
テンカラ釣りは近年、注目度が増している人気の釣りです。日本古来の釣りの魅力は海外にも伝わり「Tenkara」として欧米の愛好者をも増やしているほど。
当記事ではテンカラ釣りの魅力に迫ります。テンカラ釣りはとても魅力的なので「釣りを初めたいけどどの釣りが良いの?」と悩む釣り初心者の方にもおすすめです。
使用する道具や釣り方なども合わせて紹介していきますので、ぜひチェックしてみてください。
1テンカラ釣りとは?
テンカラ釣りは、日本に古くから伝わる独自の釣法で、水生昆虫などを模したシンプルな毛鉤を使ってイワナなどの渓流魚を狙います。
毛鉤と言えばフライフィッシングを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、テンカラ釣りとは明らかに異なります。
特に大きく違うのはリール。テンカラ釣りにはリールがありません。そればかりか、道具も非常にシンプルで竿とライン、ハリス、毛鉤で構成されます。
また、毛鉤もフライフィッシング用のものとは異なります。フライフィッシングがカゲロウやトビケラに瓜二つかのように模しているのに対し、テンカラ釣りで使用する毛鉤はそこまでリアルではありません。
元々テンカラ釣りは漁師が行っていた釣法であることから、手返しが重視されこのようなシンプルなスタイルになったとされています。ただ、この無駄を省いたスタイルが近年は欧米からも注目されており、人気を集めています。
テンカラ釣りの魅力

1.道具がシンプル
テンカラ釣りは、道具がシンプルなため気軽に楽しめるのは魅力。揃えるものが少ないということは、安い価格で道具を揃えられるということでもあるので、その点も嬉しいとことです。
また、フライフィッシングと比べるとキャストもそこまで難しくありません。フライフィッシングのようにコツを掴むまで相当な練習が必要というほどではないので、これから釣りを始める初心者の方にもおすすめな釣りです。
2.ゲーム性があり奥が深い
テンカラ釣りは、道具がシンプルだからこそ、奥が深いといった側面があります。毛鉤をどこに落とし、どう流したら良いかなど魚やフィールドの状況に合わせることが求められ、ゲーム性があるのも魅力です。
そして、経験や考察から導き出された狙いそのままに釣れた時は、何ものにも代え難い感動があります。
渓流で釣りをすることに加え、毛鉤を水面直下で流すことが多いので、魚が毛鉤にチェイスする様子が見えるのも魅力の一つ。当然毛鉤に食いつくといったエキサイティングな瞬間も見ることができます。
3.狙う魚が美味
テンカラ釣りの主なターゲットであるイワナやヤマメは美味な川魚としても知られています。どちらも白身で上品な味ですし、渓流の澄んだ水で釣れた魚とあれば川魚独特な臭みが抑えられ、より美味しくいただくことができます。
調理法は、シンプルな塩焼きも良いですが、小ぶりなものであれば唐揚げなどもおすすめです。酒のつまみにもばっちりです。
1テンカラ釣りの道具
1.竿
テンカラ釣りで使う竿の長さは3.6m程度を基準にすると良いでしょう。川幅が狭い場所であればそれよりも短いもの、川幅が広い場所であればそれよりも長いものといったようなイメージです。
そして、竿を選ぶ際のポイントとしては、振りやすいものを選ぶことです。テンカラ釣りでは毛鉤をいかに狙った場所にキャストできるかが大切なので、少なくとも竿を持った時に手にフィットしないような違和感を感じるようなものは選ばないようにしましょう。
また、テンカラ釣りは、ラインの重みを利用しキャストするので、先調子すぎたり胴調子すぎたりすると上手くしなりをいかすことができず狙った場所にキャストできません。初めのうちはあまり意識しなくても良いですが、できれば7:3、6:4位で曲がる竿を選ぶと良いでしょう。
2.ライン、ハリス
テンカラ釣りで使うラインは大別すると2種類。テーパーラインとレベルラインに分けられます。
まずテーパーラインは、ラインの太さが均一ではなく先に行くほど細くなります。これによってキャストがしやすくなり精度も高くなるといった利点があります。
一方、レベルラインは太さが均一です。テーパーラインに比べればキャストはしにくいですが、安価なのは魅力。
続いてハリス。初心者の方は太さが1号程度がおすすめ。素材はフロロカーボンが使いやすいでしょう。
3.毛鉤
初めのうちは毛鉤はあまりシビアに考えなくても大丈夫です。流れた毛鉤を餌か毛鉤か一瞬で判別できるほど魚は目が良くないからです。
ただ、針のサイズは意識して用意しておくようにしましょう。基本は12番、活性が低い時は14番といったように使い分けると釣果を伸ばすことができます。
ちなみに、初心者向けの毛鉤セットも販売されています。どれを買ったら良いか分からないといった方にはおすすめです。
テンカラ釣りの基本の釣り方!3つのポイント

1.キャスティング
テンカラ釣りのキャスティング動作は、バックキャストとフォワードキャストに分かれます。バックキャストが振りかぶる動作、フォワードキャストが振りかぶった竿を前方に倒す動作です。
そして、2つのうち特にコツが必要となるのは、バックキャストです。バックキャストは12時の位置まで振りかぶるのが基本ですが、この時遠くへ飛ばそうと必要以上に力まないことです。
あくまで竿のしなりを活かすことを意識して、ラインが45度の位置に来たらフォワードキャストを行うといったイメージです。
2.毛鉤の流し方
毛鉤は川の流れに自然に乗せるようにするのが基本です。不用意に竿を動かしたりすると毛鉤に変な動きが加わってしまうので注意。竿の位置はキープしたまま川の流れに沿ってゆっくり動かします。
また、ミチイトを水面につけてしまうとミチイトが流れに乗って毛鉤を不自然に引っ張ってしまうので、ミチイトを水面に付けないようにするのもコツ。目安としてミチイトとハリスの結び目が水面から出るようにすると良いでしょう。
3.アタリ~アワセ
魚の活性が高い時には、水面直下で流す毛鉤に勢いよく食い掛かるので、非常にわかりやすいです。
ただ、やっかいなのが魚の活性が低い時です。魚の活性が低い時は毛鉤を沈めて使うことが多く、この時のアタリの出方は微妙なものが多くなります。ラインが不自然に引き込まれたり、変な動きをしたりといったらアタリの可能性が高いです。
経験で感覚を掴んでいくところもあるので、初めのうちは違和感を感じたらアワセるのも良いでしょう。そして、アワセは一呼吸おいてからアワセるのがコツです。即アワセはしないのがベターです。
1テンカラ釣りには、釣りの魅力がぎゅっと凝縮されている
テンカラ釣りは、釣りの魅力がぎゅっと凝縮したような釣りです。道具がシンプルで始めやすく、さらにはゲーム性があり、奥深さもある。そしてイワナなどが釣れれば食べても美味しい、ともはや言うことなしです。
テンカラ釣りは非常に魅力的な釣りです。長く続けられる趣味としてぜひおすすめです。