みなさんは山笠が海を渡る祭りを聞いたことがあるでしょうか? 山笠とは陸上を練り歩くもので、海とはまず関係ありません。しかし、小友漁港にある八坂神社の夏祭りでは、高さ15mの山笠が海を渡ります。呼子方面に詳しい観光客の間ではこの祭りは有名です。しかし、もうひとつ忘れてはならないことがあります。小友漁港は釣り場としても一級なのです。

●メイン釣り場は大波止

出典:著者

海水浴場が併設されていることもあって、小友(こども)漁港は港としての規模は大きく、堤防や突堤が6本あります。釣り場のメインは外側の大波止で、他に西側の突堤、キャランコビーチ(砂浜)があります。また、大波止内側にある岸壁も期待できます。以下、それぞれを説明しましょう。

◇大波止

撮影:著者
小友漁港の本命釣り場はこの大波止です。外側は足場が高いものの、
グレやチヌ、バリ(アイゴ)、秋には回遊魚もヒットします。対して、
内側は足場が低くて釣りやすく、家族連れはこちらでも楽しめます。

大波止という名の通り長くて大きく、ここを訪れた釣り人はまずここを目指します。ただし、外側は犬走りが高く、海面から距離があるため釣りづらいという弱点があります。さらに、先端近くは外側に大きなテトラが入っており、足場が悪いため釣りは難しいという状況にあります。

したがって、釣りができるのは中間から手前の外側、および内側です。外側は遠投カゴ釣りでグレやチヌ、バリなどがアタります。秋はヤズ(ブリの幼魚)、サワラなどの回遊魚も接岸してきます。足場が高いため、干潮前後は柄の長い玉網が欠かせません。その点、内側は釣りやすく、カマス、アジ、メバルなどがヒットします。

◇大波止内側の岸壁

撮影:著者
ファミリーで夜釣りを楽しむにはこの大波止内側の岸壁が絶好です。
足場がよくクルマがすぐ近くに停められるとあって非常に便利です。

港の奥に当たり良型の魚はあまり期待できません。しかし、すぐ後ろにクルマを停められるとあって便利なため、家族連れに絶好です。さらに、岸壁に沿って常夜灯が並んでおり、アジやメバルのように光に集まる魚を釣るのに適しています。アオリ、コウイカ、ササイカ、少ないながらケンサキイカも出ます。

◇キャランコビーチ

撮影:著者
キャランコビーチにはシャワー、トイレ、更衣室が整った立派な施設があります。
これを知っている海水浴客は毎年ここを訪れているようです。

水光の浜、祇園の浜と名付けられた2か所の砂浜はキャランコビーチと呼ばれています。この特異な名称は、冒頭で紹介した八坂神社の夏祭りで打ち鳴らされる鉦(かね)の音がキャランコ・キャランコと聞こえるところに発するそうです。シャワーやトイレ、更衣室などが備えられているおかげで例年、夏になると大勢の海水浴客が訪れます。

遠浅の砂浜である以上、キスの投げ釣りがメインとなります。いうまでもなく、海水浴客がいればキス釣りは不可能です。

◇突堤

撮影:著者
キャランコビーチの西側にある突堤は先端が円形をしていて広く、
周囲は柵で囲まれています。小さい子供でも心配は不要です。

キャランコビーチの西の端に伸びる幅広い突堤は周囲が柵で囲まれており、非常に足場がいい釣り場です。いや、釣り場というよりも、行楽客のために設けられた施設といっていいでしょう。もちろん、海水浴客も利用しています。周囲の柵は釣りにとってありがたいものではありませんが、小さい子供さんが同行している場合は安心できます。

ここで釣れるのはキス、イカが中心です。また、足元ではカサゴやメバル、サビキ釣りでは小アジも出ます。

●ファミリーで小アジ釣り

どこかへ連れていけという孫たちの希望に応えて、夏休みの最中、小友漁港を訪れました。暑い時期はいくぶんでも気温が下がる夕暮れからが釣りタイムです。キャンプも楽しめるとあって、孫たちはずいぶん前から待ち望んでいたようです。

テントを張り、バーベキューを食べてからいよいよ釣りを開始します。大波止内側の岸壁は常夜灯があるため、自前の照明は不要です。孫二人分のサビキ仕掛けを作り、自分の準備を始めたところで早くも小アジがヒット。ハリの外し方を教え、あとは自分で処理するように指導します。アジの場合は小さなアミカゴにアミエビを入れるだけなので簡単です。キス釣り、ハゼ釣りではムシエサをハリに刺さなくてはならず、孫たちはそれが大嫌いなのです。

2匹、3匹が同時に掛かったり、途中でハリが外れたり、そのたびに大騒ぎしていましたが、やがてアタリが少なくなってきました。これまでは浅ダナで釣れていたのですが、活性が落ちたのか深場に潜ったようです。底カゴを海底まで沈め、そこから少し浮かせるようにアドバイスします。再び小アジがハリに掛かるようになったのですが、アジではない魚もヒットします。

撮影:著者
背ビレと胸ビレに毒トゲがあり、これに刺されると激しい痛みに襲われます。
決して素手で触らないようにしてください。

これなあにと見せられた魚はゴンズイでした。これは危険です。絶対に触るなと教え、フィッシュグリップで挟んでハリを外します。ここにはゴンズイもいるのです。食べると美味しいそうですが、アジがたくさん釣れていますから毒トゲを持つ魚は不要です。アミカゴが底に着いたらリールを5回以上巻くようにします。それでゴンズイはアタらなくなりました。

バケツに半分以上釣れたところで釣りを終えました。空には天の川がよく見えて、流れ星も発見することができました。孫たちにはいい経験になったようです。

●まとめ

みなさんは小アジはどのように料理していますか? 人気が高いのは南蛮漬けですが、唐揚げも美味しいですよ。高めの温度で揚げると頭から丸かじりできるのですが、孫たちは残しますから頭は落とします。それでも骨ごと食べられますからカルシウムをたっぷり補給することができます。

翌日はキャランコビーチで海水浴をして帰りました。一か所で釣りと海水浴が楽しめるのですから、夏休みの子供たちにとって小友漁港はベストスポットといえるでしょう。