道具や仕掛け、エサがあれば誰でも釣れる……と思ってないでしょうか? もしそう思っているとしたら、それは大きな誤解です。もちろん、まったく釣れないわけではないのですが、釣り方によって成果は大きく変わります。それが釣りの面白さといっていいでしょう。
このセクションでは小アジのアタリとアワセについて解説してみましょう。

このシリーズをはじめから一気読み>>「脱!無趣味人間…60代から始める魚釣り」

●小アジのアタリは分かりやすい

(筆者撮影)スレ掛かり:ハリは必ず口に掛かるとは限りません。サビキ仕掛けの周囲で小アジはエサを追って走り回りますから、体のさまざまな箇所にハリは掛かります。その場合も外れやすくなります。

サビキ釣りでは、アミカゴにアミエビを詰めることから釣りはスタートします。仕掛けをセットしたらアミエビを指、またはスプーンですくってアミカゴの中に詰めます。そして、ラインを送り出して仕掛けを足元に沈めます。

水温が上がって魚の食欲が旺盛になると、アミカゴを水面に下ろした途端に、一斉に小アジが集まってきます。そして、手近なサビキバリを見つけると一気に食い込んできます。ハリに掛かると小アジは暴れ、その動きは穂先に伝わりますから、アジが掛かれば誰でもすぐに分かります。

●アワセは不要、ゆっくり巻き取る

(筆者撮影)
魚には口の硬いタイプ、軟らかいタイプと二種類いますが、アジは典型的な軟らかいタイプです。ハリに掛かりやすい反面、外れやすいという特徴もあります。それを極力防ぐには穂先の軟らかい竿を使うというのが常道です。

通常は、魚がエサを食べるとアワセという行為を行います。竿を素早く立ててハリを確実に魚の口に突き刺すのです。しかし、小アジ釣りでそれをやってはいけません。なぜなら、アジの口は軟らかく、強くアワせると口が切れてハリが外れてしまうからです。

アワせないにしても、アジが激しく暴れると口切れする可能性が高く、取り込みの途中でハリが外れることは珍しくありません。それを避けるには、優しく、ゆっくり巻き取ることです。魚が掛かったからと慌てて巻き取ろうとするとハリが外れやすくなります。

●すぐには巻き取らない

魚が掛かればすぐに巻き取りたいところですが、小アジに関してはしばし取り込むのを待つのが賢明です。ハリに掛かった魚が暴れるとそれにともなってサビキ仕掛けも激しく動きます。すると、その動きに誘われてほかのアジがサビキバリを追い、飛びつきます。その結果、2匹、3匹、4匹がハリに掛かります(追い食いといいます)。

小アジの数は多く、コマセを効かせるとたくさん集まってきますが、潮や時間帯によって食欲は変化します。そこで、よりたくさん釣るためには、食欲が旺盛なときに1匹でも多く釣り上げることが大切になってきます。1匹だけ釣って取り込むか、3〜5匹釣って取り込むか、どちらが効率がいいかは考えるまでもないでしょう。

●強めに引っ張ればハリは外れる

口が軟らかくて巻き取る途中で外れやすいのはアジ釣りの難しさのひとつですが、釣り人にとって有利な面もあります。ハリを外しやすいことです。一般的に、釣りバリにはカエシ(モドシ)があり、簡単には外れないようにしています。そのため、魚を外すときはひと手間もふた手間もかかります。しかし、小アジは口が軟らかいから強く引っ張るだけでハリが外れます(掛かりどころによっては外れにくい場合もあります)。

●ハリから外すのは上から順番に

(筆者撮影)仕掛けをピンと張っていれば、魚がどんなに暴れても絡むことはありません。だから、この状態を常に維持するように心がけてください。

例えば、小アジが同時に3匹掛かったとします。このとき、どの魚からハリを外せばいいと思いますか? どこでもいいというのは安易な進め方です。なぜなら、ハリに掛かった魚が暴れることによって仕掛けが絡む可能性が非常に高いからなのです。サビキ仕掛けはハリ数が多いことはすでに紹介しました。ハリの数が多いと魚が掛かりやすいのは確かですが、一方では仕掛けが絡みやすいという問題があります。そのため、サビキ釣りではいかに仕掛け絡みを防ぐかを考えなければなりません。

3匹掛かった仕掛けをそのまま堤防に下ろしたとしましょう。元気のいい小アジはハリに掛かったまま跳ね回ります。そのまま放置すれば確実に仕掛けは絡みます。それを防ぐには仕掛けを下ろさず、竿を立てたままで魚をハリから外します。一番下にはオモリを内蔵したアミカゴがありますから、仕掛けはテンションがかかってピンと張っています。その状態でアジを外しますから、上から順番にというのが最も効率的な方法なのです。

●とりあえず水汲みバケツへ

食欲が旺盛なときに1匹でも多く釣り上げると書きました。これがたくさん釣るためのコツなのですが、それについてもうひとつ追加しておきましょう。

釣れた魚を美味しく食べるには、釣り上げるとすぐに氷や保冷剤の効いたクーラーボックスに納めるのが定番です。しかし、その作業はそれなりに手間と時間を消費します。次から次に小アジが釣れる状況で処理するための手間を取られるのは、はっきりいって時間の浪費です。入れ食い状態が続くときは魚を水汲みバケツに入れ、すぐアミカゴにアミエビを詰めて仕掛けを下ろします。そうすれば、時間を無駄にすることなく次の1匹を仕留めることができるのです。

第一精工
¥134(2019/12/10 18:14:09時点 Amazon調べ-詳細)

ただし、元気のいい小アジはしばしば水汲みバケツから飛び出します。せっかく釣り上げたのに海に逃げ出しかねません。バケツに手拭き用のタオルを被せておきましょう。

●まとめ

アジを釣るのが難しくないことは理解していただけたと思います。時期と場所を間違えなければ誰でも小アジは釣れます。しかし、たくさん釣れるか、少ししか釣れないかは「腕」が大きく影響してきます。腕とは、コツ、要領と言い換えてもいいでしょう。

ここでは、アタリとアワセ、ハリの外し方などを解説しました。いずれも、釣るだけなら知らなくてもいいことです。でも、たくさん釣りたいのならぜひマスターしてほしい技術です。

次の記事はこちら>>「誰でも釣れる小アジ釣り…釣れないときにどうするか」

※写真、文章は全て筆者の制作物です。無断転載・無断転用は固くお断りします。引用の際は出典・リンクを明記ください。 -釣りメディアGyoGyo編集部