撮影:著者
呼子と加部島の間は弁天の瀬戸と呼ばれていて、その東口には宮崎の赤灯、中波止、呼子ロッジ下の波止(写真左から)という3本の堤防があります。宮崎の赤灯は小さく、
少しわかりにくいかもしれません。

大きなマダイを釣りたいとき、あなたはどこでどんな釣り方をすればいいと思いますか?少し釣りをかじったことのある人は大半が沖釣りを思い浮かべるでしょう。曽根と呼ばれる魚の住みかを直接攻めるのですから、ヒットする確率が高いのは当然です。しかし、気軽に歩いて行ける堤防で80㎝クラスのマダイが釣れるところもあるのです。そのひとつがこれから紹介する加部島・宮崎の赤灯です。

●加部島ではトップクラスの釣り場

撮影:著者
宮崎の赤灯へ行くにはこの公園の中を抜けていきます。途中、右下へ下りる道がありますから
(ロープがあります)、そこから海岸に出ます。公園の中にはトイレもあります。

呼子沖にある加部島にはいくつかの釣り場があって、どこもレベルの高いところばかりです。その中でも、この宮崎の赤灯はトップクラスと呼んでもいいでしょう。冒頭で触れたように80㎝クラスのマダイのほか、同じサイズのヒラマサにイシダイも出るからです。イシダイといっても幼魚のサンバソウではありません。50㎝前後はありますからイシダイ専用仕掛けでないと取り込むことはできません。

撮影:著者
佐用姫海浜広場の無料駐車場です。それ以外にも、加部島には至るところに
駐車スペースがあり、困ることはありません。

その釣り場は加部島の南東部にあります。橋を渡ったら進路を右に取ります。佐用姫広場を過ぎたところで主要道路は左に曲がりますが(そのまま進むと本村漁港に至ります)、その先の駐車スペースにクルマを停めます。釣り道具を持って公園の中を進む細い道を東に向かい、途中で右に入ると海岸に下りることができます。すると目の前に宮崎の赤灯があります。すぐ沖には中波止、その先には呼子ロッジ下の波止が横たわっています。弁天の瀬戸の東口をこの三本の波止で守っているわけです。

●釣り場は外側・内側と先端

撮影:著者
宮崎の赤灯の外側にはテトラが入っていて足場はよくありません。
ベテランはここで竿を出し、グレやチヌ、バリなどを狙います。

宮崎の赤灯波止ははっきりいって短く、竿出しできる人数はそれほど多くありません。が、内側、外側、先端と周囲ほとんどで釣りが可能です。ざっと説明しましょう。沖を見て右手の内側は足場がよく、アジ、イシダイの釣り場です。外側はテトラが入っていてベテラン向きです。グレ、チヌならこちらで竿を出します。先端はマダイやヤズ(ブリの幼魚)、サワラ、ヒラマサなどの大物釣り場で、ハイシーズンになれば釣り人が集中して混雑します。

ただ、中波止との間は流れが速く、マダイ用のアミカゴ仕掛けを流すとすぐに流れ去ってしまいます。中波止の沖に反転流が生まれてそこがポイントになるのですが、みんなそこを流すと仕掛けが絡まってしまいます。

そこで、ここの常連たちは「観音釣り」という釣り方をします。仕掛けを投入したらそれが流れるにつれて足場を移動するのです。本来はもっと足場が広いところでやるのですが、ここでは狭くても順次移動していきます。テトラが入っていますが、犬走りで竿が振れますから足場は問題ありません。

●宮崎の赤灯でイシダイ釣り

近年、佐賀〜長崎ではイシダイ釣りの概念が変わってきています。かつてのイシダイ釣りは、バリバリの磯釣りマンが沖磯で大量のコマセを使って足元に誘い上げるというのが通常のパターンでした。しかし、経費を安くしようという動きと、従来のイシダイポイントはナイロンジャングルと化し、さらには海溝がオモリで埋まってしまい、以前のようにはイシダイが釣れなくなっています。そこで、新しい傾向として堤防や地磯で遠投してイシダイを釣る人が増えているのです。

宮崎の赤灯もそういうイシダイマンによってポイントが開発されました。ランクとしては中波止の方が上なのですが、渡船を利用しなければなりません。その点、赤灯なら好きな時間に釣行できます。

撮影:著者
このウニはトゲが長く、その先端には毒がありますから刺されると大変です。
ハリに刺すときはハサミで切り落とします。1個100円で販売されています。

水温が安定して20度を超えた7月末、この赤灯波止に釣行しました。エサはガゼ(ガンガゼ)20個です。このエサが登場したおかげで、イシダイ釣りにつきものだったコマセが不要になり(あった方が有利なのはいうまでもありませんが)、遠投釣りが身近になったのです。

内側の足場のいいところに釣座を構え、仕掛けを準備します。さすがに4〜5㎏クラスは期待できませんから、振り出しの軟らかめのイシダイ竿で十分です。ガゼのトゲを切り落とし、2個掛けして投入します。ウニエサの最大の問題は、イシダイがいなければまったくアタリがないことです。そのため、最初はとにかくヒマです。ハンマーで軽く叩いてガゼに割れ目を入れて体液が流れ出るようにしたり、仕掛けを引き抜いてガゼを海底に落としたりとイシダイを寄せることに努めます。この段階は地道な作業が続きます。

ようやくアタリが出たのは釣りを始めて2時間以上経過してからでした。穂先から胴にかけて小さく揺れています。竿を手に取る前にアタリは止まりました。巻き取ってみると、ガゼは半分以上かじられていました。リールに搭載されているデジタルカウンターで距離を確認して、できるだけ同じポイントに投入します。こういう状況になると緊張感にとらわれ、今までの退屈感は一挙に吹き飛びます。

打ち返すこと四度目でようやく食い込みました。ウニエサでは早アワセは禁物です。穂先が海面に持ち込まれるまで待ってアワせます。魚はギューンと絞り込みます。が、抵抗はそれまで。じっと耐えているとやがてパワーを失い。少しずつ浮いてきます。それほど大きくはないようです。海面に浮かんだのは45㎝のイシガキダイでした。ガキ(小型のイシガキ)よりは少しましという程度ですが、今シーズンの初イシダイです。大事に持ち帰りました。

●まとめ

堤防をメインとしている釣り人のみなさんがイシダイ釣りに触れる機会は少ないと思います。マダイの有名な釣り場でありながらあえてイシダイ釣りの実釣レポートをお届けしたのはそれが理由なのですが、いかがでしたでしょうか? アタリがなくてもウキ釣りの場合はしなくてはならないことがたくさんありますが、イシダイ釣りはそうではありません。特に、ウニエサの場合ははっきりいってヒマです。しかし、ひとたびアタリが出ると緊張感は一挙に高まります。こんな釣りもあることを知っていてください。