みなさんは「見た目」で釣り場を判断するとき、なにを基準にしているでしょう? 多分、多くの人が「沖に位置している」「水深」「釣り場の広さ」などでしょう。必ずしもそれが正しいとは限らないのですが、モチベーションを高めるには大切な要素です。とはいえ、これから紹介する星賀港はそのどれもが当てはまりません。それでいて好釣り場であることは間違いありません。

かつてはフェリーの発着港だった

星賀(ほしか)港のすぐ沖には日比(ひび)水道を挟んで鷹島が浮かんでいます。かつて、この鷹島との間に就航するフェリーが、この星賀港から発着していました。2009年に鷹島肥前大橋が完成して航路は廃業となりましたが、往時は鷹島に釣行する釣り人でずいぶん賑わったものです。

そのフェリー発着所のすぐそばが埋め立てられ、新しい岸壁が生まれました。それがメインの釣り場です。新しい岸壁といっても規模はそれほど大きくはありませんから、収容人員は多くはありません。また、足元はそこそこの水深があるのですが、深いというほどではありません(浅いか深いか考え方は人それぞれでしょうが)。

ただ、目の前の日比水道は潮の流れがよく、そのせいで各種の魚が生息しています。ざっと挙げてみると、チヌ、グレ、キス、カマス、アジ、メバル、マダイ、ヤズ、スズキ、サワラ、コウイカ、アオリイカ、ササイカ、エソ、ヒラメなどです。とにかく種類が多く、それもあってウキ釣り、サビキ釣り、投げ釣り、ルアー釣り、エギングとあらゆる釣り方が楽しめます。

クルマは自由に停められますし、足場も問題ありませんから家族連れで楽しむのにも絶好です。

好ポイントは南西カドのA付近

出典:筆者

図のように、星賀港の竿出し箇所はA、B、Cと3つあります。
チヌ釣りの常連はまずA付近を目指します。ここには背後に常夜灯があり、夜釣りでも好ポイントになります。アジやメバル、スズキなどはこの明かりの周囲を逃さずに探ってみてください。

撮影:筆者
B付近にはスミ跡が残っていました。ここは流れが速いため、
餌木にシンカーを追加するなどして早く沈めるための工夫が必要です。

Bは日中のサビキ釣りやグレ、Aにかけての埋立地前面でキス、エソなどが期待できます。ルアーも同様です。秋には80㎝クラスのブリがヒットしたこともあります。また、Bにも常夜灯があり、夜釣りも楽しめます。

Cの地磯側はかなり浅いのですが、エギングの実績が高い場所です。また、遠投カゴ釣りでは中型のマダイがヒットします。左流れの下げ潮がチャンスです。もっとも、この岸壁にはときどき大型船が停泊します。すると、望むポイントでは竿出しできなくなります。そういうこともあると知っておいてください。

対岸の沖波止も釣りが可能

撮影:筆者
埋立て岸壁の対岸にある沖波止です。手前の波が盛り上がっている部分に大きな石を積んでいて、潮が引くと歩いて渡れるようになっています。先端に釣り人がいるのが見えると思います。

埋立岸壁の対岸には沖波止があります。沖波止という名称である以上、船に頼らないと釣行できないのですが、ここは潮が引くと歩いて渡れるのです。常連が大きな石を並べて渡りやすくしています。

ただし、ここは速い潮がモロに当たるため、通常の釣りは難しいといえます。仕掛けを流すとどこまでも流れていき、コマセの溜まるところがないのです。潮変わり前後なら釣りは可能ですが、干潮前後にしか往復できませんから釣りタイムはほんの少ししか取れません。常連がやっているのは遠投カゴ釣りです。100〜200m流すこともありますから道糸をたっぷり巻いておく必要があります。

※なお、この沖波止は広いのですが、空洞が連続しています。
転落にはくれぐれも注意してください。

星賀港で冬チヌ釣り

チヌ釣りの好機は大きくふたつに分けられます。春の乗っ込みと晩秋の落ちです。どちらも食欲が旺盛なため初心者でも釣りやすいといわれています。しかし、近年はもうひとつ好機が加えられています。それが冬なのです。

従来、冬季はチヌが非常に釣りづらく、1日にアタリが1回あるかどうかというのが通例でした。が、温暖化の影響で冬でもそれほど水温は下がらず、チヌは活発に行動するケースが増えているのです。しかも、それなりに水温は下がっていますから小魚は少なく、サシエが残る確率が非常に高いのです。

撮影:筆者
埋立て岸壁の中央部からAにかけての一帯です。クルマはすぐ後ろに停められますから便利だし、足場も問題ありません。ファミリーでの釣りにはぴったりのところです。

というわけで、この星賀港に釣行したのが1月末でした。同行したのはカゴ釣りの名手であるAさんです。Aさんは沖波止へ行きたそうにしていましたが、ボクに付き合ってくれたのです。

平日の早朝とあってほかに釣り人はいなくて、運よくAに入ることができました。手早く準備して釣りを開始します。

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チヌ、そしてマダイがヒット

撮影:筆者
こちらはCの奥の地磯一帯です。実際に釣りをするのはこの手前です。
地磯の近くは浅く、遠投しないと仕掛けを流すことができません。

潮は満潮から下げにかかったところで、日比水道の南口に向かっています。ポイントから見て左方向です。ボクはCに向かうワイ潮に仕掛けを乗せます。Aさんは沖に遠投しています。魚の活性を少しでも高くしようとふたりともコマセにはアミエビを混ぜています。

最初にアタリが出たのはAさんの方でした。沖は潮が温かいらしく、小魚も活動しているようです。小さなアタリのあとサシエがなくなったということです。しかし、その後が続きません。サシエは残ったりなくなったりしています。

2時間ほどしてボクにもアタリが出ました。それもいきなりです。一気にウキが消え、竿先に乗ってきました。いつもこんな食い方をしてくれれば楽なんですが……。

上がってきたのは40㎝クラスのチヌでした。全身が黒っぽく、いわゆる「居着き」です。深場に移動せず、エサの多い浅場にとどまっているタイプです。

「あ、クソー!」Aさんの声がしました。見ると仕掛けを巻き取っているところです。ボクの視線に気づくと、「バラしたー!」上がってきた仕掛けを見るとハリがありません。ハリスの先端にクルクルと巻きグセが残っていて、いわゆる「ブタの尻尾」です。ハリが解けたのです。ハリスが太い場合は結んだあとでしっかり締めないと、このような状態になりやすいのです。

撮影:筆者
Aさんが仕留めたマダイです。釣り上げたばかりのマダイはブルーの斑点が実に鮮やかです。

改めて結び直したAさんは、次のアタリでしっかり取り込みました。Aさんが望む大型ではありませんでしたが、35㎝前後のきれいなマダイでした。釣り立てのマダイはブルーの斑点が実に鮮やかです。その後はアタリがないまま、1匹ずつの釣果で帰途につきました。

●まとめ

みなさんは冬場はどんな釣りを楽しんでいますか? 寒いからこたつに潜り込み、ひたすら春を待つなどとは言わないでしょうね。磯釣りは寒グレを代表として冬が好シーズンです。堤防も冬が好シーズン……とはいえないのですが、冬でも楽しめる釣りはあります。

チヌのほか、カレイの投げ釣り、カサゴやアイナメの穴釣り、スズキ釣り、エリアによってはアジ釣りも可能です。暖かい格好をして冬ならではの釣りを満喫しましょう。