ウキ釣り、ルアー釣り、エギング…すべてAクラス 加部島・藻島の波止

呼子沖に浮かぶ加部島と波戸岬との間には大きな三本の波止があります。波戸新波止、沖波止、そして藻島の波止です。この大きな三本の波止で弁天の瀬戸(加部島と呼子港との瀬戸)の西側をカバーしているのです。いずれも大きくて水深があり、潮の動きもよくてさまざまな魚が釣れます。青物も回遊してきます。堤防としてはAクラスの釣り場といっていいでしょう。沖波止は渡船を利用しないと渡ることはできませんが、波戸新波止と、これから紹介する藻島の波止は歩いて行くことが可能です。あなたはなにを釣ってみたいですか?

目次

●藻島の波止までは歩いて15分ほど

撮影:著者
藻島までのルートは途中まではアスファルト舗装路ですが、
分岐点からは完全な山道になりますからキャリーは使えません。

呼子大橋を渡って左に進路を取ります。道路は呼子大橋の下をくぐり、やがて行き止まり地点に至ります。そこが二軒屋というところで、小さな波止が1本あります(ここでも魚は釣れます)。クルマを有料駐車場に停めて準備にかかります。これから山を越えますので、荷物は最小限にとどめます。春は大型のアオリイカが出るのですが、今は9月。コロッケサイズは相手にしたくないので、この日はショアジギで攻めるつもりです。これなら荷物は最少限ですみます。山道と階段だからキャリーは使えないのです。

撮影:著者
呼子大橋を渡って左方向に向かうとこの二軒屋で行き止まりです。クルマはここの有料駐車場に
停め、正面に見える民家の右脇を抜けると藻島に至ります。

民家の脇を通り抜け、ゆっくりと登り坂を進みます。やがて分岐から左に分かれ、今度は階段を下っていきます。当然、帰るときはこの階段を登らなければならないのですから覚悟しておいてください。

海岸に出ました。藻島との間は低く、満潮前後は水没するのですが、幸い今は潮が引いていて、足を濡らさずに藻島に渡ることができました。ここまで約15分の道のりです。二軒屋から渡船を利用すれば10分もせずに到着しますが、時間を気にせず経費を節約して釣行することも可能なのです。

●波止は大きく、長く、水深は十分

撮影:著者
加部島と藻島との間の干潮時の状態です。満潮になると水没しますから、潮汐を計算して干潮で
渡って干潮で戻るというパターンになります。橋脚の跡らしきものがあるのを見ると、
かつては橋が架かっていたのでしょうか。

冒頭で触れたように、藻島の波止、沖波止、波戸新波止はいずれも水深があり、潮の動きもいいためさまざまな魚が釣れます。夜釣りではマダイやイサキも出るのでずいぶん迷いましたが、ボクは青物に絞りました。ショアジギで攻めるつもりです。

出典:著者

波止に上がります。アジ釣りの先客がふたりいますが、平日のせいか他に釣り人はいません。とりあえず先端に向かいます。波戸新波止もそうですが、この波止もところどころ穴があり、転落防止のため柵を設けています。アジの型はよく、20㎝前後はあります。泳がせ釣りのエサにするには大きすぎます。

先端に到着しました。目の前には沖波止が浮かんでいます。釣り人は誰もいません。青物はまだ回ってこないのかな? 少し心配になってきました。

●スタートはエソ、エソ、エソ

撮影:著者
藻島の磯ではチヌ、メバルなどがヒットします。波止よりもチヌは釣りやすいでしょう。

ジギングを始めます。遠投してボトムまで落とし、ジャーク。一発でヒットしました。ン? これはもしかして……。案の定、エソでした。次もエソ。そして、またエソ。エソのオンパレードです。ルアーがあまり入っていない釣り場では往々にしてこんなことがよくあります。逆にいえば、あまりスレていない証拠かもしれません。

休憩してコーヒーを飲んでいると、沖の方にナブラを発見しました。思わず立ち上がってその行方に注目します。ナブラは右手に移動しています。そして、少しずつ近づいてきてもいます。ジグが届く位置まで近づくのを待ってキャスト! 気が逸ったせいでまだジグは届きませんでした。自分で落ち着かせて観察を続けます。ようやく守備範囲に到達しました。再びキャスト! ゴツンとアタったのですが、惜しくも空振り。キャストをやり直します。その間にもナブラはどんどん右方へ移動していますから、のんびり構えているとジグが届かなくなります。

ナブラの十分沖に投入してリーリング。ほとんどタダ巻きなのにバイトしてきました。ところがまたフッキングせず。もしかして、捕食がヘタな魚なのかな……。

今度はジャークしたあと、ステイしてみました。狙い的中! しっかりフッキングさせて巻き取りにかかります。魚は50㎝クラスのサゴシ(小型のサワラ)でした。足元まで引き寄せてましたが、ここは足場が高く、簡単にはランディングできません。仲間がいれば掬ってくれるところですが、ひとりではかなり困難です。何度かチャレンジしましたが、諦めて藻島まで引っ張っていくことにしました。距離は150mほどです。少しずつ移動してようやく藻島に辿りつきました。魚が大きいと嬉しいのは嬉しいのですが、こんなときは厄介です。しかも、帰りの登り坂を考えると……。

●沖波止ではヒラマサ、アラも

撮影:著者
足場が少々高い点は気になりますが、波止は足場がよく、釣りやすいといえます。
ただし、穴には注意してください。

ここまで読んでいただいておわかりいただけたかと思いますが、この藻島の波止は通常の堤防とは釣れる魚がひと味もふた味も違います。前述しましたが、夜釣りでは50㎝クラスのマダイに30㎝オーバーのイサキもアタります。イサキが釣れる堤防というのは全国的にも例は少ないと思います。さらに、すぐ先に浮かんでいる沖波止ではアラ(クエ)も上がっています。

藻島では大型のヒラマサやシイラもヒットしますから、秋の青物釣りで使用するタックルはかなりのヘビークラスです。通常のライト〜ミディアム級ではまずランディングに持ち込めません。ロッドはヘビー(H)、エクストラヘビー(XH)はほしいところです。必然的にラインはPE2号、リーダーはフロロカーボンの30LBになります。ルアーはジグだけではなく、トップウォータープラグも揃えておくとより楽しめます。

●まとめ

藻島の波止ではいろいろな釣りが楽しめます。どんな釣りを紹介しようか迷った末、スリリングなショアジギのレポートをお届けしました。大型のアオリも期待できますし、他の釣りでも面白い記事になったと思います。それだけ魅力的な釣り場なのは間違いありません。これを読んでいるみなさん、ぜひ藻島の波止に釣行してみてください。くれぐれも穴には注意して……。

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