シマノ「23ヴァンキッシュ」をエギング目線で解説&考察。
特徴やエギングにおすすめの番手、ライバルリールとの比較などをわかりやすくまとめました。
進化のベクトル的に競合リールに押されている感も否めないですし…。
購入を検討されている方は要チェックです。
シマノ「23ヴァンキッシュ」の特徴をエギング的に解説
まずは「23ヴァンキッシュ」の特徴をエギング視点で解説していきます。
インフィニティ系機構が目玉
「23ヴァンキッシュ」の目玉は、インフィニティ系の諸機構。
搭載されているインフィニティ系機構とその主な恩恵は以下のとおりです。
機構 | 主な恩恵 |
---|---|
インフィニティループ | 飛距離・トラブルレス性能アップ |
インフィニティドライブ | 巻き上げパワー・巻き心地の良さアップ |
インフィニティクロス | ギアの耐久力アップ |
ぶっちゃけ、飛距離以外はエギングではそれほど重要視されない性能です。
新搭載されたインフィニティ系機構は魅力的ではありますが、エギングとの相性は絶好とはいえません。
インフィニティループ
インフィニティ系機構のなかで、最も注目されているのが”インフィニティループ”。
主な恩恵は、飛距離・トラブルレス性能のアップです。
どれだけ遠くへエギを届けられるかは、エギングにおいて重要なファクターとなります。
特に、重量がない小型エギを使うときは、ロッドやリールの性能で飛距離を稼げるとありがたいです。
具体的数値は明示されていませんが、”インフィニティループ”搭載による飛距離性能アップはエギンガーにとって魅力的でしょう。
トラブルレス性能については、最近は低価格リールでも何ら問題がない水準になっています。
インフィニティループならではの恩恵は感じづらいでしょう。
巻き上げパワー・ギアの耐久性アップ
”インフィニティドライブ”や”インフィニティクロス”の採用による、巻き上げパワーやギアの耐久性アップについては、良型のイカを相手にするときはそれなりに恩恵があります。
大型のイカは引きがパワフルで、イカそのものも重いです。
そういった個体とやりとりをする際には、リールのタフさが求められる場面も多くなります。
ただ、小〜中型のイカを釣る際には、リールの強さはそれほど重要ではありません。
秋エギングがメインの方にとっては、あまり魅力的とはいえないかもです。
先代との重量比較
「23ヴァキッシュ」の重量を、先代モデルの「19ヴァンキッシュ」と比べてみましょう。
エギングに適したモデルの重量比較はコチラ↓。
サイズ | 23ヴァンキッシュ | 19ヴァンキッシュ |
---|---|---|
C2500クラス | 150g | 155g |
2500クラス | 165g | 165g |
C3000クラス ※ダブルハンドル | 175g | 175g |
最軽量のC2500クラスは5gほど軽量化されていますが、ほぼ誤差レベルです。
軽さについては、先代の「19ヴァンキッシュ」とおおむね同水準といって良いでしょう。
上位・下位リールとの比較
お次は「23ヴァンキッシュ」を上位・下位グレードのリールと比較してみましょう。
主な仕様の一覧はコチラ↓。
22ステラ | 23ヴァンキッシュ | 20ヴァンフォード | |
---|---|---|---|
実売価格 | 7万円前後 | 5.5万円前後 | 2.5万円前後 |
インフィニティクロス | ● | ● | |
インフィニティループ | ● | ● | |
インフィニティドライブ | ● | ● | |
マイクロモジュールギアⅡ | ● | ● | ● |
サイレントドライブ | ● | ● | ● |
Xプロテクト | ● | ● | ● |
リジットサポートドラグ | ● | ● | |
ボディ材質 | マグネシウム | マグネシウム | 強化樹脂(CI4+) |
ローター材質 | マグネシウム | 強化樹脂(CI4+) | 強化樹脂(CI4+) |
ハンドル材質 | アルミ | 強化樹脂(CI4+) | アルミ |
C2500番クラスの自重 | 175g | 150g | 160g |
2500番クラスの自重 | 205g | 165g | 175g |
「23ヴァンキッシュ」には、上位リールである「22ステラ」の目玉であるインフィニティ系機構がまるっと搭載されました。
上位グレードと比較してのお得感はなかなかのものです。
下位にあたる「20ヴァンフォード」に対しては、今のところ圧倒的な優位性があります。
とはいえ、「20ヴァンフォード」はモデルチェンジが近く、次世代モデルにはインフィニティ系機構も乗ってくるでしょう。
現段階では「23ヴァンキッシュ」が圧倒的な優位にありますが、次世代モデルで「ヴァンフォード」との差が縮まることは間違いありません。
シマノ「23ヴァンキッシュ」はエギング的におすすめなのか
「23ヴァンキッシュ」の特徴は上記のとおりです。
インフィニティループによる飛距離アップは魅力的ですし、巻き上げパワー・ギア耐久面の向上はデカイカ釣りでは頼りになります。
エギング用リールとして優秀であることは言うまでもなく、かなりのハイスペックリールです。
とはいえ今作「23ヴァンキッシュ」には、手放しでおすすめできない事情があります。
その事情というのが、同年発売のダイワ製リール「23エアリティ」の存在です。
「23エアリティ」はエギングにがっちりハマる進化を遂げており、相対評価で「23ヴァンキッシュ」に優ります。
というわけなので、「23ヴァンキッシュ」はエギングリールとして優秀ではありますが、相対評価でのおすすめ度は低めです。
購入前にはライバルリールとしっかり比較しておきましょう。
シマノ「23ヴァンキッシュ」のおすすめエギング番手まとめ
「23ヴァンキッシュ」の全15番手のうち、エギングに適したモデルは以下のとおり。
番手 | ギア比 | 最大ドラグ力 (kg) | 自重(g) | 糸巻量 (号-m) |
---|---|---|---|---|
C2500S | 5.1 | 3 | 150 | 0.6-200 |
C2500SXG | 6.3 | 3 | 150 | 0.6-200 |
2500S | 5.1 | 4 | 165 | 0.6-200 |
2500SHG | 5.8 | 4 | 165 | 0.6-200 |
C3000SDH | 5.1 | 9 | 175 | 0.6-200 |
C3000SDHHG | 5.8 | 9 | 175 | 0.6-200 |
自身に合うモデルを探すときは、ひとまず以下の3カテゴリに分けて考えると良いでしょう。
- C2500Sクラス
- 2500Sクラス
- C3000Sクラス
C2500Sクラス
C2500Sクラスは軽さに特化した番手です。
ライトゲーム用リール並みの軽量性を誇り、スローかつ繊細なアプローチに適しています。
「23ヴァンキッシュ」の軽さが活きるクラスなので、おすすめ度は最も高いです。
【定番】糸フケ回収効率が良いエクストラハイギアモデル
【フィネス】細かなテンションコントロールに適したノーマルギアモデル
2500Sクラス
2500Sクラスは、軽さとパワーのバランスが良い万能型。
C2500Sクラスと比べると、ボディにもドラグにも力があります。
春エギングでも秋エギングでも使いやすい定番サイズです。
【定番】糸フケ回収効率が良いハイギアモデル
【フィネス】細かなテンションコントロールに適したノーマルギアモデル
C3000Sクラス
C3000Sクラスの2モデルは、ダブルハンドル仕様です。
暗くてもハンドルノブを見つけやすいという利点がある反面、ハンドルが二股になっているぶん重量が増すという弱点を併せ持ちます。
「23ヴァンキッシュ」の強みである軽さが犠牲になるので、他の選択肢と比べておすすめ度は高くありません。
どうしても純正のダブルハンドルが良いという方向けの番手です。
【定番】糸フケ回収効率が良いハイギアモデル
【フィネス】細かなテンションコントロールに適したノーマルギアモデル
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シマノ「23ヴァンキッシュ」の競合リールまとめ
ここからは「23ヴァンキッシュ」とライバル関係にある競合リールの情報をまとめていきます。
ダイワ「23エアリティ」
「23ヴァンキッシュ」にとって最も強力なライバルとなるのは、ダイワ「23エアリティ」でしょう。
操作性・感度を強化する新コンセプト”エアドライブデザイン”を採用しており、進化の方向性がエギングと噛み合っています。
フルメタルのモノコックボディ仕様となっていることもあり、剛性も申し分なし。
エギング視点でのおすすめ度は、「23ヴァンキッシュ」よりも「23エアリティ」のほうが上です。
筋金入りのシマノ派という方以外は、要チェックなリールといえるでしょう。
アブガルシア「ゼノン」
コスパ的な観点で注目したいのが「ゼノン」。
2021年に発売されたアブガルシアの軽量スピニングリールです。
「ゼノン」には「23ヴァンキッシュ」と同じ金属(マグネシウム)ボディが搭載され、自重の軽さも引けを取らない水準となっています。
(自重の比較は下表参照)
サイズ | ゼノン | 23ヴァンキッシュ | 23エアリティ |
---|---|---|---|
2500番クラス | 148g | 150g | 150g |
それでいて「ゼノン」は、「23ヴァンキッシュ」や「23エアリティ」よりも2万円ぐらい安い。つまり、コスパがやばすぎるのです。
「23ヴァンキッシュ」では少々予算オーバー…。という方におすすめしたいリールです。
購入前の比較検討をしっかりと。
というわけで、「23ヴァンキッシュ」のエギング的考察&解説は上記のとおりです。
インフィニティ系機構による性能向上はうれしい点ですが、エギング的に見れば絶大な恩恵があるとは言い切れません。
エギングと相性抜群な進化を遂げた競合リール「23エアリティ」と比べると、おすすめ度は低いです。
購入の際は、ハイテンションで飛びつく前に、十分な比較検討を行うことをおすすめします。
「23ヴァンキッシュ」のエギング推奨モデルはコチラ
番手 | ギア比 | 最大ドラグ力 (kg) | 自重(g) | 糸巻量 (号-m) |
---|---|---|---|---|
C2500S | 5.1 | 3 | 150 | 0.6-200 |
C2500SXG | 6.3 | 3 | 150 | 0.6-200 |
2500S | 5.1 | 4 | 165 | 0.6-200 |
2500SHG | 5.8 | 4 | 165 | 0.6-200 |
C3000SDH | 5.1 | 9 | 175 | 0.6-200 |
C3000SDHHG | 5.8 | 9 | 175 | 0.6-200 |