毒を持つ魚ではフグが有名で、その毒は時として命をおびやかすほどの猛毒です。もちろん、間違えて食べないよう注意する必要がありますが、実は気を付けなければならないのはフグだけではありません。違った種類の毒を持つとても危険な魚が存在します。

今回は、魚が持つ毒の種類とその危険性についてご紹介します。

魚が持つ毒の種類

魚が持つ毒には種類があります。ここでは、毒性が強く目にする機会が多い「テトロドトキシン」「シガトキシン」「パリトキシン」の3種類をご紹介します。

テトロドトキシン

テトロドトキシンはフグが持っていることで有名な毒です。最初から毒を持っているわけではなく、水中に存在する細菌の毒が貝類やヒトデなどの体内で濃縮され(生物濃縮)、それらをフグが食べることで毒を持つことが知られています。

テトロドトキシンの危険がある魚

テトロドトキシンはフグ類の多くが持っています。卵巣や肝臓などの内臓は特に危険です。フグ以外ではスベスベマンジュウガニやヒョウモンダコが保有しており、ヒョウモンダコの場合は噛まれることで体内に毒が入ります。

テトロドトキシンの症状

テトロドトキシンは神経毒で、体内に入ると麻痺を引き起こし、最初は手足がしびれ、次第に全身が麻痺します。症状が進行すると呼吸困難になり、死に至ることもあります。

対処法

テトロドトキシンのおそろしいところは対処法がない点です。解毒薬がなく処置もできないため、自然に分解、排出される他ありません。加熱しても毒性はなくならないので要注意です。

シガトキシン

シガトキシンはシガテラ毒とも呼ばれる藻類(渦鞭毛藻)が生産する毒です。植物性の餌を好む魚類が藻類を食べ、最終的に動物性の餌を好んで捕食する魚に蓄積します。

シガトキシンの危険がある魚

シガトキシンはバラハタやバラフエダイなど南方の魚に見られることが多いです。他にもドクウツボやオニカマス、身近な魚ではイシガキダイやヒラマサが保有していることもあります。

シガトキシンの症状

シガトキシンは神経毒の一種です。軽度であれば腹痛や嘔吐、下痢などの症状が現れます。症状が重くなると麻痺したり、血圧が低下したりなどの異常がみられることも。なかでも特徴的な症状は温度感覚異常です。ドライアイス・センセーションとも呼ばれ、冷たいものに触れると刺激や痛みを感じるようになります。

対処法

シガトキシンによる中毒は重篤化したり、死に至ることは稀ですが、一度発症すると効果的な対処法はありません。さらに、症状が重い場合は回復までに数カ月から数年を要することも。

また、加熱しても毒素が消えないので注意が必要です。

パリトキシン

パリトキシンは藻類が産生する毒素でイワスナギンチャクに蓄積され、それを捕食する魚類に濃縮していきます。おそろしいことに毒性はテトロドトキシンよりも強く、自然由来の毒のなかでも非常に強力です

パリトキシンの危険がある魚

パリトキシンはイワスナギンチャクを餌とするアオブダイやブダイが保有している場合があります。他にもハコフグ、ソウシハギなどに見られることもあるため、これらの魚が釣れたら注意しましょう。

シガトキシンの症状

シガトキシンによる中毒の特徴は強烈な筋肉痛です。他にも麻痺や呼吸困難などの症状も現れます。重篤化するとショック症状を引き起こしたり、腎機能が破壊されたりなど、命に関わることもあります。

対処法

シガトキシンによる中毒の明確な対処法はなく、重症の場合は死に至ることもあります。テトロドトキシン、パリトキシンと同様に加熱しても無毒化できないので、毒を保有している魚を避ける他ありません。

まとめ:魚が持つ毒の種類についてご紹介

魚が保有する毒の中には命に関わるものもあります。釣れたからといって食べてしまうと、おそろしいことになってしまうことも。

また、加熱しても消えない毒もあるので、「火を通せば大丈夫」という考えも危険といえます。そのような事態を避けるためにも、毒を保有している魚や毒の性質、症状について知ることは大切です。

危険を避け釣りを末永く楽しむためにも、釣り人の方は念頭に置いていただければ幸いです。