浅場ながらシーバス、キス、ハゼが豊富 唐津・玉島川河口

皆さんはサケという魚が、国内ではどこに住んでいるか知っていますか? 北海道にしかいないと思っている人が多いかもしれませんが、実は九州地方にもサケはいるのです。福岡県の遠賀川ではたまに捕獲され、話題になることはあります。さらには、佐賀県でも生息が確認されています。それが、これから紹介する玉島川なのです。

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●二級河川だがアユも遡上する川

玉島川は唐津市の西方、福岡県との県境に近いところへ流れ込んでいます。河口でも幅は狭く、干潮時には大半が干上がるためここで魚が釣れることを知らない人がたくさんいます。しかし、この川は上流にダムがなく、天然アユが遡上するのです。神功皇后が三韓征伐をするに当たり、この川でアユを釣って戦況を占ったという故事もあるほどなのです。それに加えて冒頭で紹介したようにサケもいて、毎年30,000尾の稚魚を放流しています。2018年月には73㎝、3㎏のサケが捕獲され、新聞でテレビで大々的に報道されました。

もちろん、この川で釣れるのはアユやサケだけではありません(川でサケを釣るのは日本全国で禁止されています)。投げ釣りではシロギスやハゼ、そしてルアーではマルスズキやサワラがヒットします。ウキ釣り、サビキ釣りでは多くを期待できないため人気はあまり高くないのですが、シロギスは遠投する必要がなく、7〜10月の満潮前後にはチョイ投げでアタりますから、ファミリーでも十分楽しめます。

●竿出しスポットは五か所

エリアとしては狭いのですが、玉島川河口には竿出しスポットが五か所もあります。ただし、それぞれの収容人員は少なく、釣りタイムは満ち込みから満潮前後という制限があります。したがって、決められた人数が短時間だけ楽しむ釣り場だということを知っておいてください。以下、それぞれの竿出しスポットを簡単に紹介しましょう。

導流堤

撮影:著者
コンクリートで足場がよく、シロギス釣りやルアー釣りにはここが一番です。
ただし、狭いので竿出しは2、3人に限られます。

足場がよく、沖に面していて、河口の中では一番釣り場らしいところです。シロギスの投げ釣り、スズキやサワラのルアー釣りが楽しめます。ただ、釣りができるのは2人まで、せいぜい3人までです。

敷石

撮影:著者
駐車スペースから導流堤に行く途中にあります。流心が近いので、
満潮に向かうときはここから竿を出すとハゼがよく釣れます。

導流堤の手前の川に面した部分で、ここはハゼ釣り場です。スズキもヒットします。導流堤よりはたくさんの釣り人が竿出しできます。

砂浜

撮影:著者
河口南側には広い砂浜が展開しています。シロギス釣りをするには広く探れますから、
身軽なスタイルでどんどん移動していきましょう。

有名な観光地である虹の松原に面した砂浜です。広く探ることができますから、シロギスの投げ釣りには打ってつけです。

玉島漁港

撮影:著者
国道202号が走る玉島橋は橋脚周りがスズキのベストポイントです。
ここは絶対見逃さないようにしてください。

ここにも堤防があり、玉島橋の橋脚周りでスズキを狙うにはここに足場を取ると絶好です。

ウェーディングエリア

撮影:著者
河口北側は浅いのですが、夜の満潮時はスズキが回遊してきます。障害物が少ないので転倒する
怖れは少なく、入門には打ってつけです。ただ、エイには注意してください。

河口北側には干潮になると干上がる浅場があります。潮が満ちるとここに立ち込み、流心を攻めるとスズキがヒットします。

●ウェーディングエリアでマルスズキゲット

玉島川のスズキは主にアユやハゼ、イナッコ(ボラの幼魚)を捕食しています。そのため、稚アユが遡上する春、およびハゼや落ちアユが増える秋が好機になります。

その秋、夜の満潮に合わせて釣り仲間と玉島川へ。河口北岸の駐車スペースに停めてウェーダーを身に着け、川中に踏み出します。この一帯は急な深みはなく、障害物も少なく、夜のウェーディングには好適ですからビギナーにはお勧めのエリアです。


ただし、唯一厄介な存在がいます。エイです。彼らは砂の中に身を潜めていますから、うっかりすると踏みつけてしまうのです。エイの尾の付け根には毒トゲがあり、これを踏みつけると強烈な痛みに襲われます。
トゲに刺されなくても踏みつけられたエイはいきなり泳ぎ始めますから、それに驚いて転倒するとかなりヤバい状態に陥ります。ウェーダーの中に水が入るとなかなか立ち直れません。

慎重に足を進めて、腰まで立ち込んだところでキャストを開始します。水深がないので、ルアーはフローティングタイプがメインになります。しかし、まだ魚の活性が上がってないのか、水面まで浮いてくる気配はありません.カラーや泳ぎ方をさまざまに替えてみましたが、状況は変わりません。
とうとう諦めて伝家の宝刀であるワームを取り出します。少し大げさな言い方ですが、ワームのおかげでこれまで何度救われたかわからないのです。

気を取り直してキャストを再開します。浮いてこないのなら底近くを泳いでいるはずだと推測して一旦底まで沈め、そこからゆっくりとリーリングを開始します。二投目、三投目、反応なし。
そして四投目、ガツン!ヒット!軟らかめのロッドを使っていたこともあり、グイグイ絞り込まれます。

慌てずに時間をかけて浮かせ、ランディング。70㎝クラスのマルスズキでした。優しくフックを外し、リリースします。今日は楽しませてくれてありがとう。

●まとめ

すでに納得していただけたように玉島川河口は釣り場としての規模は小さく、しかも水深がないため満潮前後しか期待できません。魚種も限られています。釣り場としてのランクは高くはありません。

とはいえ、シロギスはチョイ投げでもそこそこ数が楽しめますし、いうまでもなくハゼはビギナーでも釣りやすい魚です。さすがにウェーディングはビギナーにはおすめできませんが、これから本格的にマルスズキ釣りを始めたいという人にはぜひチャレンジしてほしいと思います。

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