シマノの高コスパリール「22ミラベル」と「21アルテグラ」を徹底比較。
両者の違いをまとめつつ、それぞれの得意分野を解説します。
「22ミラベル」と「21アルテグラ」のどちらを買うか迷っている方は、ご一読くださいませ。
シマノ「22ミラベル」が登場!
「22ミラベル」は2022年10月にシマノから発売される、新たな汎用スピニングリール。
実売1万円ちょっとで入手できて、そこそこ軽い高コスパリールとして注目を集めています。
これまで、シマノの低価格帯リールには、軽さを売りにするアイテムがありませんでした。
が、今回の「22ミラベル」の発売で、フィネス系低価格リールが仲間入りしています。
これをきっかけに、低価格リールの勢力図が変わるやもしれません。
「21アルテグラ」と「22ミラベル」ならどっちがいいの?
シマノ製品のなかで「22ミラベル」とガチガチに競合するのは、「21アルテグラ」。
上位クラスのリールで好評の機構をこれでもかというほど搭載し、「この値段でこの性能???」と驚くユーザーが続出しているリールです。
…となれば、
「22ミラベル」と「21アルテグラ」ってどう違うん?
ほぼ同じ値段だけど、どっちがコスパいいの?
という疑問が挙がってきますよね。
てことで、本記事でその疑問を解消していただこうというわけです。
シマノ「22ミラベル」&「21アルテグラ」の仕様をざざっとチェック
手始めに、「22ミラベル」と「21アルテグラ」の仕様をざざっと見ておきましょう。
一覧がコチラ↓です。
21アルテグラ | 22ミラベル | |
---|---|---|
マイクロモジュールギアⅡ | ● | |
防水機構 | Xプロテクト | コアプロテクト |
ロングストロークスプール | ● | |
サイレントドライブ | ● | ● |
シリーズ | コアソリッド | MGL |
自重(2500S) | 220g | 205g |
ベアリング数 BB/ローラー | 5/1 | 5/1 |
ボディー材質 | CI4+ | CI4+ |
ローター材質 | 高強度樹脂 | CI4+ |
定価 | 16,800~21,100円 | 14,400~18,000円 |
実売価格 | 14,000円前後 | 12,000円前後 |
一応「21アルテグラ」が上位グレードになるのですが、「22ミラベル」との価格差は2,000円ほど。
「22ミラベル」と「21アルテグラ」については、”同格だけど個性が違うリール”という認識のほうがしっくりきます。
「22ミラベル」と「21アルテグラ」の違いを比較
ここからは「22ミラベル」と「21アルテグラ」の違いを、もうちょっと深掘りしていきましょう。
さきほどの比較表のなかで、とりわけ重要な項目をピックアップしていきます。
比較①そもそもシリーズが違う
「22ミラベル」と「21アルテグラ」は、
- 22ミラベル:MGLシリーズ
- 21アルテグラ:コアソリッドシリーズ
ということで、そもそもの設計コンセプトが異なります。
「22ミラベル」が含まれるMGLシリーズは、 リール本体や巻きの軽さが持ち味。
繊細な釣りに適したセッティングです。
一方、「21アルテグラ」が含まれるコアソリッドシリーズの強みは、頑丈さや巻き取りパワー、巻きの滑らかさ。
パワー系の釣りだったり、ただ巻きが基本となる釣りだったりで重宝します。
大まかにいえば、
- 「22ミラベル」はフィネス系
- 「21アルテグラ」はパワー系
という違いがあるわけです。
比較②マイクロモジュールギアⅡの有無
「21アルテグラ」の高い巻き性能の根幹となる機構は、マイクロモジュールギアⅡ。
最高峰の「22ステラ」まで搭載されているシマノ自慢の高精度ギアです。
これが滑らかな巻き心地と、力強い巻き上げの源となります。
”マイクロモジュールギアⅡ”は、「21アルテグラ」には搭載されていますが、「22ミラベル」には非搭載。
巻き心地の良さ、巻き上げパワーなど、ギア関連の性能は「21アルテグラ」の方が優勢といえるでしょう。
比較③防水機構の違い
つづいては防水機構の違いについて。ここも「22ミラベル」と「21アルテグラ」で、明確な差があります。
両者に搭載されている防水機構は、↓のとおり。
- 21アルテグラ:Xプロテクト
- 22ミラベル:コアプロテクト
「21アルテグラ」には、より精度の高い防水機構”Xプロテクト”が使われており、リール内部への浸水をかなりの精度で防げます。
防水機構のクオリティーが変われば、長期視点での耐久性に違いが出てきます。
つまり、「21アルテグラ」のほうが、新品に近い性能がより長く続きやすいということです。
比較④軽さ
お次は軽さにについてです。
「22ミラベル」と「21アルテグラ」の主要機種の自重一覧がコチラ↓。
22ミラベル | 21アルテグラ | |
---|---|---|
C2000S | 180g | 185g |
2500SHG | 205g | 220g |
C3000HG | 205g | 225g |
4000XG | 245g | 270g |
C5000XG | 270g | 285g |
見てのとおり、「22ミラベル」のほうがずいぶん軽いです。
リーズナブルなお値段なのにしっかり軽い!これが「22ミラベル」の一番の強みとなっています。
ちなみに、「22ミラベル」の軽さは、アラウンド1万円の低価格リールのなかでもトップクラス。
タックルの軽さがより重要になってくる釣種では、間違いなく人気が出るでしょう。
比較⑤ローターの材質
「22ミラベル」と「21アルテグラ」は、ローターの材質も異なります。
- 22ミラベル:CI4+
- 21アルテグラ:高強度樹脂
という仕様になっており、値段的には下位グレードにあたる「22ミラベル」に上位の素材が使われています。
より軽量なローターが使われている「22ミラベル」では、回転時にはたらく慣性が少なめ。
巻き出しやストップ時の動きが軽く、より細かくテクニカルなルアー操作ができます。
ただ、一点補足しておきますが、ローターは軽けりゃそれでいいってわけでもありません。
一定スピードでルアーを巻くようなスタイルなら、重めのローターがついているリールを合わせるほうが安定する場合もあります。
(適度に慣性がはたらくぶん、リーリングスピードを一定に保ちやすいため。)
ローターの重さについては、軽いも重いも一長一短。
自身の釣り方に合うほうを選ぶのがおすすめです。
「22ミラベル」はこんな人におすすめ
比較の結果をふまえ、「22ミラベル」の特徴をカンタンにまとめてみます。
「22ミラベル」の強み
「22ミラベル」の強みは軽量性。
リール本体の重量が軽いので、ロッドの感度や操作性をより引き立ててくれます。
また、軽量ローターが搭載されているぶん、細かなハンドル操作も軽快です。
「22ミラベル」の弱み
一方で弱点となるのは、巻き性能と防水性、飛距離の3点。
「22ミラベル」には、「21アルテグラ」に搭載されている”マイクロモジュールギアⅡ”や”Xプロテクト”、”ロングストロークスプール”が非搭載となっています。
軽量化に予算を回したぶん、それ以外の性能が全体的に「21アルテグラ」よりも低めです。
「22ミラベル」はこんな釣りで使いたい!
そんなわけなので「22ミラベル」は
- 巻きや飛距離性能、耐久性がさほど重要ではなく
- 軽さのアドバンテージがめっちゃ活きる
的な釣りに使いたいリールといえます。
おすすめの釣種は、アジングやエギング(特に秋)、フラットフィッシュあたりです。
いずれもロッドワークとフォールを多用する釣りなので、リールの主な役割は糸フケ回収ぐらいのもの。
強みである軽さが活き、弱みである巻き関連の性能があまり気になりません。
「21アルテグラ」はこんな人におすすめ
つづいては「21アルテグラ」の特徴をまとめていきます。
「21アルテグラ」の強み
「21アルテグラ」の主な強みは↓のとおり。
- 巻きの滑らかさ
- 巻き上げパワー
- 防水性の高さ
- 一定スピードのリーリングのしやすさ
- 飛距離性能
「21アルテグラ」は「22ミラベル」よりも、ギアやスプール周りのテクノロジーが充実しています。
巻きや耐久性関連の性能が高めです。
「21アルテグラ」の弱み
逆に、「21アルテグラ」の弱みは重量。
「22ミラベル」と比べると、本体もローターも重めなので、繊細な釣りにはやや不向きです。
テクニカル&フィネスな釣りを楽しむなら、「22ミラベル」の方が適任です。
「21アルテグラ」はこんな釣りで使いたい!
そんなわけで、「21アルテグラ」は、パワー系の釣りや、ただ巻きでプラグを泳がせるような釣りと好相性。
- メバリング
- シーバス
- ライトショアジギング
上記あたりのジャンルに合わせたいですね。
「22ミラベル」と「21アルテグラ」の比較まとめ
というわけで、「22ミラベル」と「21アルテグラ」の比較はこんなところです。
結果をまとめると…
- 巻きの滑らかさ:21アルテグラ
- 巻き上げパワー:21アルテグラ
- 防水性・耐久性:21アルテグラ
- 巻きの軽さ:22ミラベル
- 自重の軽さ:22ミラベル
ってな感じになります。
2,000円ほどの価格差があるぶん、リールの基本性能は「21アルテグラ」のほうが高めです。
ただ、タックルの軽さが重要になる釣りにおいては、「22ミラベル」を採用するメリットが大きくなります。
そんなわけなので、好きな釣種やスタイルに応じて、よりマッチするほうを選びましょう!
ってのが本記事の結論です。
あなたは、「22ミラベル」派?
それとも、「21アルテグラ」派?