G 832ML」

おすすめランキング4位は「エギゾースト1G」。

メジャークラフトの新グレード「1G」シリーズのエギングロッドです。

「エギゾースト1G」は、エギング中上級者からの人気が高い最高峰グレード「エギゾースト5G」の強みを継承する本格ロッド。

メジャクラ製エギングロッドのなかでは、NEWスタンダード的な立ち位置にあります。

実売価格は1.3万円前後で、こちらもお財布にやさしいアイテムです。

「エギゾースト1G」の機種ラインナップは以下のとおり。

▽チューブラーティップモデル

Model全長(ft)標準自重(g)エギ(号)継数(pcs)
EZ1-832ML(★)8’3″1011.5-3.52
EZ1-862ML8’6″1041.5-3.52
EZ1-832M8’3″1042.0-4.02
EZ1-862M8’6″1102.0-4.02

▽ソリッドティップモデル

Model全長(ft)標準自重(g)エギ(号)継数(pcs)
EZ1-S862ML8’6″1041.5-3.52
EZ1-S862M8’6″1082.0-4.02

エギングとアジングで兼用するなら「832ML」がおすすめです。

選び方のポイントに挙げた「8.3ft前後×MLクラス」理論に合致する1本。

エギングでもアジングでも高い実力を発揮してくれます。

おすすめ5位:がまかつ「ラグゼ EG S S82ML」

出典:がまかつ

おすすめランキング5位は「ラグゼ EG S」。

がまかつのエギングロッド「EG」シリーズのエントリー機です。

こちらは実売2万円台となっており、これまで紹介してきた4アイテムと比べると少々値が張ります。

しかし、お値段が高いぶんだけ感度や操作性などの総合力で優ります。

エギングも遠投アジングもより本格的に楽しめるのが魅力です。

「ラグゼ EG S」の機種一覧は以下のとおり。

モデルNo.標準全長(ft/cm)標準自重(g)適正エギ(号)継数(本)
S82ML(★)8’2″(249)921.8~3.52
S86ML8’6″(259)941.8~3.52
S82M8’2″(249)932~3.52
S86M8’6″(259)962~3.52

エギングと遠投アジングでの兼用におすすめの機種は「S82ML」。

まず、推奨している8.3ft付近のレングスで取り回しが良いです。

硬さはMLクラスなので、エギングではオールシーズン活躍でき、遠投アジングでの戦闘力も高め。

かなり汎用性が高い1本となっています。

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まとめ

というわけで、エギングロッドのアジング使いに関する解説は以上です。

最後に本記事の要点をぎゅっとまとめておきます。

まず大前提として、エギングロッドでアジングを快適に楽しむことは難しいです。

主な理由は以下の2点。

  • 硬さ・長さが違うことによるデメリットが多い
  • エギングロッドでは基本的にジグ単が使えない

しかしながら、エギングロッドを遠投アジングで使うのはアリです。

むしろ、兼用するほうがコスパの良い立ち回りだともいえます。

※おすすめの遠投仕掛けはコチラ↓。

エギングと遠投アジングで兼用するロッド選びのポイントは以下の2点です。

  • 長さ:8.3ft前後
  • 硬さ:MLクラス

本記事のおすすめロッドランキングはコチラ↓です。

おすすめ
ランキング
メーカー製品/機種参考実売価格
1位ダイワエギングX 83ML9,000円前後
2位メジャークラフトファーストキャスト エギング 832EL6,000円前後
3位シマノ22セフィアBB S832ML、S86M-S13,000円前後
4位メジャークラフトエギゾースト1G 832ML13,000円前後
5位がまかつラグゼ EG S S82ML28,000円前後

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