10年ぶりのモデルチェンジを遂げた「ソルティーステージ」シリーズから、ショアジギングカテゴリに投入された3製品を大特集。
ショアジギング・ライトショアジギング・マイクロショアジギングの3カテゴリに全20機種が揃う最注力ジャンルだけに、シリーズ内でも特に注目度は高めです。
予算2万円台クラスのショアジギングロッドをお探しの方はお見逃しなく!
アブガルシア「ソルティーステージ プロトタイプ」とは?
本記事で取り上げる「ソルティーステージ プロトタイプ」は、アブガルシアから発売されているソルト用ロッド。
実売2万円台クラスながらも超本格派の性能を有する中堅・スタンダード機です。
2021年に10年ぶりにフルモデルチェンジが行われ、飛躍的な進化を遂げています。
ショアジギングを含め、多彩なソルトゲームに対応する本製品。
まずは、「ソルティーステージ プロトタイプ」シリーズ全体に共通する仕様をささっと紹介していきます。
≫関連:リソースを一点集中!「ソルティーステージ プロトタイプ」がスゴイぞ。
ソルティーステージに”TAF製法”が解禁
最も注目すべき仕様は、”TAF製法”です。
これまで、ハイエンド機にしか適用されてこなかったアブ独自のブランクス製法が、2万円台クラスに解禁されています。
極薄のカーボンシートを複数層に重ねる多プライ構造となっており、ブランクスの強度が大幅にアップ。
旧世代機よりも細身で軽く、強いブランクスを造るのに一役買っています。
ブランクス素材は国産カーボン100%
「ソルティーステージ プロトタイプ」のブランクスに使われているカーボン素材は国産100%。
高品質なマテリアルを贅沢に使用しています。
東レの”ナノアロイテクノロジー”が適用されたカーボン素材も使われており、実売2万円台クラスのロッドなかでも仕様の豪華さは屈指。
製法面だけでなく、素材面でのコスパも魅力的です。
あえての完全無塗装をチョイス
デザイン面で印象的なのは完全無塗装のブランクスです。
きらびやかさはないものの、無骨なマットブラックが逆にスタイリッシュな印象をかもし出しています。
完全無塗装はコスパ向上にも大きく貢献。
まず、塗料や塗装作業にかかるコストを削減できるので、それだけ他に予算を回せます。
(「ソルティーステージ プロトタイプ」の場合は、浮いたコストをブランクスの品質向上に注ぎ込んでいると思われ。)
さらに、塗装ムラなどによるボツ品が減ることで結果的に生産性が高まり、低価格で販売できるというわけです。
アブガルシア「ソルティーステージ プロトタイプ (ライト・マイクロ)ショアジギング」の特徴
「ソルティーステージ プロトタイプ」は、ソルトの全11ジャンルに63機種を展開するマンモスロッドシリーズ。
ありとあらゆるジャンルのなかでも、ショアジギングには無類の注力をしています。
- ショアジギング(10機種)
- ライトショアジギング(6機種)
- マイクロショアジギング(4機種)
ということで、ショアジギジャンルには20機種が揃っており、全63機種の約31.8%をショアジギ分野に投入していることになります。
ここからは
- ソルティーステージ プロトタイプ ショアジギング
- ソルティーステージ プロトタイプ ライトショアジギング
- ソルティーステージ プロトタイプ マイクロショアジギング
の具体的な違いをチェックしていきましょう。
適合ジグ重量の違い
各製品の違いとして最もわかりやすいのは、適合ジグ重量です。
公式のスペックでは、
製品 | 適合ジグ重量 |
---|---|
ソルティーステージ プロトタイプ ショアジギング | 20~160g |
ソルティーステージ プロトタイプ ライトショアジギング | 7~50g |
ソルティーステージ プロトタイプ マイクロショアジギング | 0.8~15g |
ってな感じになっています。
もっとざっくりいえば、
- ショアジギング:60gクラス
- ライトショアジギング:30gクラス
- マイクロショアジギング:10gクラス
のジグをメインに設計されているってことになります。(機種によって多少の差異あり)
自身に合うロッドがわからない場合は、使いたいジグ重量を基準に製品を選ぶのがおすすめです。
メインターゲットの違い
ジグの重量と連動する形で、3ジャンルのロッドが得意とするメインターゲットも異なります。
違いとしては
- ショアジギング:中~大型青物
- ライトショアジギング:小~中型青物、フラットフィッシュ
- マイクロショアジギング:アジ、メバル、サバ、カマスなど
といった感じです。
ロッドのチョイスに迷っている方は、釣りたい魚から選ぶのもいいと思います。
レングスの違い
「ソルティーステージ プロトタイプ」のショアジギングロッド各シリーズは、適合するジグやターゲットに応じて、レングスも細かく調整されています。
レングスの違いは↓のとおり。
- ショアジギング:9.4~11.3ft
- ライトショアジギング:9.7~11.5ft
- マイクロショアジギング:7.7~10.7ft
飛距離勝負になりやすいショアジギングとライトショアジギングは、10ftクラスを中心としたラインナップです。
一方、マイクロショアジギングモデルには、キャストと操作の正確性に優れるショートモデルが多く展開されています。
グリップ設計
グリップについても、各製品に合う形にアジャストされています。
ショアジギングモデルはリアグリップが最も長く、強い力を込めたキャスト・操作・ファイトが想定されています。
ライトショアジギングモデルは、ショアジギングよりもリアグリップの長さが少し控え目。軽さも意識した設計です。
マイクロショアジギングモデルは、アブのオリジナルリールシートを採用。
ライトゲームロッドのような使用感が得られ、感度と操作性のアドバンテージが強くなっています。
また、ショアジギジャンルでもじわじわ人気が高まっているベイトモデルもラインナップ済。(※ショアジギング・ライトショアジギングモデルのみ。)
幅広いニーズに対応しています。
ロッド重量の違い
ショアジギジャンルの「ソルティーステージ プロトタイプ」は、各製品の強さに連動する形でロッド重量も大きく異なります。
それぞれの重量は↓のとおり。
製品 | 重量 |
---|---|
ソルティーステージ プロトタイプ ショアジギング | 203~316g |
ソルティーステージ プロトタイプ ライトショアジギング | 152~200g |
ソルティーステージ プロトタイプ マイクロショアジギング | 94~121g |
当然ですが、ロッドのパワーが強ければ強いほど重量が増すという形になっています。
感覚的には
- ライトショアジギング ≒ シーバスロッド
- マイクロショアジギング ≒ エギングロッド
といったところです。
どれぐらいの強さ(重さ)のロッドが欲しいのか?というのも、ロッド選びの基準のひとつとなりますね。
「ソルティーステージ プロトタイプ (ライト・マイクロ)ショアジギング」の機種一覧
続いては「ソルティーステージ プロトタイプ (マイクロ・ライト)ショアジギング」の機種ラインナップを見ていきましょう。
かなり機種数が多いので、まずはスペックだけざっとまとめてみました。(おすすめ機種は後述します。)
ソルティーステージ プロトタイプ ショアジギング(全10機種)
機種 | 全長 | 自重 | ルアー重量 | 継数 |
---|---|---|---|---|
XSJS-942XX120 | 2.845m | 306g | 40~160g | 2本 |
XSJS-962MH60 | 2.896m | 217g | 20~90g | 2本 |
XSJS-1002MH60 | 3.048m | 218g | 20~90g | 2本 |
XSJS-1062MH60 | 3.200m | 232g | 20~90g | 2本 |
XSJS-1133MH60 | 3.429m | 257g | 20~90g | 3本 |
XSJS-1032H80 | 3.124m | 294g | 30~120g | 2本 |
XSJS-1002XH100 | 3.048m | 316g | 30~140g | 2本 |
XSJC-962MH60 | 2.896m | 203g | 20~90g | 2本 |
XSJC-1032H80 | 3.124m | 264g | 40~120g | 2本 |
XSJC-1002XX120 | 3.048m | 312g | 60~160g | 2本 |
ソルティーステージ プロトタイプ ライトショアジギング(全6機種)
機種 | 全長 | 自重 | ルアー重量 | 継数 |
---|---|---|---|---|
XLSS-9112ML30 | 3.203m | 168g | 7~40g | 2本 |
XLSS-1092ML30 | 3.277m | 175g | 7~40g | 2本 |
XLSS-992M40 | 2.972m | 171g | 10~50g | 2本 |
XLSS-1072M40 | 3.226m | 179g | 10~50g | 2本 |
XLSS-1153M40 | 3.480m | 200g | 10~50g | 3本 |
XLSC-972ML30 | 2.921m | 152g | 7~40g | 2本 |
ソルティーステージ プロトタイプ マイクロショアジギング(全機4種)
機種 | 全長 | 自重 | ルアー重量 | 継数 |
---|---|---|---|---|
XMJS-772UL-F | 2.311m | 94g | 0.8~15g | 2本 |
XMJS-872UL-F | 2.616m | 103g | 0.8~15g | 2本 |
XMJS-972UL-RF | 2.921m | 115g | 0.8~15g | 2本 |
XMJS-1072UL-RF | 3.226m | 121g | 0.8~15g | 2本 |
「ソルティーステージ プロトタイプ (ライト・マイクロ)ショアジギング」のおすすめ機種5選
全20機種が揃う「ソルティーステージ (ライト・マイクロ)ショアジギング」。
選択肢が多いのは喜ばしい反面、どれにするか迷っちゃう…って方もいらっしゃるでしょう。
そんな方のために、ここでは5つのおすすめ機種を紹介していきます。
おすすめ機種①ショアジギング XSJS-962MH60
全長 | 自重 | ルアー重量 | 継数 |
---|---|---|---|
2.896m | 217g | 2~90g | 2本 |
ショアジギングロッドの定番スペック。取り回しの良い9.6ftレングスで、60gクラスのジグにベストマッチな1本です。
誰でも、どこでも扱いやすいモデルとなっているので、初めての1本にもおすすめ。
汎用性の高さを重視したい方はコレです。
おすすめ機種②ショアジギング XSJS-1002XH100
全長 | 自重 | ルアー重量 | 継数 |
---|---|---|---|
3.048m | 316g | 30~140g | 2本 |
100gクラスのジグをローテの主軸とし、大物とのガチンコファイトを楽しみたい方向けのパワー型モデル。
激流やディープが絡むポイントでも快適なジグ操作ができるのが強みです。
沖磯で有利に立ち回りたいエキスパートを意識した1本となっています。
おすすめ機種③ライトショアジギング XLSS-9112ML30
全長 | 自重 | ルアー重量 | 継数 |
---|---|---|---|
3.203m | 168g | 7~40g | 2本 |
30gのライトジグでゆるっとショアジギを楽しめるモデル。
短すぎず、長すぎないギリ9フィート台の絶妙レングスを採用しています。
小〜中型の青物はもちろん、フラットフィッシュゲームでも使いやすいセッティング。
かなり使い勝手の良いLSJ機です。
おすすめ機種④ライトショアジギング XLSS-1153M40
全長 | 自重 | ルアー重量 | 継数 |
---|---|---|---|
3.480m | 200g | 10~50g | 3本 |
圧倒的な遠投性能を誇る超ロングモデル。
ブレイクが遠いサーフなど、飛距離が重要となるフィールドにめっぽう強いアイテムとなっています。
広範囲をくまなく探りたいオープンフィールド攻略にもGoodです。
おすすめ機種⑤マイクロショアジギング XMJS-872UL-F
全長 | 自重 | ルアー重量 | 継数 |
---|---|---|---|
2.616m | 103g | 0.8~15g | 2本 |
マイクロショアジギングモデルのおすすめは”872UL-F”。
”-F”はファーストテーパー(先調子)を意味し、竿先に近い部分の張りで気持ちよくジグを操作できるようチューンされています。
レングスはエギングロッドクラスの8.7ftとなっており、遠投性・操作性のバランスに優れます。
10g前後のジグを扱うには持ってこいです。
アブガルシア製ショアジギングロッドの全体像
アブガルシアのショアジギングロッドは
- ソルティースタイル
- ソルティーステージ プロトタイプ
の2ブランド展開となっています。
製品と実売価格の一覧はコチラ↓。
ブランド | カテゴリ | 参考実売価格 |
---|---|---|
ソルティーステージ プロトタイプ | ショアジギング | 2万円台〜 |
ソルティーステージ プロトタイプ | ライトショアジギング | 2万円台〜 |
ソルティーステージ プロトタイプ | マイクロショアジギング | 2万円台〜 |
ソルティースタイル | ショアジギング | 1万円台〜 |
ソルティースタイル | ライトショアジギング | 1万円台〜 |
ソルティースタイル | スーパーライトショアジギング | 1万円台〜 |
ソルティースタイル | マイクロショアジギング | 1万円台〜 |
本記事で特集している「ソルティーステージ プロトタイプ」は上位グレード。
基本的には中〜上級者を意識したアイテムとなっています。
とはいえ、実売価格は2万円台クラスに抑えてありますから、ちょっと贅沢な入門用ロッドとしても悪くありません。
かなり幅広い層のユーザーにおすすめできるアイテムです。
「ソルティーステージ プロトタイプ (ライト・マイクロ)ショアジギング」の競合ロッドまとめ
人気のショアジギングジャンルには、アブガルシア以外のメーカーからも有力なロッドが多数発売されています。
ここからは「ソルティーステージ プロトタイプ (ライト・マイクロ)ショアジギング」の競合ロッドをざっとチェックしていきましょう。
他社ライバル機の一覧はコチラ↓。
メーカー | 製品 | 参考実売価格 |
---|---|---|
ダイワ | オーバーゼアAIR | 2万円台〜 |
シマノ | コルトスナイパーXR | 3万円台〜 |
シマノ | ネッサXR | 3万円台〜 |
メジャークラフト | クロスライド5G | 2万円台〜 |
ダイワ「オーバーゼアAIR」
ダイワの人気ブランド”オーバーゼア”のスタンダード機。
サーフやライトショアジギング向けの機種を中心に展開しており、手軽にショアキャスティングゲームを楽しめると好評です。
総合的なコスパという面では「ソルティーステージ プロトタイプ」の方がやや優勢な気もしますが、「オーバーゼア AIR」も見逃せません。
≫関連:実力はいかに?「20オーバーゼアAIR」を競合ロッドと比較しながら徹底解剖。
シマノ「コルトスナイパーXR」
シマノのショアジギングブランド「コルトスナイパーXR」の中堅機。
遠投性・操作性・感度・パワーの性能がバランス良く整い、総合力が高いと評判のロッドです。
シマノ社のハイエンド機でおなじみの高度テクノロジーも多数適用されており、仕様面のお得感もかなりのものとなっています。
≫関連:お値段以上の総合力|20コルトスナイパーXRがいろいろとスゴイ!
シマノ「ネッサXR」
サーフに特化したシマノの人気ロッドシリーズ”ネッサ”の中堅機。
十八番の”カーボンモノコックグリップ”を採用し、繊細なサーフフィッシングに求められる感度を極限まで高めているのが特長です。
”スパイラルXコア”など、強度面の主要テクノロジーもしっかり乗っており、感度以外の性能も優秀。
サーフを主戦場とするアングラーは要チェックなアイテムです。
≫関連:カーボンモノコック降臨!「21ネッサXR」のコスパがやばめ。
メジャークラフト「クロスライド5G」
メジャークラフトが2021年に発売した新機軸ブランド”5G”シリーズの一員。
実売2万円台クラスながらも東レの高級カーボン”トレカT1100G”を採用するなど、メジャクラさんらしいコスパぶっ壊れロッドです。
「ソルティーステージ プロトタイプ (ライト・マイクロ)ショアジギング」の対抗馬としては、1番のライバルといえるかもしれません。
≫関連:いや、コスパ…!「クロスライド5G」がさすがにヤバすぎる件。
自分にピッタリの「ソルティーステージ (ライト・マイクロ)ショアジギング」を探そう!
というわけで、「ソルティーステージ プロトタイプ (ライト・マイクロ)ショアジギング」の紹介は以上です。
3ジャンルに20機種という大型ラインナップが投入されており、かなり厚みのある構成となっていましたね。
豪華な仕様と最新スペックに注目が集まる「ソルティーステージ プロトタイプ」の目玉製品だけに、ショアジギアングラーは見逃し厳禁です。
他社競合ロッドとも見比べつつ、ご自身にピッタリな1本を探してみてはいかがでしょうか。