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釣りをするといえば、まずイメージするのは魚を釣るという事が浮かぶのではないでしょうか。
釣りのターゲットといえばアジやサバ、イワシ、カサゴにメバル、ハマチやサゴシといった青物、クロダイにマダイなど、定番のターゲットがたくさんいます。

そんな魅力的なターゲットが多い中、夏におすすめのターゲットがタコです。

タコって釣る事が出来るの?とお思いになる方も多いかもしれませんが、タコは釣る事が出来ます。しかも、ルアーで堤防から狙う事が出来るんです。

魚釣りであればコマセを撒いたり、ルアーでアクションをさせたりと少し難しい事がありますが、タコ釣りに関しては特別なアクションは特に必要ありません。そのため、初めてタコ釣りを楽しむ初心者の方でも比較的釣果を出しやすいのが特徴的です。

今回は、そんな楽しいタコ釣りについてご紹介しますので、ぜひ初心者の方もチェックしてくださいね。

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タコはどのようにして釣るのか

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まず、タイトルにもある通り、タコをルアーで狙う事をオクトパッシングと言います。
アジをルアーで狙う事をアジング、チヌをルアーで狙う事をチニング、メバルをルアーで狙う事をメバリング、といったイメージでネーミングされています。

タコをルアーで狙う場合、魚の様に食いついて顎にフッキングさせるという様な釣り方とは異なります。
エギングのイメージを持って頂ければ分かりやすく、イカはエギに抱き着いてフックが刺さる仕組みとなっています。タコも同じで、抱き着いてきた際にフックが刺さる仕組みとなっています。
釣るというよりも、フックを引っかけて無理矢理陸に引き上げるといったイメージを持つと分かりやすいですね。

ルアーはタコジグと呼ばれるものや、タコ用のエギを使ってタコを狙っていきますが、初心者の方はタコジグを使う事をおすすめします。

タックルや狙い方については以下からご紹介していきますので、ぜひチェックしてくださいね。

オクトパッシングにおすすめのタックル

タコ釣り入門 ロッド&リールセット 「タコVX2 180 & タコ専DX TSD4000 PEライン8号50m付き」
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オクトパッシングはキャストをする方法と岸壁を探る方法がありますが、キャストする方法は根掛かりとの戦いになる事も多いので、基本的には岸壁を探る方法で十分です。

タコ用のタックルは基本的に硬いロッドに太いPEラインが必要となり、ジギングロッドなどと比べてもパワーの差が非常に大きいです。

なぜ強靭なパワーが必要なのかと言うと、タコは岸壁に張り付いている事が多いので、無理矢理引き剥がして釣り上げる必要があるからです。

そのため、ロッドはタコ用の硬くて短いロッド、リールはベイトリール(両軸リール)、ラインはPEラインの4~10号を30mも巻いてあれば必要十分ですが、ライントラブルがあった際に備えてもう少し巻いておいても問題ありません。

ベイトリールに関してですが、タコ釣りではリールに対して負荷が非常に大きいためバス釣りやベイトフィネスなどで使用するベイトリールはおすすめ出来ません。

自宅にあるもので代用するというのであれば、せめてオフショアジギングで使用する様なベイトジギングリールが良いでしょう。

筆者は上記の商品リンクにもあるロッドとリールがセットで売られている安価なタコタックルを使用していますが、壊れる気配もなくパワーもあるので、初心者の方にはぜひとも使って頂きたいです。PEラインも巻いてある状態で購入出来るので、コストパフォーマンスは抜群ですよ。

一つ注意点として、タコタックルは非常にパワーがありますが、無茶な使い方をしても折れないというわけではありません。

岸壁でのオクトパッシングは、岸壁の貝類に引っ掛かったり海藻に引っ掛かったり、ゴミに引っ掛かったりと根掛かり要素に満ち溢れた釣りとなっています。そのため、頻繁に根掛かりをしてしまいますが、ロッドで力任せに引っ張って外そうとすると変な力の入り方になってしまえばロッドは簡単に折れてしまいます。

「パワーがあるから無茶出来る」という様な考え方にはならない様に、注意してくださいね。

オクトパッシングでおすすめのルアー

オクトパッシングでおすすめのルアーはタコジグという、見た目がタコの様な形をしたルアーとなっています。タコの足の部分にフックが装着されており、そのフックをタコに引っかけてタコを釣り上げるという仕組みとなっています。

タコジグには様々なカラーがありますが、基本的には赤やピンクなどのカラーを揃えておけば問題ありません。

タコジグは基本的に1つを使ってタコを探っていきますが、タコジグが3つ連結されている様なものまで販売されています。

タコジグの扱いに慣れるまではタコジグ1つを使って狙っていく事がおすすめですが、慣れてきたらタコジグが3つ連結されているものを使う方が非常に効率が良いです。

根掛かりやすくなるリスクは増えてしまいますが、ランガンを基本とするオクトパッシングでは探る効率をいかに上げるかが重要となるので、慣れてきたらぜひ3連仕掛けのタコジグを使ってみてくださいね。

タコジグを使ってタコを狙う方法

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タコジグを使ってタコを狙う際には、多少なりともアクションが必要となります。しかし、アクションが必要といってもショアジギングの様なワンピッチジャークや、トゥイッチといった難しいアクションは一切必要ありません。

タコジグを使ってタコを狙う際に一つだけ覚えて頂きたいアクションが、タコジグを揺らす事です。タコジグを小刻みに揺らすと、タコジグの足の部分がゆらゆらと揺れてタコに誘いを掛けてくれます。
タコジグの動きが気になってタコが抱き着いてくれば、根掛かりしたのかな?という様なずしっとした重みがロッドに乗るので、後は一気に合わせを入れて抜き上げるだけです。

タコジグを揺らす際は、大きなストロークで揺らすというよりも小刻みにぶるぶるぶるぶるというイメージで揺らしてあげる事がおすすめです。

小刻みに揺らしたら5~10秒ほど動きをストップさせて、タコが抱き着いてくるのを待ちます。
それでもアタリがなければ、別のタナを探っていくという流れがオクトパッシングの一連の動作となります。

タコを探る際は、上から少しずつ探っていく方法と下から探ってくる方法がありますが、基本的にはボトムまでタコジグを沈めて、そこから上に向かって探っていくという方法で問題ありません。先にボトムを把握しておく方が根掛かりのリスクも減るので、初心者の方は下から上に向かって探っていく事をおすすめします。

上から探る際はゆっくりとタコジグを落としていく事が効果的で、ボトムに着底していないのにタコジグが落ちていかないという様な事になると、タコが抱き着いている可能性があります。その際も一気に合わせを入れて、岸壁からタコを引き剥がしてあげましょう。

慣れない間はタコだと思って合わせを入れて引き上げてみると、ただの貝だったり海藻だったり、はたまたゴミだったりする事もありますが、諦めずにタコを探してみてくださいね。

タコはどんな所で狙えばいいのか

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タコジグを使って岸壁を狙う事は分かったけど、どんな所でタコを狙えばいいのかと疑問に思う方もいらっしゃいますよね。

タコは基本的に堤防や漁港であればどこでも狙う事が出来ますが、地域によっては異なってくる事も多いので注意が必要です。

タコを狙う際はタコがどこで釣れているのかを釣果情報で探してみる事が最もおすすめで、タコが確実にいるポイントで狙う事が出来る様になります。
釣果情報はよく分からないという様な方は、釣具店でタコジグなどを購入する際に店員の方に聞けば釣れる場所を教えて頂けるので、ぜひ聞いてみてください。

タコを狙う際の場所で、あまりおすすめ出来ないのがあまりにも根掛かりが頻発する様な場所です。根掛かりしやすいという事は魚やタコの隠れ家となる場所が多いという事にもなるので、釣果を出しやすいとお思いになるかもしれませんが、そもそも根掛かりが頻発してタコジグをロストしてしまう様な環境では釣りにはならないので、タコジグを使う場合は根掛かりしにくい場所がベターです。

筆者も一度、根掛かりしやすい場所でタコを狙ってみた事がありますが、わりと多めに買い込んだタコジグが1時間で全て根掛かりで無くしてしまい、泣く泣く帰宅した事があります。タコジグは激安で買えるというわけではないので、極力無くさない様に気を付けましょう。

オクトパッシングをしているとたまに釣れる外道

オクトパッシングをしていると、低確率ではありますが魚が釣れる事が稀にあります。

岸壁はタコだけでなく魚が潜んでいる場所にもなるので、タコジグを引き上げている時やシェイクしている時にフックが刺さっている事があります。

こんな魚が釣れるという様なデータは少ないですが、筆者は過去にカサゴ、アナハゼ、を釣った経験があります。クロダイにフックが引っ掛かって釣れれば嬉しいなとも思いますが、そう簡単にはいかない様です。

カサゴやアナハゼなどは小型である場合、リリースされる方が多いと思いますが、タコジグのフックが貫通してしまっている場合はリリースしてもその後生きていく事が難しいです。食べられる部分は少ないかもしれませんが、小さなサイズでも一つの命なので、感謝の気持ちを持って食べる様にしましょう。

筆者はカサゴとアナハゼは食べられる部分が非常に少なかったので、味噌汁の出汁として一緒に煮込んでみましたが、非常に美味しい出汁が出て美味しい味噌汁が完成しました。
ぜひ皆さんも、せっかくの命を無駄にせずに感謝の気持ちを持って食べてみてくださいね。

オクトパッシングをする際の注意点

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ここまで、オクトパッシングを楽しむための方法についてご紹介してきましたが、オクトパッシングをする際にはいくつか注意して頂きたい事があります。

注意すべき事が分かっていれば安全に楽しくオクトパッシングを楽しむ事が出来るので、釣る方法だけではなく注意点についてもチェックしてくださいね。

岸壁を探る専用のベイトリールでキャスティングはしない

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オクトパッシングのタックルは主に2種類あり、岸壁を探る専用のタックルとタコエギなどをキャストするタックルです。

ここまでご紹介してきたのが岸壁を探るタックルですが、岸壁を探るタックルでキャスティングは基本的に出来ません。

ベイトリールでキャスティングが出来るのは、スプールの回転を遠心力ブレーキやマグネットブレーキといったブレーキシステムで抑える事が出来るからです。

しかし、岸壁を探るためのベイトリールではブレーキシステムが搭載されていません。そんなブレーキシステムが搭載されていないベイトリールでキャスティングしてしまうと、恐ろしいほどのバックラッシュを起こしてしまい、ラインがぐちゃぐちゃになる事必至です。

そもそも、上手くバックラッシュせずにキャスト出来たとしても飛距離はスズメの涙ほどなので、キャストする価値はないといってもいいでしょう。

変な所にタコジグが飛んでいくと危険にも繋がるので、岸壁を探るタコタックルでは絶対にキャストをしない様にしましょう。

ランガンする際には他の釣り人の邪魔にならない様にしよう

タコジグを使ってタコを狙っていく場合は、ランガンが必ず必要となってきます。タコジグでは岸壁の真下しか狙う事が出来ないため、どうしても探る場所が限りなく狭まってしまいます。
そのためランガンが必要となるのですが、堤防や漁港では他の釣り人もいるため邪魔にならない様にする事が求められます。

邪魔にならない様にするには他の釣り人の近くに行かないようにするだけでいいのですが、他の釣り人が荷物を置いている様な所も近付かない様にするのが得策です。

この注意点に関してはほとんどの方が自ら意識して気を付けられる事ではありますが、筆者は過去にタコ釣りをしている他の釣り人が、釣りをしている筆者のすぐ真横にまで来た事がある経験があるので、気を付けて頂きたいポイントです。

何としても釣りたいという気持ちも分かりますが、堤防や漁港はみんなで楽しむための場所でもあるので、マナーを守ってオクトパッシングを楽しみましょう。

係留ロープの近くではオクトパッシングはやめておこう

漁港で釣りをしていると、漁師さんが使用する船が係留ロープで結ばれている事が多いですよね。

そんな係留ロープの近くでオクトパッシングをして、万が一タコジグが係留ロープに引っ掛かってしまうとタコジグをロストしてしまう恐れがあるだけでなく、係留ロープを痛めてしまう恐れがあります。係留ロープは漁師さんにとって財産でもあるので、そんな財産を痛められたら漁師さんからすればたまったものではありません。

そのため、係留ロープがある様な場所ではオクトパッシングをしない様にしましょう。もちろん、オクトパッシングだけでなく他の釣法に関しても同様です。
マナーの悪い行動を繰り返していると、せっかく釣りが出来る漁港であっても釣り禁止になってしまう事もあるので、釣り人みんなでマナーを守っていく事が大切です。

漁港は本来、漁師さんにとっての仕事場となる場所なので、仕事スペースを借りて釣りをさせてもらっているという気持ちを持つ事が大切です。

漁師さんの迷惑にならない様に、マナーを守ってオクトパッシングを楽しみましょう。

タコはきちんと締めてクーラーボックスに入れよう

最後に注意して頂きたいポイントとしてお伝えしたいのが、タコをきちんと締めるという事についてです。

サビキ釣りなどで釣れる小アジやサバ、イワシなどは、きちんと締めなくても氷の中に入れておけば問題ない事が多いですが、タコに関してはきちんと締めておけないと脱走する恐れがあります。

クーラーボックスの中から逃げるという事ではありませんが、氷に直に当たらない様に生きたままジップロックに入れたとしても、タコはジップロックを自力でこじ開けて脱走する事が出来ます。
筆者もそんな事を知らずにタコを生きたままジップロックに入れてクーラーボックスに入れていましたが、ジップロックから脱走してクーラーボックスの中をうねうねと動き回っていました。
そうなるとクーラーボックスの中は汚れてしまいますし、タコもどんどん弱って鮮度が悪くなってしまいます。

それ以来筆者はタコをきちんと締めた上でジップロックなどに入れる様にし、鮮度を保つ様にしています。それに、素早く締めてあげないとタコにとって苦しみを与えてしまうだけなので、かわいそうになってしまいます。

筆者も反省していますが、本記事を読んで頂いた皆さんもタコを釣った際は必ずきちんと締めてあげてくださいね。

タコを締める際は、イカを締める際に使用する様なピックなどを使ってタコの眉間を刺してあげれば締める事が出来ます。慣れるまではなかなか締める事が出来ないので、頑張って練習してみてくださいね。

筆者もいまだにタコを締めるのは苦手ですが、タコの頭をひっくり返すという簡単な方法もあるので、ピックがない場合などにはぜひ試してみてくださいね。

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オクトパッシングで美味しいタコを釣り上げよう

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ルアーフィッシングでも変わり種であるオクトパッシングについてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。魚とは違って豪快な釣りになるオクトパッシングは、初心者の方でも簡単にチャレンジする事が出来るので、この夏にぜひとも楽しんで頂きたい釣法です。

オクトパッシングの魅力は、何といっても鮮度抜群のタコを食べられる事だと筆者は強く感じています。タコを釣ったらタコ刺しにしてもいいですし、茹でてポン酢で食べるのも美味しいですよね。
筆者はタコ焼きを作るのが好きなので、タコ焼きの具材としても食べるのもおすすめです。

簡単に狙えて新鮮な美味しいタコを食べられるオクトパッシングを、ぜひ楽しんでくださいね。

夏のランガンは猛暑となり、熱中症の危険も高まってくるので適度な休憩と水分補給は必ず行いましょう。

本記事を読んで頂いた皆様が、美味しいタコを釣り上げて頂ければ嬉しく思います。安全に楽しくオクトパッシングを楽しんでください。

釣りをする際はライフジャケットの着用を徹底し、安全な状態で釣りを楽しんでくださいね。