釣りたい魚はクロダイ!最適な時期と釣り場は?

編集部注:本稿タイトルにクロダイに関して一般的ではない表現(海の女王)がありましたので訂正の上掲載しております

堤防で一番人気が高い魚はなんだと思いますか?答えはクロダイです。

理由はいくつかあります。まず、手近な堤防で40センチを超える良型が期待できる点が挙げられます。そんな大きな魚が釣れるとしたら、ほかにはスズキ、ボラしかありません。

二番目の理由は、見た目が美しいことです。マダイのようには赤くありませんが、シルバーに輝く魚体はスマートで、釣り上げた直後にヒレをピンと張った姿は誰もが見とれるほどです。

そして三番目、それは意外性が強い魚だということです。ベテランにだけ釣れるというわけではなく、ビギナーにもヒットする可能性があります。もちろん、仕掛けや釣り方が基本に則ったものであればヒットする確率は高くなります。しかし、そうでなくてもクロダイがアタることは珍しくありません。初めて釣りをしたビギナーでもクロダイが釣れる可能性はあるのです。

では、そんなクロダイはいつ頃釣れて、どんなところに住んでいるかを解説してみましょう。

●乗っ込み…春に接岸してきます

40㎝を超えるクロダイがヒットする確率が高いのは春の乗っ込みシーズンです。このサイズを取り込むためにはタモが欠かせません。

回遊魚を除いて、日本近海に住んでいる魚の大半は、冬になって水温が下がると沖の深みに移動します。
沿岸部は水温が下がりやすく、変温動物である魚は動きが取れなくなるからです。低水温に強い魚は深みに移動することなく、そのまま沿岸にとどまりますが数は少なく、したがって冬は釣りの対象魚が少ないというのが一般的です。

そして、春になって水温が上がり始めると避寒していた魚たちは接岸してきます。クロダイの場合はこの時期に産卵するため、それを控えて体力作りをしなければならず、しばしば荒食いします。つまり、それだけ釣りやすいのです。

この、産卵のために接岸してくる状況を「乗っ込み」と呼びます。
近年は地球温暖化の影響で冬季でも水温がそれほど下がらず、クロダイの乗っ込み行動はそれほど顕著ではありません。かつては群れをなして接岸してきたものでしたが、現在では群れの数がかなり減っています。それでも、普段は小型しか釣れないところでも春には大型がヒットするのは、釣り人なら誰でも知っています。
具体的な時期は場所によって差がありますが、おおむね3〜5月というのが乗っ込みの時期と思っていいでしょう。

このときの釣り場は堤防がメインになります。クロダイの卵は一個一個が分離していて水面近くを漂います。とはいえ、孵化した稚魚は藻の中に身を隠しますから、往々にして海藻の近くが産卵場所になります。藻の中はプランクトンが多く、稚魚のエサ場としても優れています。

●夏は漁港〜河口に移動

産卵にかかるとエサを追うどころではなく、しばらくアタリは途絶えます。そして、再び釣れ始めるのが梅雨の時期です。
この辺りはエリアによってズレがありますから、自分の近くの釣り場の情報を集めておいてください。

一般的に堤防では外側〜先端で竿を出します。その方がヒットする確率は高いのですが、クロダイに限ると内側の港内、さらには港の奥でもアタることがあります。クロダイはまさしく
「意外性の強い魚」なのです。

産卵を終えたクロダイは自分が快適な生活を送ることができる場所に移動します。それが漁港河口です。
このふたつに共通しているのはエサが豊富なことです。漁港にエサが豊富と聞いて意外に思うかもしれません。漁港には堤防やスロープ、テトラポッド、捨て石、船溜まりなど数々の障害物があります。しかも、平均して浅く、カニやエビ、貝類、ムシ類などが豊富です。
一方の河口は、上流からさまざまなエサが流れてきます。盛夏になると水温が高くなりすぎ、夕方〜朝にしか活発な就餌行動をしなくなりますが、河口なら冷たい淡水が流れてきますから一日中でもエサを追います。

クロダイは適応力が強く、汽水域でも平気で行動するし、さらには川をさかのぼることもあります。一部のエリアでは川ダイと呼ぶところもあるほどです。河口は流れが複雑で食わせるにはかなりの困難さがともないますが、クロダイが多いと分かっているスポットをみすみす見逃すのはもったいない話です。

●秋は小型が中心

夏が過ぎて秋が訪れると少しずつ水温は下がっていきます。すると、クロダイを含めて魚たちは再び盛んに活動を始めます。
釣りには好シーズンなのですが、クロダイは小型が中心になり、大型はめったにアタらなくなります。中・大型もいるのですが、警戒心の薄い小型が先にヒットしてくるためです。 これは、ある意味、入門のチャンスです。

小型のクロダイは見境もなくどんどん食ってきますから、ビギナーでも非常に釣りやすいのです。しかも、小型ばかりですからバラすことめったにもなく、ハリに掛ければほぼ釣り上げたも同然です。10〜20㎝クラスでも数が釣れますから、お土産としても十分です

●晩秋は「落ち」のシーズン

秋が深まると水温は徐々に下がっていきます。すると、クロダイは深場に移動するための準備を始めます。それが「落ち」と呼ばれる行動です。
深場は水温が安定しているもののエサは少なく、クロダイはそれに備えて体力をつけるため荒食いを始めます。小型メインの秋口とは違って良型もヒットしますから、引きを楽しめるのもこの時期ならではです。

ただ、それまでは浅場、浅ダナでも十分ヒットしていたでしょうが、だんだん深ダナでしか食わなくなってきます。堤防にしても磯にしても近くに深みがあれば理想的です。

●冬は深場の穏やかな海域で

水温が15度を割るとクロダイは大半が沖の深場に移動します(数字には地域差があります)。しかし、体力のある大型はエサが豊富な沿岸部で冬越しをします。魚の動きは鈍く、ほかの小魚もほとんどいませんからアタリは非常に少ないのですが、アタリが出ればまずクロダイの大型ですからやりがいはあります。

クロダイ釣りによく用いられるのは棒ウキです。かつて、クロダイはずる賢く、アタリも小さいと信じられていました。そのため、感度のいい棒ウキを使うのが常道とされていたからです。しかし、クロダイがずる賢いという説はくつがえされ、現在では大きめでどっしりした
円錐ウキが好まれるようになっています。

この時期のクロダイは刺激の少ない状態を好みますから、流れが緩く、波も立たない穏やかなポイントを釣ります。

かつて、冬季のクロダイ釣りは非常に難しいといわれていました。1日粘って1、2度しかアタリがなかったからですが、現在は以前ほど水温が下がらず、アタリの数は飛躍的に増えています。さらに、エサ盗りはほとんどいなくて非常に釣りやすくなっています。

●まとめ

クロダイは人間の生活圏に近いところで生息しています。これはボラも同様です。ですから、海=漁港によく行く人にとってはなじみ深い魚です。それだけに釣り上げるのが難しいことは、釣り人の間では広く知られています。
しかし、時期と場所を押さえておけばクロダイはそんなに釣るのが難しい魚ではありません。
具体的な釣り方はこのシリーズで丁寧に解説する予定です。ご期待ください。

次の記事はこちら>>「クロダイを釣る…釣り方はさまざま」

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