湊と書いて「みなと」と読みます。港ももちろん「みなと」です。では、湊漁港とはどういう意味なのか、あなたはご存じでしょうか? もともと、港とは水路や航路を意味した文字で、それに対して湊は集まるところ=船着場という意味でした。船が停泊するところとしては「湊」の方が正しかったのです。

しかし、いつしか港の方が優勢になり、現在では圧倒的に港が多く使われています。それを考えると、湊の文字が使われている港は歴史が古いと考えてよさそうです。対岸の神集島(かしわじま)が古い歴史を持つところだけに、湊漁港も間違いなく伝統のある港なのでしょう。

●東松浦半島の東側にある漁港

撮影:著者
外波止の外側に投入されたテトラは、いわゆる三角テトラと呼ばれるものです。それ事態は足場が悪くはないのですが、量が多いと移動が危険だし、波止の犬走りからの登り下りが大変です。

唐津から東松浦半島の東側に沿って国道204号が北上しています。東松浦半島の北の端には有名な呼子がありますから、この道路はたくさんの人が通っています。もちろん、その中には釣り人も大勢いたはずです。

湊漁港はこの北上する国道204号沿いにありますから、釣りに興味のある人ならここに大きな漁港があることは知っていたでしょう。そして、好シーズンの休日には釣りをしている人がたくさんいるのを見て、いつかは自分もここで竿を出してみたいと思ったに違いありません。

湊漁港は大きな港です。左側からは先端に赤灯台がある外波止が伸びてきて、右側からは新波止が港を囲っています。すぐ沖には神集島が浮かび、その間の瀬戸は潮の動きがよく、各種の魚が生息しています。
また、東松浦半島の東側にあるおかげで冬の季節風である北西風が避けられるため、冬でも比較的釣りを楽しめます。ただし、外波止、新波止とも外側にはテトラが入っており、初心者のみなさんや家族連れには不向きといえるかもしれません。

●外波止は内側で楽しもう

撮影:著者
外波止は外側に比べて内側は足場がよく、ビギナーでも安心して竿を振ることができます。
小型の魚なら内側でも十分釣れます。

瀬戸に面した外波止はウキ釣り、投げ釣り、エギングの実績が高く、グレやチヌ、バリ(アイゴ)、キス、カレイ、アオリイカ、コウイカがよく釣れています。しかし、以前は比較的足場のいい三角テトラが部分的に入っているだけだったのに、その後さらに追加されて非常に釣りづらいところとなってしまいました。ベテランはハシゴを使ってテトラに降りてそれなりの成果を上げていますが、ビギナーのみなさんは内側を釣った方が安心だし、アジやサヨリ、メバルなどについてはこちらでも十分楽しめます。

また、港内の岸壁には常夜灯が何本も立っています。当然、夜になると点灯しますから、光に集まる魚がこの周囲で釣れることになります。外波止にこだわることなく十分楽しめるというわけです。光に集まる魚とはスズキ、メバル、アジなどです。岸壁は足場がよく、夜釣りでも危険は少ないのでぜひ挑戦してみてください。

●新波止は投げ釣りがお勧めです

撮影:著者
新波止はカドの手前にはテトラがなく、外側でも安全に竿が出せます。
ウキ釣りでチヌやサヨリ、メバルがアタります。

一般的には、港の外側に面した外波止の方が魚はよく釣れます。しかし、湊漁港に関しては内側の新波止の方がよく釣れています。理由は、外波止はテトラが大きくて釣りづらいため人が少ないのと、新波止も部分的には外側に面しているからです。新波止の外側もテトラが入っているのですが、数が少なくそれほど気になりません。
そして、新波止はカレイの名所でもあります。古い話ですが48㎝も上がっています。最近はそこまで大きいのは釣れていませんが、九州エリアのカレイが数少なくなっている現在、貴重な釣り場といってもいいでしょう。

新波止の手前の方はテトラが入っていませんから、家族連れでも外側でメバル、サヨリ、アジ釣りが可能です。

●常夜灯周りでアジングを楽しむ

撮影:著者
一般的に、内波止は外波止に比べてテトラは少ないものですが、湊漁港の新波止は先端まで
しっかり入っています。それだけ、北東風が吹いたときはシケるのでしょう。
 

日中は10〜13㎝の小アジが中心の釣り場でも、マズメから夜にかけては20〜25㎝のアジがヒットするところが珍しくありません。この湊漁港もそんなところです。そして、そのクラスのアジならサビキ釣りよりもアジングの方がずっと楽しめます。

風が冷たく感じられるようになった11月、友人を誘って湊漁港へアジングに出かけました。唐津では上りの中潮から大潮にかけてだと20〜22時が満潮になります。それに合わせて釣行したのです。友人もボクもジグヘッド+ワームという単純なリグで、新波止から攻めていきます。ふたりともヒットがないまま、カウントダウンして少しずつ深ダナへワームを送り込んでいきます。しかし、依然としてヒットはありません。

友人は新波止を諦めて港の奥の岸壁に移動していきました。そして、移動した早々、彼の声が聞こえました。「オーイ、こっちに来いよ!」

小走りで移動してみると、彼の手には良型のアジがホールドされていました。「表層を引いていて少しアクションを加えたらすぐヒットしたよ」

撮影:著者
友人が最初に釣ったアジです。25㎝ありました。

新波止とは違って岸壁には数メートル置きに常夜灯が立っています。やっぱり、夜は常夜灯の明かりの周囲が有利なことに気づかされました。
それからは外波止も新波止も無視して、ひたすら岸壁の常夜灯周りを釣り歩きました。表層でヒットがなくなるとカウントダウンしたり、遠投して沖からリーリングしてきたりとさまざまな攻め方をしてアジを追加します。サイズは20㎝平均で、アジングを堪能することができました。

●まとめ

湊漁港は釣り場としての規模は大きいのですが、前述したように波止の外側は大部分がテトラで囲まれています。そのため、慣れてない釣り人は竿出し箇所が限られるという問題があります。しかし、魚がいれば釣り人なら楽しめるものです。もちろん、楽しみ方はさまざまで、港内でサヨリや小アジを釣ったり、投げ釣りでキス、カレイを狙ったり、夜釣りでアジと遊んだりと好みに応じていろいろなことができるものです。あなたもぜひ湊漁港で自分の楽しみ方を見つけてください。