【実釣】ターゲット多彩!長崎県、北松・御厨港で釣りを楽しむ

わが国には知らないと読めない難読地名が各地にあります。この長崎県にある御厨もそのひとつなのですが、皆さんは読めましたか? 

GyoGyoくん
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御厨??えっと…おんちゅう…??答えはなんなの?

答えは「みくりや」です。
廚とは厨房(ちゅうぼう)のことですから台所を意味しています。それに御が付けば神や天皇のためのものとなり、この地がかつて神社のお供えを準備するところだったことを示しています。

全国に同じ地名の場所があり、それぞれ、読み方はみちゅう、おんちゅう、おず、ごちゅうなどさまざまにあるようです。長崎県松浦市にあるこの港は規模が大きく、魚の種類や数も多くてビギナーやミドルクラス、さらには上級者も楽しめる釣り場です。

目次

●長崎御厨港、北松エリアの特徴

長崎県は非常に広大です。壱岐・対馬から平戸、佐世保、西海、長崎市、島原、野母、さらには五島とそれぞれに異なる特徴があり、それらを的確にとらえないといい釣りができません。

御厨が所在しているのは北松(ほくしょう)エリアと呼ばれ、伊万里と平戸の間に位置しています。真北に面しているものの、沖には鷹島や的山(あずち)大島などが浮かび、北風に対してそれほど弱くはありません。それに、九州では最も人口の多い福岡に近く、長崎の釣り場の中では比較的釣り人が多いといっていいでしょう。

北松エリアで最大の都市は松浦市ですが、そこは日本一のアジの水揚げを誇っています。御厨もアジが多いところとして知られ、ファンの間でも人気があります。

●病院前の岸壁は常連に人気の釣りポイント

撮影:筆者
御厨港で一番人気があるのが病院前の岸壁です。市街地に近くて足場がよく、グレやアジに関しては
安定した釣果が望めるからです。ビギナーのみなさんが目指すならまずここでしょう。

広い御厨港は大きく3つのブロックに分けられます。新御厨港、病院前の岸壁、そして大波止です。このうちで最も人気があるのは病院前の岸壁です。範囲が広く、すぐ後ろにクルマが停められ、しかも足場がいいため一年中釣り人が絶えることはありません。

GyoGyoくん
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いい釣り場だなぁ!けど、初心者の方はどこで竿を出したらいいか、迷うことはありませんか?

そんなとき目安にするのが常連の動きです。
彼らは魚が集まっているところでしか釣りをしません。裏返すと、彼らがいないところはあまり期待できないと思っていいのです。

港の奥ですからあまり潮の動きはよくないのですが、ここではアジに次いでグレもヒットします。たまにメバルも混じります。アジは10~20㎝の小型が主ですが、沖を釣ると20㎝オーバーもヒットします。

●長崎県御厨港で、上級者好みの大波止

撮影:筆者
魚の数も型も期待できるのが大波止で、中級者以上ならまずここを目指します。
通い慣れたベテランはまず内側で竿を出しますから、実績もあるのでしょう。

御厨港を守る形で伸びているのが大波止です。沖に位置しているおかげで魚は大きく、アジもグレも30㎝クラスが望めます。チヌの実績もあります。

ただし、難点がふたつあります。ひとつは、そこに至る道路が狭く、適当な駐車スペースがないことです。行き止まり箇所に個人の駐車スペースがあり、そこは有料で(1日300円)数台停められます。先客のため満杯であればずっと手前に停めてそこから歩いていくしかありません。

もうひとつの問題は、メイン釣り場である大波止内側にはいくつも作業用のイカダが浮かんでいて、投入ミスをすると仕掛けをそれに引っ掛けてしまうのです。ですから、常連はイカダの間に釣座を占め、そこから正面沖に仕掛けを正確に投入します。アジ、グレは遠投カゴ釣りというのがここのパターンです。グレ、チヌに関しては外側でもよくヒットします。

●釣り場として徐々に人気が出てきた新御厨港

撮影:筆者
新御厨港は小浜鼻の先端にある堤防から続く岸壁が釣り場です。釣り場はそれなりに広いのですが、
市街地から少し離れているため釣り人の数は多くありません。

病院前の岸壁や大波止は古くからあり、それに対して新しく南側の埋立て地に作られたのが新御厨港です。一本の堤防と岸壁が釣り場で、ここではアジ、グレも食いますが、カマス、サゴシ、ヤズ(ブリの幼魚)などがヒットするためルアーファンに人気があります。病院前の岸壁は釣り人が多くルアー釣りが難しく、一方大波止はランガンするには不便なためこちらに回ってくるルアーファンが多いのです。エギング組ももちろんここを目指します。

病院前の岸壁同様、駐車スペースがたっぷりあるのも魅力です。それでいて、距離があるせいで自転車&徒歩組の地元勢は少なく、グレ、アジ釣りの釣り人が少ないため存分にルアー釣りが楽しめるのです。

●御厨港でいざ実釣!日中はエソ、エソ、エソ…

撮影:筆者
エソはウロコがなかなか取れず、小骨が多く、さらに中骨が左右に二列あって裁きづらいため持ち帰る人は少ないのですが、三枚に下ろしてフードプロセッサーでミンチにするとつみれとして美味しく食べられます。
かまぼこの材料としては高級な食材ですからそれも当然でしょう。

ようやく涼しくなり始めた10月初旬、新御厨港に向かいました。この時期は各地からルアーターゲットの情報が入ってきます。いってみれば多忙な時期です。あれも釣りたい、これも釣ってみたいと願うものが多く、体がいくつあっても足りないほどです。

ルアー釣り場として御厨港はそれほど有名ではありません。しかし、ハイシーズンには各種のターゲットが活発に行動し、ルアーマンを楽しませてくれます。この日、釣り場に着いたのは午後3時過ぎでした。夕マズメをメインに攻める予定だったのです。これなら日中に釣れる魚も夜中に活動する魚も狙うことができます。

岸壁にはサビキ釣りする人たちがいたので、堤防の先端でロッドを振ります。海面は凪状態でそれらしい「変化」は見られず、まずはボトムから攻めてみます。5㎝のミノーをカウントダウンして深場に送り込み、ゆっくりリーリングします。この時間帯はカマスがメインターゲットです。カマスは群れで行動しており、1匹でもヒットすれば連続してアタり、数が稼げるのですが、遭遇できなければまったく釣れません。

深場から浅場までくまなく探りましたがアタリはなく、諦めてショアジギに切り替えます。ロッドを交換して30gのメタルジグを結びます。これならかなりの遠投が効きます。ボトムまで落としてリーリングを始めた途端にヒット! 竿先にグルングルンという反応があります。

GyoGyoくん
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アチャー!案の定、上がってきたのはエソでした…!

僕は、はっきりいってこの魚は好きではありません。英語ではLizardfishと呼ばれていて、直訳すると「トカゲ魚」となります。目がトカゲそっくりで(トカゲ自体は嫌いじゃないのですが)、食べると美味しいらしいのですがまるでその気になりません。そのエソが立て続けにヒットして、僕はすっかり釣る気をなくしてしまいました。

●夕マズメからは順調にヒット!

GyoGyoくん
GyoGyoくん

太陽が沈みかけたところで、釣りを再開します!

リーダーをワイヤに変えてルアーは30gのバイブレーションに交換します。サゴシにしてもタチウオにしても歯が鋭く、フロロカーボンのリーダーでは切られる可能性が高いのです。それに、暗くなればワイヤがルアーの動きに与える悪影響を小さくできます。

リーリング開始。サゴシとは50㎝以下のサワラのことで、夏~秋によく釣れます。秋後半からはさらに大きくなり、脂がよく乗って美味しくなるのですが、釣り立てはサゴシクラスでも十分美味しいはずです。この魚は歯が鋭いのですが、小魚をつかまえるのはあまり得意な方ではありません。だから、タダ巻きではよほど活性が高くないとバイトに結びつきません。リーリングの合間にステイを入れたり、ジャークをプラスすることでバイトのチャンスを与えます。

GyoGyoくん
GyoGyoくん

とここでヒット!それほど抵抗は強くありませんが、果たして?

魚をゆっくり引き寄せます。40㎝クラスのサゴシでした。
活性が上がっているらしく、続けてヒット。今度は少し抵抗が大きく、50㎝を切るサイズでした。

次のヒットはサゴシとは異なる抵抗でした。でも、魚は大きくありません。水面に浮いた魚をライトで照らして確認します。小型のタチウオで、これはリリースしました。
その後、納竿するまで5匹のサゴシを釣り上げ、引き上げました。

●まとめ

撮影:筆者
御厨からは沖に浮かぶ鷹島や黒島、青島に向かうフェリーが就航しています。
待合所にはトイレがありますから家族連れで釣りに行っても困ることはありません。

この日はナブラに遭遇できず、ヤズにお目にかかることはできませんでした。カマスにも振られましたが、サゴシにはお目にかかれたのでよしとしましょう。

回遊魚は群れで移動しており、その位置は誰にも予測できません。時間帯や潮、天気などの条件によるパターンも分かりませんから、実際に釣り場に行ってみるしかその動きはつかめないのです。今日は魚に出会えるかどうか……回遊魚狙いには常にそういう運頼みがつきまといます。あなたも御厨港で、魚に出会えるかどうかの運試しをしてみませんか。

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