ダイワ製スピニングリールの新たな顔として発売された「22イグジスト」。
本記事では、「22イグジスト」をアジング用に買うのはどうなのか?を掘り下げていきます。
仕様や適性番手の解説、ライバルである「22ステラ」との比較も踏まえ、多角的に考察してみました。
アジング用にハイエンドリール購入を検討されている方はご一読ください。
2023年追加情報:「イグジストSF(スーパーフィネス)」が登場!
ダイワ「イグジスト」が2022年にモデルチェンジ!
「イグジスト」はダイワ製汎用スピニングの最高峰に君臨するハイエンドリール。
最先端の技術を駆使し、泣く子も黙る高性能に仕上げたフラッグシップ機です。
そんな「イグジスト」は2022年に4年ぶりのモデルチェンジを迎え、さらなる高みに登り詰めています。
注目すべきは”エアドライブデザイン”
「22イグジスト」の注目ポイントはなんといっても”エアドライブデザイン”。
フロントユニット(リールの前方部)の設計に変更が加えられ、操作性が強化されています。
”エアドライブ”の思想が反映されたパーツは
- ベール(エアドライブベール)
- ローター(エアドライブローター)
- スプール(エアドライブスプール)
- シャフト(エアドライブシャフト)
の4つ。
いずれも先代の「18イグジスト」のものより大きく軽量化されています。
”エアドライブデザイン”の恩恵として大きいのは、リール単体のバランス向上です。
フロントユニット(リールの前側)が軽くなることで、重心が後方に寄ります。
ロッドに装着した際に、穂先の重さを感じにくくなり、感度ならびに操作性が向上。
他にも巻きの軽さや巻き感度、トラブルレス性能もアップしており、基本性能が順当に強化されています。
ちなみに、「22イグジスト」の仕様については特集記事で詳しく解説しています。
もう少し情報を掘りたい方は↓の記事もあわせてチェックしてみてください。
≫関連:ダイワ「22イグジスト」を大特集|エアドライブデザインの恩恵とは?
「22イグジスト」でアジングに適したモデルは?
アジングで使うリールは小型番手。
「22イグジスト」の中で選ぶなら、基本的に2000番クラスの2モデルがおすすめです。
軽量ジグ単でスローに攻めるならパワーギアの”LT2000S-P”
機種 | ギア比 | 自重 | 標準糸巻量 | ベアリング (ボール/ローラー) |
---|---|---|---|---|
LT2000S-P | 4.9 | 155g | PE0.4号-200m | 12/1 |
重めのジグ単や遠投リグ、メタルジグを合わせるならハイギアの”LT2000S-H”
機種 | ギア比 | 自重 | 標準糸巻量 | ベアリング (ボール/ローラー) |
---|---|---|---|---|
LT2000S-H | 5.8 | 155g | PE0.4号-200m | 12/1 |
といった選び方が定番です。
バスやエギングと兼用したいって場合は2500番クラスも一応選択肢には入ります。
…が、そのへんも含め出すとややこしくなるので、ここでは対象から外しておきました。
「22イグジスト」にピッタリなカスタムスプールも要チェック!
2023年追加情報:「イグジストSF(スーパーフィネス)」が登場!
「22イグジスト」には、2023年に追加モデルの「イグジストSF」が登場。
SF(スーパーフィネス)な釣りに特化した超軽量番手がラインナップに仲間入りしています。
フィネスな釣りを愛する方は「イグジストSF」も要チェックです!
アジング的な「22イグジスト」の強み・弱みは?
続いては、「22イグジスト」の強み・弱みをアジング目線で考察していきます。
強み①リール単体でのバランスの良さ
まずは”エアドライブデザイン”の大きな恩恵であるバランス向上。
「22イグジスト」では体感的な軽さがアップしており、より先重りを感じづらくなっています。
アジングでは、ティップにかかるわずかな負荷の変化を感じ取るのが重要です。
「コン!」と響かない違和感的なアタリだったり、潮流の変化だったりがわかるようになると、アジングがさらに楽しくなりますからね。
竿先が軽く感じる手元重心のタックルバランスを作りやすい「22イグジスト」は、こういった点で優秀です。
アジングに適した2番手は自重155gと十分に軽いですし、良バランスとの相乗効果で感度(特に荷重系)を出しやすくなっています。
強み②圧倒的な基本性能の高さ
ハイエンドリールならではの圧倒的基本性能も「22イグジスト」の強みです。
巻きの軽さ・滑らかさ、ドラグ性能、トラブル回避性能など、どこをとっても超高性能。
ダイワのフラッグシップ機使いなら当然得られるアドバンテージです。
購入したあかつきには、すこぶる快適な釣りライフが約束されています。
レベルが高いのは性能面だけでなく、デザイン面もです。
「22イグジスト」は丸みが美しい流線型フォルムとなっており、近未来的な雰囲気に仕上がっています。
輝きを放ちつつ、どこか落ち着いたシルバーも上質。
使っているだけ、持っているだけで高い満足度を得られます。
言うまでもなく所有欲の満たされ具合も素晴らしいです。
弱み①高スギ…
ただ、それだけ完成度の高いリールを作るにはカネがかかります。
今回の「22イグジスト」はなんと定価10万越え。いつに増してお高いのですよ…。
フロントユニットの大幅な設計変更など、開発費がかさんだというのもいち要因でしょう。
それに加え、イグジストオーナー専用のアフターサービスまで始まりましたからね。
こういった事情で、先代の「18イグジスト」よりも2万円ぐらい高くなっています。
アジング用リールに10万円というのは、だいぶハードルが高いです。
弱み②軽量リールの先頭集団から遅れている
バランスが良くなった「22イグジスト」ですが、重量に関しては先代とほぼ変わっていません。
2000番で155gってのは十分に軽いんですが、最先端の軽量リールからは一歩引いた重量となってます。
2022年現在、軽量アジングリールの先頭集団は135〜145g。
シマノの「ソアレXR」や「ヴァンキッシュ」、アブの「ゼノン」なんかがトップランナーです。
たった10〜20gの差とはいえ、手に取ったときの感触は意外と違います。
普段から140gクラスのリールを使っている方にとっては、「22イグジスト」の155gは重たく感じるかもしれません。
で、「22イグジスト」とアジングの相性はどうなのか?
ここからは、「結局、22イグジストとアジングの相性はどうなのか?」って話です。
もちろん、相性が悪いなんてことはありません。それなりに軽いですし、基本性能も言うことなし。
それに圧倒的な所有欲の充足がプラスされるわけですから、アジング用リールとしての満足度はめちゃめちゃ高いでしょう。
リールに10万円をポンと出せる人は、買って後悔することはないと思われます。
ただ、無理して買うこたぁない。
とはいえ、無理して「22イグジスト」を買う必要はぜんぜんありません。
「22イグジスト」を買ったからといって、アジングの世界が変わって釣果が爆伸びなんてことは考えにくいですから。
近年のアジングシーンでは多くの場合、リーリングよりもロッドワーク主体の方が釣果を上げやすいです。
なので、巻きに関わる性能はそれほど必要とされません。
また、アジングで釣れるアジの多くは20cm前後。リールの剛性もたいして要りません。
極端な話、糸フケの回収ができて、バラさず、ラインブレイクせずにキャッチできる最低限のドラグ性能があればいいわけです。
「22イグジスト」の性能はアジングにはだいぶ過剰で、宝の持ち腐れになりかねません。
そもそもアジングでは、他の釣りに比べてリールに10万円を投じる費用対効果が低いです。
「22イグジスト」とアジングの相性どうこうというよりは、アジングにおけるハイエンドリールの必要性が薄いともいえるんですよね〜。
なので、アジング用に無理してまで「22イグジスト」を調達する必要はないと思います。
リールのグレードを落とせばハイエンドロッドが買える
アジングでリールの重要性が低いということは、それだけロッドの重要性が高いってことです。
「22イグジスト」に10万円をぶっ込むより、リールのグレードを落としてハイエンドロッドを1本買い足す方がアジングが楽しくなるでしょう。
アジングでは5万円も出せば、バッチバチに高性能なロッドが手に入ります。
「22イグジスト」をアジング用に買おうと思っている方は、ロッドとリールにかける予算配分もあわせて検討することをおすすめします。
「22イグジスト」の代案となるアジングリールまとめ
仮に、「22イグジスト」からリールのグレードを落とすなら、↓のリールが有力候補となります。
メーカー | リール | 参考実売価格 | 重量 |
---|---|---|---|
ダイワ | 21ルビアスエアリティ | 5万円台〜 | 150g〜 |
シマノ | 19ヴァンキッシュ | 4万円台〜 | 145g〜 |
アブガルシア | ゼノン | 3万円台〜 | 142g〜 |
シマノ | ソアレXR | 2万円台〜 | 135g〜 |
ダイワ | 20ルビアス | 2万円台〜 | 150g〜 |
シマノ | 20ヴァンフォード | 2万円台〜 | 150g〜 |
いずれのリールも「22イグジスト」よりも軽いですし、お値段もほとんど半額以下です。
イグジストほどではないものの、リールの基本性能もアジングには十分すぎる水準となっています。
個人的に、アジングで使うなら「22イグジスト」よりも上記のリールたちの方がおすすめです。
浮いた予算をロッド購入に充てるとさらに幸せでしょう。
アジングで使うなら「22イグジスト」と「22ステラ」どっちがいい?
ダイワ「イグジスト」を語るうえで忘れてはいけないのが、永遠のライバルであるシマノ「ステラ」の存在です。
今回も同じタイミングでモデルチェンジされており、「22ステラ」が登場しています。
≫関連:シマノ「22ステラ」を大特集|インフィニティ・エボリューション(無限の進化)に迫る!
本記事を覗いてくださった方の中には、
アジングで使うなら、「22イグジスト」と「22ステラ」どっちがいいの?
という疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
筆者的には、アジング使いなら断然「22イグジスト」を推します。
「ステラ」シリーズは巻き性能と剛性の高さを売りにするリール。
アジングではそれほど必要としない性能がめちゃめちゃ高いんです。
イグジストですら過剰な剛性があるわけなので、ステラだとなおさら強すぎます。
そんなわけで、「22イグジスト」と「22ステラ」の2択でいうなら、「22イグジスト」がおすすめです。
先重り回避のための「22ステラ」チョイスは大アリ!
機種 | ギア比 | 自重 | 糸巻量 | ベアリング数 BB/ローラー |
---|---|---|---|---|
C2000SHG | 6.0 | 170g | PE0.6号-150m | 12/1 |
ただ、7ft超のロングロッドや一昔前のアジングロッドを使う場合は、軽量リールを合わせると先重りすることも多くなります。
そういったロッドを使う場合は、少し重めの「22ステラ」を合わせる方がしっくりくるでしょう。
重いリールじゃないとバランスが取れないお気に入りロッドがあるって方にとっては、「22ステラ」が最高の選択肢になるかもしれません。
≫関連:シマノ「22ステラ」を大特集|インフィニティ・エボリューション(無限の進化)に迫る!
「22イグジスト」のアジングに過剰な性能(と価格)をどうとるか?
というわけで、「22イグジスト」のアジング的考察は以上です。
結論としては、アジング使いするなら「22イグジスト」は無理して買う必要なし!ってことになります。
アジングでは基本的にリールの役割が薄いですから、「22イグジスト」の超高性能はかなり持て余すでしょう。
とはいえ、「22イグジスト」自体の実力が高いのは間違いありません。
所有欲込みでめちゃめちゃ満足度が高いリールなので、予算が潤沢な方にとっては有力すぎる選択肢です。
価格と性能をてんびんにかけてなお魅力的だと感じる方は、自信を持ってGETしちゃっていいと思いますよ。