昨今では、アングラーの増加や浚渫・魚道確保による護岸工事などの影響により、ますますハイプレッシャー化するフィールド。
そんな中で生まれてきたのが、確実に1匹を手にするために繊細なアプローチで魚に近づく「ベイトフィネス」という概念。
バスフィッシングに精通する方なら、誰もが聞いたことがある言葉ではないでしょうか。
今回は、初めてベイトフィネス専用のリールを購入される方に向け、特徴や選び方のコツ、おすすめ機種をご紹介します。
気になる方は、参考までにチェックしてみてはいかがでしょうか。
ベイトフィネスという釣り方
よく耳にする「ベイトフィネス」という釣り方は、明確な決まりのある概念という訳ではないんです。しかし、昨今のタフフィールド化により、釣りづらい魚を釣るための、ある1つの「釣り方」として日々確立されつつあります。
どのような「釣り方」かというと、スピニングよりも手返しよく、効率的でパワフルに狙えるベイトリールを使って、より繊細に、フィネスにバスを誘う釣り方のこと。
太糸で軽量リグを投げることができ、投げては繰り返し回収する「マシンガンキャスト」を多用できるので、スピニングよりもはるかに効率の良い釣りを展開できるのが魅力です。
様々な軽量リグやベイトを使って狙える釣り方ですが、難しく考える必要はなく、的を絞って以下の点だけに留意しておけば、確実にバスをキャッチできるのが、ベイトフィネスの特権です。
基本はネコリグを押さえておけば大丈夫
ビギナーの方におすすめできるのは、「ネコリグ」と呼ばれる最強リグ。マス針をワームの中央付近にチョンがけし、ヘッドにネイルシンカーと呼ばれる突起上の重りを差し込んで使う一般によく釣れると知れ渡るリグです。
ネコリグの特徴は、シャローフラットからベジテーション、ストレッチまで広範囲にバスの居所を探れるのがメリット。ボトムの変化を察知できるばかりか、中層付近に浮いているバスに強烈にアピールできるんです!
初めてベイトフィネスという釣りにチャレンジする方は、是非このリグを押さえておいてください。
ただひたすらズル引くだけでいいんです!
一般によく言われるのが、「投げたらティップをチョンチョンしろ!」の法則。確かに魚の活性が低い場合やルアーの縦への動きに反応するシチュエーションでは、バスの口を使わせるのに有効な手段であることに違いありません。
しかし、まず知っておいてほしいのが、ただひたすらボトムをズル引くだけでも十分に釣れるリグであるという事。
ネコリグだからと、フックポイントをしっかり上に向け、ロッドティップをチョンチョンさせて、あえて水中を漂わせる必要はありません。
ビギナーの方がこのテクニックを使うと、ルアーが前へ前へと来てしまい、ボトムを取れずに結果、魚のバイトを取るまでには至らずじまいとなってしまうことが多々あります。
基本は、ボトムをゆっくりとズル引くだけでも十分に釣れることを頭に入れておいてください。
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障害物を乗り越えた時に大抵、食ってきます
では、一体どのような瞬間にバスがバイトしてくるのでしょうか。
結果から申しますと、ボトムをゆっくりと丁寧に巻いてきた後、何かに引っかかって障害物を乗り越えた際に急にバイトしてくることが多いです。
バスは基本、捨て石やゴミ、水中のウィードなどのストラクチャーと呼ばれる障害物に必ずと言っていいほど身を潜めています。ボトムをズル引きして何かに引っかかったら、竿先を上下してゆっくりと外してください。
外れた瞬間が大チャンスなので、アタリがなくてもすぐに巻いたりせず、いったん止めるなどしてアクションを休めると、すかさずここぞとばかりに食ってくることが多いです。
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ベイトフィネスリールの特徴
ベイトフィネスに特化したリールは、足元などのショートディスタンスにもビシバシキャストできるキャスタビリティーの良さと、バックラッシュなどのトラブルを最小限に抑えるノンストレス性能に長けています。ゆえに小型で軽量なリグやルアーでさえも、いとも簡単に投げることができ、狙ったポイントをピンポイントに撃ち抜くことを可能とするのです。
一般的なベイトリールでは、これはなかなか難しいこと。主立った点としては、以下のような特徴があります。
よく使われるラインキャパ
通常、多く使われているラインのキャパは、フロロでおおよそ8~10ポンド程度。
ロッドの硬さやどこをどのように狙うかなど釣り方にもよりますが、スナッグレスセッティングで強いフッキングパワーを必要とする場合は10ポンド。マス針セッティングで、フック剥き出しの即掛け仕様のタックルを組む場合は、8ポンド程度を目安とするといいでしょう。
スピニングでフィネスな釣りをする場合は、おおよそ4~5ポンド程度のフロロラインを使用するのに対し、BFスタイルでは、それ以上の強度のあるラインを使用できるのが特徴です。
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投げれるハードベイト・ソフトベイト
ベイトリールの機種にもよりますが、一般的なものであれば5グラム前後の軽量リグ・ルアーをストレスなく投げられるのではないでしょうか。
高性能のものなら2グラムほどのリグもズバッと快適に投げれる機種もリリースされています。
通常、ストレートワームなどは、4~5グラムくらいの重さのものが多いので、シンカーを併せれば7~8グラム、もちろんノーシンカーでも十分許容値内です。
小型のミノーやシャッドといったハードベイトでも、スピニングなしに太糸対応でカバーできてしまうほど優れたキャストフィールです。
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一般的なベイトリールとの違い
普通のベイトリールと何が違うの?という所ですが、BFに特化したものは、マグネットブレーキなどのブレーキシステム、スプールの回転性能が通常のものより優れています。
ベイトフィネスという釣りで多用するピッチングやフリッピングのキャスティングに対応できるよう、ブレーキが自動制御されたり、飛距離に応じてスプールの回転が微妙にコントロールされるように作られています。
バックラッシュの制御、ボディーの軽量化によりバイト時の感度やキャスタビリティー性能の向上、ハイギアにすることにより、撃ち物に特化した高いレスポンスを引き出すことを可能とします。
バス釣りベイトフィネスリールの選び方
ベテランアングラ―・ビギナーの方によってもそれぞれ異なると思いますが、基本的な選び方のコツ、スペックの違いなどをご紹介します。
これから購入を考えている方は、是非参考にしてみてください!
ベイトフィネスに特化した専用機
バス釣りで使うベイトフィネス専用のリールは、大きく分けて2種類。超ベイトフィネスに特化したものと、多少、バーサタイルに使えるもの。
その中でもベイトフィネスに特化した専用機というのは、平均的に3~5グラム程度の軽量リグを8~10ポンド程度のフロロラインでズバズバ投げることができます。
カバー撃ちやストレッチなどのショアライン沿いの足元を容易にピンポイントに撃ち抜けるのでおすすめ。
スプールの回転性能がずば抜けている反面、ピッチングなどのラインにたわみが出る場面では、スプールから若干浮いてしまう機種も中には存在します。
バーサタイル性能も持ち合わせた特別機
もう1つがバーサタイル性能も兼ね備えた機種。
BFSに特化していながら7~10グラム前後の小型のハードベイトもストレスなく投げれるので、オカッパリなどで多用するMLクラスのロッドと併せると重宝します。
基本的には、スプールの性能よりもブレーキ性能を重視している機種が多いように感じます。
バックラッシュしずらいメリットがある反面、キャストの伸びが思ったより制御されてしまうと感じるシーンもあるかもしれません…。
基準となるスペックと選び方
参考までに以下のスペックを基準に選ぶとよいかと思います。肝心なのは、ご自身がどんなフィールドでどのようなベイトフィネススタイルを楽しみたいかということ。
上位機種が欲しいのか、コスパ面で優れたものが良いのか…それともバーサタイルに使いたいのかなど。
気になるスペックは、多々ありますが、おおまかにざっくり例を挙げてみます….。
本体の自重
BFSタックルでバスを狙うのなら、リール本体の自重は最も気にするべきところ。撃ち物に特化するなら、できるだけ多くのキャストをし、効率よくバスを探していかなければならないので、絶対に軽いものがいいです。
現在では、140~160グラム前後で各社、熾烈な争いが繰り広げられています。
最大ドラグ力
ドラグに掛かる負荷は、機種により結構まちまちです。3~5キロ前後が平均値ではないでしょうか。
▼ドラグ力を可視化できれば、フッキング後に慌てる必要がないかも…
ギア比
超撃ちものメインに使いたい方は、ハイギアタイプの7~8前後のものを、5グラム前後のスモールプラグを駆使して巻きの釣りも楽しむのであれば、6.8前後を目安にするとよいと思います。
ギア比は、リール選びの大きな基準になってきますが、平均値は、7前後のものがおすすめです。
適合ラインと最大糸巻量
通常のベイトリールとの大きな違いとして挙げられるのが、最大糸巻量。スペック表に記載されていない機種もありますが、平均は、8ポンドフロロラインで50メートルくらいしか巻けません。
規定より巻きすぎたり、スプールに余計な負荷が掛かると、繊細に作られているシステムにトラブルが発生するのがベイトフィネスリールです。
あらかじめ50メートルくらいしか巻けないことを頭に入れつつ、いつも自分が狙っているポイントの距離を把握しておけば、おのずと選ぶリールの最大糸巻量を判別できるかと思います。
何ポンドラインで何メートルくらい飛ぶか?
これは、結構重要なポイントで、YouTubeなどの動画やインプレ記事などで詳細が確認できます。
特にバックラッシュの有無やサミングの必要性・タイミング、実際にピッチングやキャスティングでどの程度の飛距離が出るかなどブレーキの効き具合が把握できます。
いざ購入する前に、必ず実釣動画などでプレビューを確認しておくことをおすすめします。
▼試しに今使っているリールでルアーの飛距離を測ってみては?
ブレーキ性能とブレーキシステム
各メーカー・それぞれの機種により、ブレーキシステムやメカニカルシステムが異なります。
シマノのBFS機であればFTB(フィネスチューンブレーキシステム)、ダイワであれば優れたブレーキ性能を実現するエアブレーキシステムが搭載されています。
それぞれにブレーキの効き方、初速の立ち上がり、スプールの回転性能が異なりますので、どのようなシステムでどのように違うのかをあらかじめ把握しておき、使うシーンを思い浮かべながら選択するのがキモです。
より上位機種ほど使いやすく、高い性能を発揮する
上位機種になればなるほど、ハイスペックでより軽いルアーやリグを投げれるものが大半です。
中価格帯であればおおよそ3グラム程度まで、ハイエンドモデルになればそれ以下もストレスなく扱えるものがほとんど。
一般的なキャストスキルの方が、正確に狙ったポイントへズバッとルアーを送り込むには、中堅機種だとそれなりにテクニックが必要ですが、上位機種なら割とスムーズに送り込めるイメージ。
といってもある程度の経験は、必要ですけどね…。
全くの初心者の方がベイトフィネスリールを購入するのであれば、コスト面などを度外視すれば、やはりできるだけ上位機種を、ある程度のベテランアングラーであればそれなりの中堅機種でも全く問題ない、むしろ精度の高さに驚くはずというのが筆者の率直な感想です。
おすすめのBFS専用機
筆者おすすめのベイトフィネス専用機はこんな感じ。いずれもよく知られた高性能リールなので、気になる方はチェックしてみてくださいね♪
▼ダイワが誇る最先端ベイトフィネス専用機
▼ソルト仕様でバーサタイルに使いたい方はこちら!
▼自重130グラムの驚異の軽さを体感!
▼シマノ屈指のBFS海水対応モデル!
▼スプール・ボディーの軽量化が施されたアブのベイトリール
まとめ
ベイトフィネス専用機を使うメリットは、代表的なもので2つ。
1つは、スピニングでは扱いきれない太糸を用いて極繊細な軽量リグを投げられること。それに加えて、もう1つは手返しよくスピーディーに広範囲を探れること。
キャスティングの回数を増やしてバスに出会える確率が高まるのなら、それだけでベイトフィネスリールを購入する価値はあるのではないでしょうか。