大型のヒラマサを釣ろうと思ったらみなさんはどこへ行きますか?
今の時代なら船で沖に出てジギングをするか、アジやイワシの泳がせ釣りをするというのが一般的でしょう。しかし、魚の多い九州では堤防でヒラマサがヒットします。もちろん、どこでも釣れるわけではありません。これから紹介する呼子沖の小川島をはじめとして、わずかな場所でしか望めません。しかし、そこに行けば例年、秋にはヒラマサが回遊してくる場所があるのです。

●釣り場は小川島港の西波止

出典:著者

地図を見ればわかるように、小川島港は小川島の南側にあります。玄界灘に浮かぶ島はほとんどこのように島の南部に港が作られています。冬に多い北西の季節風を避けるためで、少々北風が吹いても十分釣りができます。
定期船が港に着けば釣り人は一斉にこの西波止を目指します。呼子発の第一便は午前8時で、所要時間は約20分です。ですから、8時30分には西波止を目指す釣り人の行列が見られることになります。

ところが、その時点ですでに西波止で竿を出している釣り人がいます。第一便の定期船より前に小川島で釣りをする方法はふたつあります。ひとつは瀬渡し船です。加部島から午前5〜6時に出ますから、定期船よりもずっと早く小川島に到着します。ただし、定期船は片道520円なのに対して、瀬渡し船は往復5000円です。この差は大きく、いつもは堤防でしか釣りをしない人にとっては抵抗があるでしょう。

犬走りはありますが、西波止は足場がよくて釣りやすいところです。
ただし、釣り人が多いから、ハイシーズンはその点を注意してください。

もうひとつは、前夜から泊まりがけで釣行するという方法です。前日の午後3時、または午後6時の便で島に渡り、テントで夜明かしをするのです。夜釣りをしてもいいでしょう(マダイが期待できます)。

西波止の先端側でキャストするジギング組。オキアミには反応しない状況でも、
ジグには反応するときがあります。

一時期、瀬渡しや前日の定期船を利用する釣り人が多く、朝1便で渡ってきた釣り人は竿を出すスペースがなくてケンカ騒ぎが発生したことがありました。ブームが落ち着いてからはそれほど釣り人が集中することはなくなりましたが、好シーズンの休日はやはり混雑します。お互い釣り人同士、譲り合って一日を楽しみましょう。

●竿もラインも太いものを

小川島でヒットするヒラマサの標準サイズです。タモ枠は60㎝以上はほしいところです。

ヒラマサは大きく、しかもスピードがあります。さらに、大きなアミカゴを遠投しなければならず、腰の強い竿(磯竿3〜5号)が要求されます。それにともなってラインもハリスも太くしなければなりません。ハリに掛かったヒラマサが走ればラインを送らなければならず、ラインの長さも必要です。標準として8〜10号のラインを200m巻いておきたいので大型のスピニングリールを使います。ハリスも同じ太さで3m取り、ヒラマサ、ブリ、マダイ用の軸太ハリを結びます。

ウキはアミカゴと一体になったものを使い、中にはボイルのオキアミを詰めます。ヒラマサのタナが深いときは反転カゴを深場に沈めることもありますが、おおむねウキカゴで間に合うはずです。

タモはできるだけ大きいものを使った方が取り込みは楽です。といっても、そのためだけに新しく購入するのはムダですから、まずは手持ちの玉網を使ってみましょう。

●ヒラマサが走ればラインを送る

硬い竿と太いラインを使って全力で対応しても、ヒラマサの方がしばしばパワーは上回ります。そのままでは竿を引き倒されてラインを切れるのが目に見えています。そこで、竿を引き倒されそうになったらラインを送って魚を泳がせます。ラインを送る方法はみっつあります。リールのベールを起こす、ストッパーをオフにしてリールを逆転させる、LB(レバーブレーキ)を緩めるというのがそれです。LB機構を備えたリールは限られているのと、逆転はうっかりすると猛スピードで回るハンドルで打撲&骨折する怖れがありますから、ここではベールを起こしてフリーで走らせることをお勧めしておきます。

竿が引き倒されそうになったらベールを起こしてラインを出し、自由に走らせましょう。ラインが出なくなったらヒラマサが止まった証拠ですからベールを倒し、巻き取りにかかります。再び走り出したらまたラインを送ります。慣れないとスムーズにやれないでしょうが、これは何度も体験するしかありません。

これを繰り返し、魚が疲れて抵抗を諦めたら落ち着いて掬います。

●ヒラマサの引きは強烈!

足元まで引き寄せられてもヒラマサは抵抗をやめません。
陸上に引き上げるまで油断はできません。

ガツン!ヒラマサのアタリは強烈です。予測していなければ竿を引きずり込まれていたでしょう。たまに、ウキがジワジワ沈むこともありますが、ほとんどの場合は一気に食い込んできます。そして、ハリに掛かれば強烈なパワーで走り始めます。こちらは竿を立ててひたすら耐えるしかありません。力対力の勝負で、竿を引き倒されるとラインを切られて魚の勝ち。最後まで竿の弾力を利用して魚を浮かせることができれば釣り人の勝ちというパターンです。

釣りは自分で取り込むのが原則ですが、ヒラマサに限ると仲間や隣人に頼んだ方が賢明です。
ただし、バラしたとしても恨まないようにしましょう。

必死に耐えているうちにようやく魚が浮いてきました。ヒラマサは最後の最後まで抵抗しますから、浮かせたからといって安心はできません。玉網に気づくと再び抵抗を始めるから、完全に取り込んでしまうまでは油断できないのです。最後は隣の釣り人に玉網をお願いしてなんとか取り込むことができました。70〜80㎝というところです。このクラスなら1匹でも釣れれば十分です。

●まとめ

そんな大物は釣ったことがないから自分にはとてもヒラマサ釣りなど無理だ……そう思った人も少なくないのではないでしょうか。

確かに、いきなり完璧に対応するのは無理かもしれません。でも、最初はみんなそうです。バラシを何度も何度も経験して少しずつ慣れて上達していくものです。硬い竿と大型のリールが必要なため、手持ちの道具で兼用させるわけにはいかないのが難点ですが、最近は中古市場が充実しています。新品を購入するよりもはるかに格安ですから、これを利用してみてはいかがでしょうか。