
こんにちは!今回は毎年釣行で訪問している、日高山脈襟裳国定公園内にある幌満ダムと二級河川の幌満川をご紹介します。このエリアは登山でも有名なアポイ岳を中心にアポイ岳ジオパークというユネスコ世界ジオパークに登録された自然公園になっています。
北海道では珍しく、ダム湖・流入河川に漁業権が設定されている場所です。それだけ釣れるのでしょうか?
フィッシングフィールドとしては幌満ダム湖と幌満川の2つあります。幌満川下流の幌満町周辺でも釣れますが、今回は、この本格的なポイントの2カ所を詳しくご紹介します。まずは幌満ダム湖からです。
幌満ダムとは!?
現在、幌満ダムと呼ばれる【幌満川第3発電所ダム】は民間所有のダムとしては国内最大の総貯水容量(千m3)15,379を誇る、その歴史は古く、現在の幌満川第3発電所ダムは1954年(昭和29年)に完成しています。四半世紀を超えて既に66年経っています。
遡るともっと古くから水力発電が行われており、幌満川水系における水力発電は、1921年(昭和10年)に幌満川第1発電所が完成し運転を開始(現在は廃ダム)、幌満川第2発電所は1940年(昭和15年)完成しています。幌満川第2発電所の現在の呼称は幌満川第2発電所堰堤です。(様似町のあゆみより引用)
幌満川第3発電所ダムまでの途中に、幌満川第1発電所の名残が残っています。
ダムマニアにはたまらない景色だと思います。
発電所の歴史を見ても、第二次世界大戦前からですので、かなり古いのですが、そもそもこの様似町ですが、江戸時代までさかのぼると東金山鉱山という鉱脈があり、アイヌと和人の争った時代もあったそうです。まさにゴールデンカムイの世界ですね。
今年2020年にはウポポイ民族共生象徴空間も完成し、アイヌ文化に触れ合う機会がより多くなりました。是非来道の際はお立ち寄りください。
幌満ダムのフィールドスペックは?
写真:筆者
ダム看板
- 水系:幌満川水系二級河川幌満川
- ダム型式:重力式コンクリートダム
- 管理:新日本電工
- 標高:132.0m
- 面積:147.0 ㎢
- 最大深度:31m
- 貯水量:15,379,000㎥
- 岸地質:岩盤、砂礫、砂地、泥質砂
- 岸際:自然湖岸、一部護岸あり
- 漁業権:1日券/500円、 シーズン券/3,000円(6月1日~10月31日)
- インレット:幌満川本流、幌満川水系:オナルシベ川・フチミ川
- アウトレット:幌満川
幌満ダム・幌満川での注意事項
漁業権が設定されています
幌満ダムは民間所有のダムということで道路整備や倒木や落石の管理もしています。しかもアングラーのために、ニジマスを放流しています。この安価な漁業権代でここまで行っていただいているので、必ず支払いましょうね。
【漁業権】(2020年現在)
1日券/500円、 シーズン券/3,000円(6月1日~10月31日)
【漁業権販売先】
新日本電工日高工場 TEL:0146-36-2211
アウトドアプラザ ハヤサカ(ハヤサカ釣具店)TEL:0146-36-2221
上記2カ所で販売しています。支払う方法としては以下があります。
・釣行前後にアウトドアプラザ ハヤサカ(ハヤサカ釣具店)で支払う
(営業時間などに注意)
・幌満ダム、幌満川へ巡回されている係の方へ支払う。
(日や時間によって巡回が来ない場合もある)
アウトドアプラザ ハヤサカ(ハヤサカ釣具店)さんなどの日高方面のショップ紹介
はこちら↓↓↓
幌満ダム・幌満川の禁止事項とは
- 船・いかだなどでの遊漁は禁止(ボートやフローターも禁止です。)
- ダム並びに周辺社有地内での火気の使用禁止
- ダム並びに流入河川での遊泳禁止
- 危険な場所への立入禁止
- 空き缶、ゴミ屑などは各自持ち帰ること
- 漁業監視員の指示に必ず従うこと

私が個人的に注意したほうがいいことも記載しておきます。
危険な場所とありますが、もちろんダム天端は立入禁止です。
それ以外にもダム湖畔は崖になっている部分も多いので、湖畔に降りるときは、降りやすい場所から入渓すること。
湖畔沿いの道路は舗装されていない砂利道で、かなり狭いです。車同士ギリギリすれ違えるか、すれ違えれないほど狭い場所もあります。駐車するスペースは道路脇の草むらスペースなど車1台置ける場所が数か所あります。道路をふさがないよう注意ください。
道路の山側は岩盤を削った岩壁がそのままむき出しになっている場所も多いです。
道路にかなり大きい岩が落ちていることが多々あります。車で走行中は徐行で進むことをおすすめします。そういった落石も多いので注意して下さい。
見通しの効かない森には絶対に入らない。私は熊と遭遇したことはありませんが、でっかい糞は何度か見たことがあります。その都度みて、新しくないかを確認します。ホカホカの場合は帰りましょう。1度だけダム湖の反対側で『ゴウォーォ~ッ』という生き物の叫び声を聞いたことがあります…熊鈴、スプレー、車のクラクションは適時使用しましょう。
またダム周辺も上流河川地域も携帯の電波は届かないので、事故にあった場合は電波の届くところまで降りる必要があります。
ダム湖の奥行きは約3㎞弱あります。下流を見て右岸側に道路があり、対岸の左岸側までの距離は遠いところで700mほどで、対岸側は入渓場所や道路はありません。
次に幌満ダムに生息するトラウトとベイトをご紹介します。
幌満ダムに生息する魚
トラウトはアメマス、ニジマスです。トラウト以外にはウグイ、ワカサギが生息しています。アメマス、ニジマスの50cmオーバーが生息。伝説となっていますがニジマスのメーターオーバーが釣れたこともあるとか。
1幌満ダムのベイト(捕食対象生物)
水生のベイトです。あまり知られていないようですが幌満ダムはワカサギがいます。
実際に岸際を群れで回遊しているのを見ています。ニジマスやアメマスのベイトとして昔に放流し自然に繁殖しているということでしょうか。幌満ダムのトラウトはワカサギの群れを追いかけるという習性があると思われます。ほかにトゲウオが生息しています。水生昆虫ではカゲロウ、トビゲラなどがいます。
陸生のベイトとしては、エゾハルゼミ、カメムシ、コガネムシ、蝶などですが、幌満ダムのトラウトは水生ベイトが豊富な為か、水面の陸生ベイトへのバイトをあまり見受けません。水面にウグイは良く顔を出しますが、トラウトはあまり見かけません。
幌満ダムでのタックルとは
ロッド
幌満ダムで使用するルアーの重さは5~12gぐらいになります。幌満ダム湖の深さは最大深度が31mです。水の量にもよりますが、岸際の浅いところだと2~10mですので、浅瀬を攻める必要もあります。幌満ダムはランガンする湖ではないので、2本持参するのも良いと思います。
1セットは長めのロッドで沖目の深場を狙うため重めのルアーを遠投用。
もう1セットは、短いロッドで大物が浅瀬や近場にいる時に、軽めのルアーをコントロールするような繊細な釣りの時用。ロッド選択で攻める範囲が違いますので、釣果につながる重要な要素の一つになります。詳しくご説明致します。
- 重いルアーや遠投で攻める場合は、9フィート程度のML~M程度
- 軽いルアーや岸際、近くを狙う場合は、7フィート前後のL~ML程度
私は8.6fのMと7.6fのMLの2本持っていきます。この幌満ダム湖は基本的にランガンできる場所がないので、 沖目の回遊魚を攻めるとき、あるいは湖底を攻める時に、重めのルアーを遠投する場合に使用します。
逆に短いロッドは足元まで深場があるポイントなどで、軽いルアーアクション重視で対応するためです。両方対応するには、2本必要になります。
幌満ダムのトラウトは森の奥深くの静かな場所だからか、結構神経質で音に敏感な気がします。そうなると繊細なルアー操作が必要になるので、硬くてもM(ミディアム)が良いと思います。
初心者の方はMLやLの方が操作もしやすく、BIGトラウトとファイトした時にもロッドがある程度、パワーをいなしてくれるのでおすすめです。
リール
リールもロッドの長短に合わせますが、ロッドが短めの場合2000番ぐらい、長めの場合2500番ぐらいあれば十分です。ラインについては、最低100mあれば十分です。幌満ダムの場合は風があっても50mもあれば、十分底に届きます。
幌満ダムのBIGニジマスが掛かった場合を想定したほうがいいので、DaiwaのATDなどドラグ性能が高いリールはロッドワークをカバーしてくれますので、良いと思います。
湖のタックルについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。
幌満ダムで釣れるルアー
幌満ダムで、今まで釣れたルアータイプをいくつかご紹介します。
基本的にはワカサギを意識したルアーで実績があります。
- スプーン:4~7cm、5~10g程度の肉厚系でプリプリ泳ぐタイプのデットスロー
- ジグスプーン:7~10cm、8~13g程度の細身のヒラヒラとフォールするタイプで縦の釣り
- ジグ:5~7cm、7~13g程度のジギングのようにシャクリを入れながら底を探る縦の釣り
- ジグミノー:5~10cm、7~13g程度で、ベイトのトゲウオに似た形でユラユラ泳ぐタイプが効果的
- ミノー:5~10cm、5~12gで、リップレスやジョイントを利用しているも多く、トラウトに見切られない自然な動きをするルアーが効果的
次回、幌満ダム・幌満川の実釣編でおすすめルアーを詳しくご紹介します!お楽しみに。それでは、幌満ダム湖のポイントをご説明致します。
幌満ダムのトラウトポイント
幌満ダム湖のポイントはを大きく2つのエリアに分かれます
幌満ダムのフィッシングエリア
Ⓐ幌満川インレット~オナルシベ川インレット
Ⓑオナルシベ川インレット~ダム天端方面

各エリアのポイントごとに、ご説明していきます
Ⓐ幌満川インレット~オナルシベ川インレット
幌満川のインレット側から入渓できますが、水量によりかなり歩く可能性もあります。だた水量がある場合は、インレット周辺を攻めることができます。
その他にはⒷとの間に湾があるのですが、その岬部分から入渓できます、ここは入りやすいのですが、遠浅になるので、深い場所を攻める場合は少し歩きます。
Ⓑオナルシベ川インレット~ダム天端近く
Ⓐとの間の湾側は、入渓するには崖が多いので気を付けてください。水量が多い時はその崖を背にしてキャストが必要なので、ご注意ください。でもこの場所釣れますよ。
天端側に向かう途中、1台車が止められるスペースがあります。そこから降りると水が少ない場合ですが、天端方面の湾まで歩いて行けます。この辺は一番深くなっており、初夏や晩夏の時期はここの深場を探ると…

幌満川本流とは(幌満ダムより上流)
さて、幌満ダム湖に続いて、2カ所目のフィッシングエリアの幌満川上流域です。
個人的には、北海道で一番好きな河川です。基本的に砂礫と砂地なのですが、見たことがないほど水が綺麗です。数年前の台風直撃により、渓相がかなり変わってしまいましたが、相変わらずの水の綺麗さに思わず息をのむほどです。
下の写真は道路脇から撮影したものです。対岸の木の下が透き通っているのが見えますか?白い砂が多く、なんとこの場所からも50cmほどの魚影が見えるんです。しかもこの日の天気は雨です。晴れていたらもっと見えます。

写真:筆者
このような渓相が蛇行して上流までつながっています。そのシーズンの雨の状況によりますが、この時は雨が降っており、水量が多い方です。でもこの幌満川は濁らないんです。
車を止められる場所がいくつかありますが、この道路も狭いので駐車には気を付けてください。岩盤の崖も多く落石もありますので、合わせて注意してください。
尚、このダムより上流は特にヒグマの出没が増えますので、ご注意ください。
入渓する前に、先程の【漁業権販売先】へ連絡すると思いますが、その際にもヒグマ情報は必ず聞きましょう。
幌満川上流に生息する魚
トラウトはイワナ、ニジマスです。トラウト以外にはウグイが生息しています。イワナは大きくても30cmほど、ニジマスは40cmオーバーが、各ポイントに居付いています。同じくウグイも40cmオーバーがいます。
幌満川上流のベイト(捕食対象生物)
水生のベイトです。トゲウオやドジョウが生息しています。水生昆虫ではカゲロウ、トビゲラなどがいますが、ウグイの子供や川は水中昆虫が主食になっていると思います。
幌満上流でのタックルとは
ロッド
幌満川は川幅が5m~10mです。使用するルアーの重さは3~8gぐらいです。幌満川は深いところで1m、水の量にもよりますが、浅いところだと15cm程度ですので、浅瀬を攻める必要もあります。幌満川はランガンする場所が多いのです。
短かめのロッドで大物が出ても対処できて、軽めのルアーをコントロールするような繊細+パワーのある、ロッド選択が必要です。
おすすめのロッドは7フィート前後のL~ML程度
私は7.2fのLを持っていきます。基本的にランガンするのですが、 6fクラスだと丁度届かないところにポイントがあったりします。そういったときに少し遠くにキャストできる長さで、水流やニジマスのパワーに負けないロッドが良いと思います。
リール
リールは2000番前後、ラインについては、出来るだけ細いPEが良いと思います。太くとも0.8号、最低100mあれば十分です。リーダーは短めがいいと思います。
幌満川のトラウトは、バイトが繊細です。ルアーを突っつく感じで、『ツンッ』しかしません。それに合わせる必要があるので、リーダーが長いと、アワセが遅くなります。特にドラグはユルユルでいいと思います。
河川のタックルについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。
幌満川で釣れるルアー
幌満川で、良く効くルアータイプをいくつかご紹介します。
基本的にはワカサギを意識したルアーで実績があります。
- スプーン:3~6cm、3~8g程度の幅広系で水を掴んで泳ぐタイプを川底を転がす感じで。
- スピナー:3~7cm、2~8g細身タイプで、シルバーやゴールドの派手なカラー
- ミノー:4~8cm、3~7gで、自然なカラーでディープ系が効果的
次回、幌満ダム・幌満川の実釣編でおすすめルアーを詳しくご紹介します!お楽しみに。それでは、幌満川のポイントをご説明致します。
幌満川のトラウトポイント
私が良く行く幌満川のポイントはを大きく2つのエリアで今回はこちらをご紹介します。
これより上流もありますが、熊には気を付けてください。

Ⓐ白樺橋周辺より上流
この橋の下流側にパンケ川、上流側にオピラルカオマップ川があり、徐々に水量が減っていきます。その分ポイントは絞りやすくなりますが、居付くトラウトも限られてきますので、ピンポイントで狙っていくという感じになります。大場所も多く、BIGトラウトも生息しているエリアです。

写真:筆者
Ⓑ大泉橋~白樺橋
入渓しやすく、川幅もあるので、遡行しやすいのですが、その分浅いので、小さめのトラウトが多いエリアです、でも流れ込みや淵際に思わぬ大物も潜んでいます。

写真:筆者
アクセス
千歳方面から道央自動車道と日高自動車道国道を日高厚賀IC(2020年終点)まで国道235号線で浦河方面へ向かいます。そして浦河から国道336号線で襟裳岬へ。様似町を過ぎて幌満の郵便局手前の幌満峡への看板のある交差点から左に入ると林道の入口があり、幌満峡~幌満ダムへ向かいます。ダムまでは所要時間は約3時間です。
道央の釣り行程の記事でアクセスについて詳しくご説明しています。是非ご覧ください。
まとめ
今回は魅惑の幌満ダム・幌満川のご紹介でした。近くにアイヌ文化も感じられる。神秘的で魅力的なエリアです。是非ザ・北海道を味わえるフィールドへチャレンジしてみてはいかがでしょうか?次回はこの幌満ダムでの実釣記事を執筆します。お楽しみに~