ダイワから新たに発売されるハイエンドシーバスロッド「モアザン ブランジーノ EX AGS」を徹底解剖。

これまでのお約束を根底から覆す、禁断のコンセプトに迫ります。

”軽さ・感度”と”強さ”がトレードオフになる時代は終わりました。新生ブランジーノでどちらも欲張っちゃいましょう。

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トレードオフ”前提チューンの先代モデル

出典:ダイワ

本記事で紹介する「モアザン ブランジーノ EX AGS」の前身にあたるのは

  • モアザン ブランジーノ AGS
  • モアザン エキスパート AGS

の両製品。

 

前者(ブランジーノ AGS)は剛性に重きを置いたパワー型、後者(エキスパート AGS)は軽さ・感度に重きを置いたフィネス型のセッティングが採用されていました。

役割を分けてリリースするダブルフラッグシップという形をとっていたわけです。

 

基本的に、ルアーロッドにおいて「強さ」と「軽さ・感度」はトレードオフの関係にあります。

一方を追求すれば、もう一方が失われる。これはルアーロッドのみならず、万物の真理ともいえる関係でしょう。

「強さ」あるいは「軽さ・感度」を追求したシリーズを分けて開発し、明確な違いをアナウンスしたうえで世に送り出した先代シリーズの戦略は、とても理にかなっていたわけです。

アングラーもメーカーも感じていた先代モデルの課題点

しかしながら、先述のトレードオフを前提に開発された先代モデルには、それぞれのデメリット(不安要素)が存在しました。

 

まず、パワー型の”ブランジーノ”はロッドそのものが重いため、繊細なルアー操作に向かず、どうしても攻め手が大雑把なものになってしまう点。

対して、フィネス型の”エキスパート”はここぞというときのパワーに欠け、千載一遇のチャンスをふいにしてしまうかも…という不安があったわけです。

 

かといって、両者を単純に中和するだけでは、ただ無個性なハイエンドロッドができあがるだけ…。

メーカーサイドとしても、いろいろな葛藤があったことは想像に難くありません。

「モアザン ブランジーノ EX AGS」のコンセプトは、トレードオフの破壊!

出典:ダイワ

さて、そんな背景があるなか、今回の「モアザン ブランジーノ EX AGS」で訴求されているのは”トレードオフの破壊”です。

本来トレードオフである「強さ」と「軽さ・感度」の両方が超高水準で備わっているとのこと。

 

計算式で表現するなら

モアザン ブランジーノ EX AGSブランジーノ AGS×エキスパートAGS+α」

といったところでしょう。

シーバスロッドの理想論がまさに現実となった。そんな仕上がりになっているといいます。

出典:ダイワ
  • これまでパワー型と言われていたモデルでも、軽量ルアーや水の抵抗が少ないルアーの操作感が手に取るようにわかる。
  • これまでフィネス型と言われていたモデルにも、ランカーをぐいぐい寄せる頼もしさがある。
  • 夢のシーバスロッドが2021年秋に登場!

ダイワさんにそう言われてしまえば、アングラー側としては武者震いが止まらないわけで…。

こりゃ、やべえぞ!と話題になっています。

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「モアザン ブランジーノ EX AGS」の夢物語を支える最新テクノロジー

出典:ダイワ

「強さ」も「軽さ・感度」も超ハイレベル!という夢物語を実現するカギとなるのが、ダイワ自慢の最新テクノロジーたちです。

すべてを欲張るフラッグシップ機というだけあって、最新鋭の技術が惜しみなく注ぎ込まれています。

SVFコンパイルXナノプラス

出典:ダイワ

ブランクス素材には、ダイワが誇る極上カーボン”SVFコンパイルXナノプラス”を適用。

カーボン繊維をつなぐ樹脂を細かく制御することで、ブランクスの強度・軽量性を引き上げるために多大な貢献を果たします。

しなやかなのに張りがある、というハイエンドならではの使用感を造りだすためにも欠かせない素材です。

X45フルシールド

出典:ダイワ

ブランクスの最外層は、”X45フルシールド”で完全武装。

ネジレへの耐性が従来モデルよりも飛躍的に高まっており、あらゆる場面でのパワーロスを抑え込めるようになっています。

キャスト・操作時のブレが減ることで、より精度の高いキャスト・アクション(誘い)が可能に。

もちろん、ファイト時の安定感にもつながります。

この”X45フルシールド”については、大野ゆうき氏の振り比べ動画も公開済。

”X45フルシールド”の搭載・非搭載サンプルを用意し、どっちがどっちかを伝えずに投げてもらう。

釣り手を試すような企画となっているので、見応えがありますよ。

V-ジョイントα

出典:ダイワ

ロッドの急所となるジョイント部のケアも万全。

”V-ジョイントα”を適用することで、継部の強度を確保しています。

ジョイント部の強度が上がるだけでなく、曲がりを損なわないというのもこの技術のキモ。

継ぎの存在にとらわれずに設計できるため、理想のブランクス追求に大きく貢献しています。

AGS(エアガイドシステム)

出典:ダイワ

ブランクスの相棒となるガイドにも、高度テクノロジーをラインナップ。

まず注目すべきは、ダイワ独自のカーボン製ガイドシステム「AGS(エアガイドシステム)」でしょう。

 

AGSのカーボンフレームは強度と感度伝達性能に優れ、チタンフレームの完全上位互換といえる性能を有します。

高性能ブランクスからの情報をスポイルせずに手元まで届けてくるわけです。

ガイドリングには新開発のCリング(コバルト合金製)を採用。こちらも感度アップなど、多大な恩恵をもたらします。

CWS(カーボンラッピングシステム)

出典:ダイワ

ガイドの固定には、CWS(カーボンラッピングシステム)を採用しています。

編み込んだカーボンシートでガイドを固定することで、通常の糸巻き式固定よりも高い強度を実現。

莫大な負荷がかかっても、そうそう破損することはありません。

また、フレームの固定に必要な素材が減るのも大きなメリット。超高性能ブランクスの曲がりを妨げず、ポテンシャルを引き出します。

エアセンサーリールシート

上:オーバルタイプ / 下:スリムフィットタイプ
出典:ダイワ

グリップ部には、軽量・高感度だと評判のエアセンサーリールシートを採用。

機種によって形状が異なるというのも、こだわりポイントです。

 

テクニカルモデルには、スリムフィットタイプを採用。

細かい操作性に長け、サイドハンド・アンダーハンドからでもピンに打ち込める正確さをサポートします。

 

パワー型モデルには、オーバル(楕円)タイプを採用。

握りごたえのある形状で、力を込めやすくなっています。キャスト、アクション、ファイト時のパワー効率を高める設計です。

豪華絢爛なデザイン

出典:ダイワ

磨き上げられた性能に華を添えるのが、エレガントなデザイン。

惚れ惚れするような美しさがあり、これぞフラッグシップという仕上がりになっています。

 

特に印象的なのは、フロントグリップとバット周りのゴールド。

ハイエンドロッドならではの気品に満ち、このロッドを我が物にしたいという欲望を掻き立てます。

 

”質実剛健”も悪くはないが、最上位ロッドはやはり”豪華絢爛”であるべきだ。

そんなメッセージが伝わってきますね。

ダイワ「モアザン ブランジーノ EX AGS」の機種ラインナップ

出典:ダイワ

「モアザン ブランジーノ EX AGS」の最新ラインナップは↓のとおり。

機種全長自重ルアー重量継数
87LML
(NEW)
2.62m96g5-30g2本
87ML2.62m111g7-35g2本
94LML
(NEW)
2.85m104g5-30g2本
94ML2.85m121g7-35g2本
97ML/M2.92m126g7-40g2本
98M/MH2.95m147g10-50g2本
1010ML/M3.30m153g10-40g2本

2022年に超フィネスな2機種(87LML、94LML)が追加され、陣容を拡大しています。

より細かいアプローチができるようになり、攻め手の幅が広がりましたね。

≫関連:2022年にヤバイ機種追加!「モアザンブランジーノ EX AGS」の軽さがさらに異次元に!?

モアザン ブランジーノ EX AGS 87ML

全長自重ルアー重量継数
2.62m111g7-35g2本

大野ゆうき氏監修のスペシャルモデルその①。

飛距離よりも正確性が求められる、都市型フィールドに最適なショートレングスを採用。

あらゆるキャスト姿勢に対応し、ロッドワークによるルアー操作も大得意なテクニカルモデルとなっています。

ただ投げて巻くだけでなく、こちらから積極的にしかける”大野スタイル”を体現する1本といえるでしょう。

ジャークを多用しつつ、アグレッシブに攻めたい方にピッタリです。

また、リールフットからグリップエンドまでが短めに設計されているのも本モデルの特徴。

柵が目の前にある状況でもキャストがしやすく、ウェーディング時にもリアグリップが邪魔になりません。

モアザン ブランジーノ EX AGS 94ML

全長自重ルアー重量継数
2.85m121g7-35g2本

大野ゆうき氏監修のスペシャルモデルその②。

87MLと比べると取り回しの良さは劣りますが、そのぶん大きな飛距離が手に入ります。

シーバスロッドとしては定番の9.4ftレングスを採用することで、多彩なシチュエーションに対応。

テクニック型に寄せた87MLの尖りを抑え、抜群の総合力が実装されています。

凝ったコンセプトのモデルが多い”ブランジーノ EX AGS”のなかでは珍しい、王道チューンといえるでしょう。

モアザン ブランジーノ EX AGS 97ML/M

全長自重ルアー重量継数
2.92m126g7-40g2本

MLパワーとMパワーを合わせた、”ブランジーノ EX AGS”随一のオールラウンダーです。

Mパワーのバットで重量級ルアーを弾き飛ばして大遠投。一方、MLパワーの繊細なティップセクションのおかげで、軽量ルアーのキャスト・操作も難なくこなせます。

「軽さ・感度」に「強さ」がミックスされた、今作の醍醐味を体現するような万能モデルといえるでしょう。

1本のロッドで小型ルアーも大型ルアーも使い倒したいって方にピッタリです。

モアザン ブランジーノ EX AGS 98M/MH

全長自重ルアー重量継数
2.95m147g10-50g2本

シリーズで1番のパワーを持つ”剛”なモデル。でかいルアーをぶち投げて、ランカーを仕留めるための1本となっています。

MHパワーのバットには、強い流れのなかで暴れるシーバスも強引に引きずり出せる頼もしさアリ。

シーバスフィッシングの大きな魅力である豪快な釣りを、とことん楽しむことができるでしょう。

モアザン ブランジーノ EX AGS 1010ML/M

全長自重ルアー重量継数
3.30m153g10-40g2本

現ラインナップで最長の10フィート10インチモデルです。

圧倒的な飛距離を叩き出す遠投性能が本機の魅力。サーフや大型河川などのオープンエリア攻略を得意とします。

  • ルアーをより遠くへ運ぶMパワーのバット
  • 遥か遠くを泳ぐルアーからの情報を、正確に伝達するMLパワーのティップ

の組み合わせは、遠投ロッドにおいて理想的。

これまで届きそうで届かなかったポイントにも悠々とルアーを届け、価値ある1本を引っ張り出すことができるでしょう。

2022年に2機種の追加が決定!

ガチ勢を中心に支持を伸ばす「モアザンブランジーノ EX AGS」は、2022年に2機種の追加が決定しています。

追加機種のスペックは↓のとおり。

機種全長自重ルアー重量継数
87LML2.62m96g5-30g2本
94LML2.85m104g5-30g2本

いずれも初期ラインナップにはない超フィネスモデル。

どちらも超軽量・高感度仕様となっており、”87LML”に関しては自重アンダー100gというハナレワザを披露しています。

2つの追加モデルは後続組ながらも、「モアザンブランジーノ EX AGS」を象徴する人気機種になりそうです。

 

≫関連:2022年にヤバイ機種追加!「モアザンブランジーノ EX AGS」の軽さがさらに異次元に!?

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発売は2021年10月!「モアザン ブランジーノ EX AGS」にご注目

大注目の「モアザン ブランジーノ EX AGS」の発売は2021年10月。

実売価格は8万円前後となる模様で、ダイワ製シーバスロッドのなかでも最高峰に位置します。

製品参考実売価格
★モアザン ブランジーノ EX AGS80,000円前後
モアザン ワイズメン80,000円前後
モアザン55,000円前後
ラブラックス AGS40,000円前後
ラテオR25,000円前後
レイジー20,000円前後
シーバスハンターX15,000円前後
リバティクラブシーバス9,000円前後

気軽にポンと購入できる金額ではありませんが、入手した先に待つ新境地は間違いなく格別。

シーンの最先端でシーバスフィッシングを極めたい方は、GETしてみてはいかがでしょうか。

PS.競合ハイエンドとの比較・検討もお忘れなく

買うとなればかなりの費用を注ぎ込むことになるハイエンドロッド。購入後の後悔がないようにしたものですよね。

競合するハイエンドシーバスロッドの紹介記事も下記にまとめていますので、よければ参考になさってください。

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