竿抜けポイントまでエギを届ける圧倒的な遠投性が魅力のロングロッド。
本記事ではエギングにおけるロングロッド(9ft以上)の魅力と弱点、おすすめアイテムを徹底解説します。
普段の釣りで「もうちょっとだけ飛距離が伸びれば…」というもどかしさを感じている方は要チェックです。
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エギングロッドの長さ事情について
エギングロッドの長さの選択肢は、だいたい7〜9ft台です。
「7ft台」「8ft台」「9ft台」の3カテゴリに分けてあげると、特徴をつかみやすくなります。
それぞれの長さごとの特徴は下表のとおりです。
7ft台 | 8ft台 | 9ft台 | |
---|---|---|---|
長さ | 短め | 平均的 | 長め |
取り回し 操作性 | |||
飛距離 パワー |
エギングロッドで主流となっている長さは8ft台。飛距離と取り回しのバランスが良く万能な働きを見せてくれます。
8.3〜8.6ftのエギングロッドは特に万能。
長さ選びに迷ったら、8.3〜8.6ftを選ぶのが無難だぞ。
ロングロッドの目安は9ft台以上
「エギングにおいてどの長さからがロングロッドなのか?」は人によって見解が分かれるところ。
なんですけど、筆者的には9ft台〜をロングロッドとするのが最もわかりやすいと思っています。
9ft台以上のロングロッドは、飛距離とパワーに優れ、その代わり取り回しや操作性がイマイチ。ざっくりいうとこんな特徴を持っています。
ショートロッドについてはコチラ↓の記事で特集しています。
9ft以上|エギングのおすすめロングロッド8選
ロングロッドの詳しい解説は記事の後半に
製品 | メーカー | 機種 | 参考実売価格 | ネットで探す |
---|---|---|---|---|
エメラルダス AIR AGS | ダイワ | 90M | 3万円台 | Amazon 楽天 Yahoo |
ブリゲイドフリップ TR コンセプトショア | 天龍 | 93M | 3万円台 | Amazon 楽天 Yahoo |
セフィアXR | シマノ | S90H | 3万円台 | Amazon 楽天 Yahoo |
セフィア エクスチューン | シマノ | S90M、S92ML+ | 4万円台 | Amazon 楽天 Yahoo |
スキッドロウ インペリアル | エバーグリーン | 90L、110ML | 6〜7万円台 | Amazon 楽天 Yahoo |
カリスタ TZ NANO | ヤマガブランクス | 90M | 4〜5万円台 | Amazon 楽天 Yahoo |
ダイワ「エメラルダス AIR AGS 90M」
「エメラルダス AIR AGS 90M」はMクラスを採用するオーソドックスなロングロッド。
2.5〜4.0号のエギに対応するオールシーズンモデルとなっています。
ジャスト9ftということで、ロングロッドの中では取り回しは良いほうです。
初めてロングロッドに挑戦する方でも、扱いやすいでしょう。
全長 | 自重 | エギサイズ | 継数 |
---|---|---|---|
2.74m | 96g | 2.5-4.0号 | 2本 |
天龍「ブリゲイドフリップ TRコンセプト ショア 93M」
「ブリゲイドフリップ TRコンセプト ショア 93M」は、ショアティップランを楽しめる1本。
穂先の変化を見ながら、手元に伝わらないアタリを掛けていける異色のロングロッドです。
全長 | 自重 | エギサイズ | 継数 |
---|---|---|---|
2.74m | 96g | 2.5-4.0号 | 2本 |
シマノ「セフィアXR S90H」
「セフィアXR S90H」は、MAX5号のエギを背負える超パワー特化モデル。
本記事で紹介するロングロッドの中で最も強い設計となっており、モンスタークラスの大型イカをねじ伏せられる怪力を有します。
全長 | 自重 | エギサイズ | 継数 |
---|---|---|---|
2.74m | 113g | 3.0-5.0号 | 2本 |
シマノ「セフィア エクスチューン S90M、S92ML+」
「セフィア エクスチューン」の2本(S90M、S92ML+)は、いずれも通年型のロングロッド。
春にも秋にも使えるセッティングとなっています。
王道をいくならMパワーの”S90M”、しなやかな竿が好みなら”S92ML+”がおすすめです。
機種 | 全長 | 自重 | エギサイズ | 継数 |
---|---|---|---|---|
S90M | 2.74m | 108g | 2.0-4.0号 | 2本 |
S92ML+ | 2.79m | 107g | 1.8-3.8号 | 2本 |
エバーグリーン「スキッドロウ インペリアル 90L、110ML」
「スキッドロウ インペリアル」には、個性派の2本がラインナップされています。
- 90L スラックマスター90
-
”90L”はロングロッドでは珍しいLパワーモデル。
Lパワーとはいえ、最大4号のエギに対応する汎用性があり、年間を通しての活躍を見込めます。
エギを高く跳ね上げるスラックジャークとの相性も抜群で、広範囲のイカに効率よくアピールできるのが強みです。
全長 自重 エギサイズ 継数 2.74m 117g 2.5~4.0号 2本 - 110ML スラックキング110
-
”110ML”は、長さ11フィートのハイパーロングロッド。
遠投力にひたすら特化する、極端なセッティングとなっています。
取り回しはかなり犠牲になりますが、サーチ可能範囲の広さは圧倒的。
とにかくエギを遠くへ飛ばしたい方にピッタリです。
全長 自重 エギサイズ 継数 3.35m 158g 2.5~4.0号 3本
ヤマガブランクス「カリスタ TZ NANO 90M」
「カリスタ TZ NANO 90M」は、ジャスト9フィートのMパワーモデル。
バットには力があるものの、ティップからベリーには柔軟性があり、長くてもシャクりやすい設計となっています。
ロングロッドの扱いに慣れていない方におすすめの1本です。
全長 | 自重 | エギサイズ | 継数 |
---|---|---|---|
2.745m | 104g | 2.5~4.0号 | 2本 |
竿が長いとどうなる?ロングロッドを使うメリット/デメリット
さて、ここからはエギングのロングロッドの特徴を解説していきます。
メリット・デメリットの一覧は以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・飛距離性能が高い ・ファイト性能が高い ・足場の高いポイントで使いやすい | ・取り回しが悪い ・キャストの精度が低い ・手返しが悪くなりがち |
ロングロッドのメリット
飛距離性能が高い
ロングロッドは、短いロッドと比べてキャスト時にはたらくテコの原理の作用が大きくなります。
また、スイング時の振り幅も大きくなるため、ルアーを効率よくぶっ飛ばすことができるのです。
ロングロッドを使うとサーチできる範囲が広がり、他のアングラーのエギが届かない”竿抜けポイント”まで探ることができます。
ファイト性能が高い
ロングロッドは長さがあるぶん竿の反発力もはたらきやすいです。
良型のイカを相手にしてもロッドが勝手に仕事をして、ターゲットを楽に浮かせてくれます。
また、竿が長ければファイト中の障害物回避もしやすくなります。
障害物にラインが接触してのラインブレイクのリスクを抑えることも可能に。
ロングロッドを使えば、ファイトがより安全にラクになるのだぜ。
足場の高いポイントで使いやすい
ロングロッドは竿の長さがあるぶん、足場の高い堤防でも竿先を水面に近づけやすく、ラインの処理がしやすいです。
また、十分なストロークを確保できるため、抜き上げもスムーズに行えます。
足場の高い堤防でありがちな、取り込みぎわのバラシも減らしてくれます。
ロングロッドのデメリット
取り回しが悪い
長さのあるロングロッドは、とにかく小回りがききません。
竿を十分に振りかぶることができない場所ではすこぶる使用感が悪く、これはロングロッドの代表的なデメリットです。
アクションについても、シンプルなジャーク(シャクリ)に関しては問題ないのですが、細かな動きの調整は苦手とします。
また、同じような原理で足元でのサイトフィッシングもやりづらいです。
寄せてきてサイトで仕留めるケースが多い秋エギングへの適性はイマイチと言えるでしょう。
キャストの精度が低い
ロングロッドでは、十分なテイクバックを取り、豪快に振り切るキャストが基本となります。
飛距離はたっぷりと稼げるのですが、キャストの精度は出しづらいです。
ショートロッドが得意とするような、近距離に正確に落とすキャストもやりづらくなります。
ロングロッドは、キャスト精度が求められる近距離戦には向かないのだ。
手返しが悪くなりがち
ロングロッドではエギを遠くへ飛ばせるぶん、シャクリながら足元まで引いてくる距離が長くなります。
「キャスト→回収」の1セットにかかる時間がかさみ、手返しが悪くなりがちです。
「足元までていねいに探る」ってのがエギングのセオリーなだけに、悩ましい問題だな。
エギングのロングロッドはこんな人におすすめ
ここまでの内容を踏まえ、9ft以上のロングロッドはどんなエギンガーにおすすめなのか?をまとめていきます。
ポイントは以下の4点です。
- 万能に使える8ft台クラスのロッドを所持している
- 開けた場所での釣行がメイン
- デカイカ狙いの春エギングが中心
- 飛距離をたっぷり稼ぎたい
「こんな人におすすめ」というよりは、「運用時の注意点」成分が多めだ。
ロングロッドが気になっている人は、チェック推奨だぞ。
ロングロッドは取り回しが悪いため、相性が悪いポイントでの立ち回りがどうしても難しくなります。
メインロッドとして運用するのはあまりおすすめしません。
ロングロッドを買う前に、汎用性の高い8ft台クラスのメインロッドを確保しておきましょう。
メインロッド探しにおすすめの記事
ロングロッドは、十分にテイクバックが取れるポイントでないと真価を発揮しません。
ご自身がよく訪れる釣り場は、ロングロッドを豪快に振り回せるだけの広さがあるか?は要確認。
手狭なポイントで釣りをすることが多い方は、ロングロッドの購入に慎重になったほうがいいです。
ロングロッドは小場所での釣りや、エギを追ってきたイカをサイトフィッシングで仕留める作業を苦手とします。
秋エギングとの相性がイマイチなため、必然的にロングロッドが活躍するメインシーズンは春です。
(実際、各メーカーから発売されているロングロッドもパワー型のモデルが中心。)
言い換えると、春エギングをガチらない人にとっては、ロングロッドの必要性は薄めということだ。
パワーロッドを探すならコチラの記事がおすすめ
ここまでポイントとして挙げてきた条件はコチラ↓。
- 万能型のエギングロッドを所持
- 十分にテイクバックできる広さ
- メインシーズンは春
ロングロッドは、これらの条件をクリアしたうえで「たっぷりと飛距離を出したい!」という願望が強い方におすすめです。
ぶっちゃけ、それほど需要はない
ここまで読んでお察しの方もいらっしゃると思いますが、ロングロッドは何かとクセが強いです。
デメリットが重めなので、活かしきるための条件が割とキツめ。
・・・という背景もあり、エギングでは9ft以上のロングロッドはそれほど需要がありません。
数多あるエギングロッド製品の中でも、9ft以上のモデルをラインナップしている製品はほんの一握りです。
使いこなせる自信がない人には、ロングロッドは正直おすすめできないんだ。
【余談】需要の薄さは考えようによってはメリットに・・・?
エギングで9ft以上のロングロッドを使う人はスーパーマイノリティ(超少数派)です。
裏を返すと、だからこそ他のアングラーとの強烈な差別化ポイントになり得るともいえます。
イカへのプレッシャーが強い激戦エリアなどでは、ロングロッドによる飛距離のひと伸びが釣果を分けることもあります。
需要が薄いという点は、考えようによってはメリットにもなるのです。
まとめ
というわけで、エギングのロングロッド特集は以上です。
取り回しが悪くて扱いづらいというデメリットはきついですが、それと引き換えに手に入る圧倒的な飛距離はとても魅力的。
メインロッドとして運用するには難がありますが、遠投特化型のサブロッドとしての導入はアリだと思います。
サーフや磯場、テトラ帯など、長さの利点を活かせるフィールドに通っている方は、ロングロッドの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
▽この記事で紹介したアイテム
製品 | メーカー | 機種 | 参考実売価格 | ネットで探す |
---|---|---|---|---|
エメラルダス AIR AGS | ダイワ | 90M | 3万円台 | Amazon 楽天 Yahoo |
ブリゲイドフリップ TR コンセプトショア | 天龍 | 93M | 3万円台 | Amazon 楽天 Yahoo |
セフィアXR | シマノ | S90H | 3万円台 | Amazon 楽天 Yahoo |
セフィア エクスチューン | シマノ | S90M、S92ML+ | 4万円台 | Amazon 楽天 Yahoo |
スキッドロウ インペリアル | エバーグリーン | 90L、110ML | 6〜7万円台 | Amazon 楽天 Yahoo |
カリスタ TZ NANO | ヤマガブランクス | 90M | 4〜5万円台 | Amazon 楽天 Yahoo |