シマノから発売される新たなライトゲームロッド「21ソアレXR」を紹介します。
人気の先代機の良さを踏襲しつつ、上位クラスでおなじみのテクノロジーも新たに追加。
さらにパフォーマンスが強化された中堅ロッドに仕上がっていますので、ぜひともご注目ください。
ソアレの方針を感じるモデルチェンジ
まず、「21ソアレXR」を語るうえで注目したいキーワードがあります。
それが”統合”です。
ご存知の方も多いかと思いますが「21ソアレXR」の前身は「17ソアレCI4+」。
先代機では
- 17ソアレCI4+:メバリングモデル
- 17ソアレCI4+ アジング:アジングモデル
といったように、2ジャンルに分けて製品がリリースされていました。
部門の”統合”に注目
ところが、今回のモデルチェンジではアジング・メバリング部門が統合され、ライトゲームの総合ロッドとして「21ソアレXR」が登場しています。
昨年(2020年)の「20ソアレ エクスチューン」でも両部門が統合されていました。
今後の”ソアレ”ブランドはアジ・メバの垣根を取っ払って、柔軟な発想で近代ライトゲームに対応するロッドを開発していくということでしょう。
アジ・メバロッドの明確な違いとは?
実際、アジングロッドとメバリングロッドの違いは紙一重です。
レングスという部分では、アジングロッドは総じて短め、メバリングロッドは総じて長めという明確な違いもあります。
ただ、チューニングについてはどうでしょう?
多くの方は、アジは張り強めパッツン、メバは柔らかマイルドみたいな漠然としたイメージをお持ちかもしれません。
しかしながら、
- メバリング寄りの柔和系ロッドでアジを釣りたい
- アジング系のパッツンロッドでメバルを掛け倒すのが楽しい
といった好みの方も少なくないんです。
ジャンル”専用”ロッドは時代遅れ?
要は、ライトゲームロッドを選ぶ時って、アジング専用か、メバリング専用かは大して重要じゃないのでは?ってことです。
専用ロッドかどうかという基準を捨てて
- アジだろうとメバだろうと、ロッドに求めるのは乗せ性能!
- ライトゲームロッドはとにかく張りのあるパッツン系じゃないと!
といった好みを軸に選ぶ時代に入っていく気もしています。
近年の”ソアレ”ブランドの動向を見ていると、シマノさんはこの点を主張していきたいのでは?と勝手に推察しているわけです。
とても合理的な考え方なので、筆者はいちユーザーとしてこの方針をかなり支持しています。
シマノ「21ソアレXR」の特長
さて、前置きはこれぐらいにして、ここからは「21ソアレXR」の特徴を詳しくチェックしていきましょう。
”カーボンモノコック”キター!!!
仕様面での最注目ポイントは、何といっても「カーボンモノコックグリップ」でしょう。
従来は”エクスチューン”グレード以上のハイエンド機の特権でしたが、今回は中堅グレードの”XR”まで降りてきています。
バス釣り分野では、アラ2万クラスの「ゾディアス」にも採用されていましたから、ライトゲームでもそろそろか?と期待していた方も多いかもしれません。
そんな期待を裏切らず、今回は3万円クラスの「21ソアレXR」にもバッチリ採用となりました。
カーボンモノコックグリップは、ブランクスとリアグリップが中空構造の一体成形。
ブランクスに伝わった振動を殺さないので、水中の情報把握が捗ります。
思いのほか重要度が高いパーツなのです。
2つの機関テクノロジーが乗った高性能ブランクス
「21ソアレXR」のブランクスには
- スパイラルXコア
- ハイパワーX
という2つの重要テクノロジーが適用されています。
前者はブランクスの内層をX状のカーボンテープで固めることで、ネジレとつぶれへの耐性を高める技術。
後者はブランクスの外層をX状のカーボンテープで締め上げる技術となっています。
内と外からブランクスを強化することで、操作の安定性とファイト時のパワーがグッと底上げされているわけです。
ソアレロッドで定番の「ブリッジライクシート」
リールシートはおなじみの「ブリッジライクシート」。
ソアレロッドではもはやこれ以外は考えられないほどの定着度ですよね。
これがまあ〜握りやすくて、優秀なんです。
硬い質感のカーボン樹脂が使われているので、感度面でも頼れるリールシートとなっています。
モデルによってリールシートの向きを変更
「21ソアレXR」のブリッジライクシートは、機種によって向きが異なります。
アジング寄りの機種にはダウンロック式を採用。ロッドを立てた状態での操作感が良く、ブランクスタッチも用意です。
一方、メバリング寄りの機種にはアップロック式を採用。ロッドを寝せた状態での操作感が良く、巻きの釣りにマッチします。
3種のティップを選択可能
「21ソアレXR」では、機種によって3種類のティップが使い分けられています。
ソリッドティップは以下の2種類。
- ハイレスポンスソリッド:張り強めのシャキッと系ティップ
- タフテック∞:しなやかなマイルド系ティップ
簡単にいえば、前者が掛け調子、後者が乗せ調子ってことになります。
唯一のチューブラーティップモデル「76UL-T」には、人気のソフチューブトップを採用。
文字どおり柔らかめのチューブラーティップとなっており、反響感度と乗せ性能を両立できるのが利点です。
「Xガイド」を軸としたガイドセッティング
ガイドはチタンフレームのXガイドを中心としたセッティング。軽くて空気抵抗が少ない設計です。
振り抜けが良く、心地よいキャストフィールを味わえます。
先重りの少なさも大きなアドバンテージです。穂先が軽いので、ティップの負荷が変わる違和感系アタリも取りやすくなります。
シマノ「21ソアレXR」の機種ラインナップを確認!
「21ソアレXR」は全11機種が揃う大所帯。アジ・メバジャンルが統合されたぶん、機種数がガッツリ増えていますね。
とはいえ、11機種もあると選ぶのが大変…。と感じる方も多いかもしれません。
そんな方はまず、どのティップが好みか?という点から絞り込んでいくのがおすすめです。
てなわけで、3種のティップごとにスペックを一覧にしてみました。
「ソフチューブトップ」搭載モデル
「ソフチューブトップ」は柔らかめのチューブラーティップです。
反響感度に優れ、コン系のアタリを感じやすいというチューブラー特有の強みはそのまま。
それでいて、バイトを弾きやすいというチューブラーの欠点をケアするティップとなっています。
ソリッドとチューブラーの性質が中和されており、両者のいいとこどりができるのです。
そんな「ソフチューブトップ」が採用されているのが「S76UL-T」。
機種 | ティップ | 全長 | 自重 | ルアー重量 |
---|---|---|---|---|
S76UL-T | チューブラー (ソフチューブ) | 2.29m | 75g | 0.6~6g |
レングスやパワー設計的に、メバリングでの使用が想定されていますね。
「ハイレスポンスソリッド」搭載モデル
「ハイレスポンスソリッド」は張りが強めなソリッドティップ。
「ソフチューブトップ」がソリッド寄りのチューブラーなら、「ハイレスポンスソリッド」はチューブラー寄りのソリッドといったところです。
心地よい張りがあるので、リグの操作が軽快で、フッキングスピードも担保してくれます。
加えて、荷重変化を捉えられる最低限のモタレ感も残してあり、ドリフト系の釣りにも対応。
かなりの汎用性を秘めたソリッドティップとなっています。
そんな「ハイレスポンスソリッド」搭載モデルは以下のとおり。
機種 | ティップ | 全長 | 自重 | ルアー重量 |
---|---|---|---|---|
S48UL-S | ソリッド (ハイレスポンス) | 1.42m | 52g | 0.4~8g |
S58UL-S | 〃 | 1.73m | 63g | 0.4~8g |
S510L-S | 〃 | 1.78m | 67g | 0.6~12g |
S64UL+-S | 〃 | 1.93m | 67g | 0.5~12g |
S68UL-S | 〃 | 2.03m | 68g | 0.4~8g |
S610L-S | 〃 | 2.08m | 74g | 0.6~12g |
S80UL+-S | 〃 | 2.44m | 81g | 1.5~14g |
「タフテック∞」搭載モデル
「タフテック∞」はしなやか系の王道ソリッド。
バイトに追随するので乗せ性能が高く、アワセを入れなくても半自動的なフッキングが可能です。
ティップが柔らかいぶん反響系の感度はやや犠牲になりますが、荷重の変化を捉えやすいという強みが際立ちます。
抜けアタリを感じたり、潮の噛み具合でベイトの溜まり場を察知したりといった玄人好みなゲームを展開できるのもGoodです!
機種 | ティップ | 全長 | 自重 | ルアー重量 |
---|---|---|---|---|
S54SUL-S | ソリッド (タフテック∞) | 1.63m | 60g | 0.3~6g |
S60SUL-S | 〃 | 1.83m | 63g | 0.3~6g |
S76UL-S | 〃 | 2.29m | 74g | 0.5~5g |
シマノ「21ソアレXR」の注目モデル7選(+1選)
「21ソアレXR」の機種一覧をざっくり見てきましたが、
うぅ…。全11機種はさすがに選択肢多すぎやわ…。
と参ってしまった方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、ここからは筆者的な注目モデルを紹介していきます。
魅力的なモデルが多いだけに割と厳選が大変でした。懸命に絞り込んでの7(+1)モデルをピックアップしています。
もちろん、ここで取り上げなかったモデルの性能が低いというわけではありませんので、先に補足しておきますね。
ジグ単アジング(即掛け型)モデル:S58UL-S
細かいリグ操作が可能なショートレングスで、ジグ単との相性が抜群な1本。
張りのある「ハイレスポンスソリッド」仕様かつ、適度なストロークを確保できる5.8ftということで、フッキングスピードも優秀です。
即掛けの爽快感を味わえる王道ショートロッドといえるでしょう。
ジグ単アジング(ドリフト型)モデル:S60SUL-S
しなやか系ソリッドの「タフテック∞」を搭載した6ftモデル。
リグを流れに乗せて潮のヨレを探しつつ、違和感的なアタリを掛けにいくドリフトアプローチに適します。
メバリング(乗せ掛けバランス型)モデル:S76UL-T
ソフチューブトップが入った7.6ftモデル。
高い反響感度を有しながら、乗せ掛けのバランスに優れる万能ロッドとなっています。
ジグ単や軽量プラグを主体とした攻めに適し、メバリングの新スタンダードスペックになっていきそうな1本です。
メバリング(乗せ特化型)モデル:S76UL-S
「タフテック∞」を搭載した7.6ftモデル。
しなやか系ソリッドが搭載され、乗せ性能に優れるTHEメバリングロッド的チューンです。
継続的に強めのラインテンションがかかる巻き型アプローチでも、自然に乗せていけるのが強みとなっています。
ソフチューブモデルが新スタンダードなら、こちらは従来スタンダードといえる1本です。
近〜中距離バーサタイルモデル:S68UL-S
近〜中距離で万能な活躍を見せる6.8ftモデル。
1gクラスのジグ単を軸にしつつ、足元にアジが寄っていない時はスプリットや軽めのキャロも使いたいって方にピッタリです。
全距離型バーサタイルモデル:S610L-S
ソアレのアジングシリーズで人気が高いロクテン(6ft10in)モデル。
ジグ単にスプリット、フロートまで対応する全距離サーチ型となっています。
「21ソアレXR」のなかでも随一の汎用性を誇り、すべてのアプローチを1本でこなしたい方におすすめです。
遠投特化型モデル:S80UL+-S
全機種のなかでも最長となる8.0ftモデル。
重ための遠投リグを思い切りぶっ飛ばして、超広範囲をサーチ可能です。
サーフやゴロタなど、ヒットエリアが遠いポイントの攻略でも重宝します。
(番外)鬼掛け系の超絶ショート:S48UL-S
先代の「17ソアレCI4+ アジング」でも一部のコアなファンから人気を博した4.8ftの超ショートロッド。
飛距離は犠牲になりますが、抜群の操作性とフッキング速度が魅力的です。
ジグ単に特化して近距離のアジを狩り散らかすスタイルはかなり病みつきになりますよ。
近日発売の「21ソアレXR」!ライトゲームファンなら見逃し厳禁!
というわけで、シマノの新作ロッド「21ソアレXR」の紹介は以上です。
先代機にあたる「17ソアレCI4+」シリーズから約4年ぶりのモデルチェンジということで、待ち侘びていた方も多いと思います。
カーボンモノコックグリップの搭載など、仕様面もかなりアップグレードされていますし、これは期待大です。
中堅クラスのライトゲームロッドをGETしようかな〜とお考えの方は、候補に入れておきましょう。