ホンモロコは琵琶湖に生息する淡水魚で、味が良いことで評判の魚です。旬の時期になると琵琶湖沿いにズラッと釣竿が並び、ホンモロコ釣りに精を出す人でにぎわいます。
釣り味はとても繊細で強い引きを楽しむ類のものではありません。しかし、きらめきながら上がってくる魚体は綺麗で大物とは違った充実感を味わうことができます。なにより、帰ってからのホンモロコ料理を想像すると笑みがこぼれてしまいます。
今回は、美味しい淡水魚であるホンモロコの特徴や生態とおすすめの調理法をご紹介します。
1ホンモロコとは
ホンモロコはコイ科タモロコ属に属す淡水魚で、10cm前後の個体が多く、大きいものでは15cmほどに成長します。コイ科魚類の中でも特に食味が良いことから、養殖も盛んに行われています。
ホンモロコの生態や生息地
ホンモロコは琵琶湖の固有種です。その食味の良さから関東や北陸など、国内の一部の湖に移植されています。普段は湖のやや深い場所を泳いでおり、繁殖期になると浅い湖岸や水路へ入って産卵します。
口が小さいため、小型の甲殻類や水生昆虫、動物プランクトンを捕食します。
1ホンモロコ釣りでにぎわう琵琶湖
ハイシーズンを迎えると多くの人でにぎわう琵琶湖のホンモロコ釣り。エサを使ったウキ釣りやサビキ釣りが一般的で、数釣りも可能です。
しかし、釣りの対象魚というだけでなく重要な水産資源でもあるため、一部のエリアでは産卵期の釣りが禁止されています。足を運ぶ際は釣りが可能な場所かどうかよく確認してから、竿を出しましょう。
ホンモロコの味について
ホンモロコは食味が良いことで有名です。淡泊かつ上品でクセのない味をしており、和食でよく用いられます。骨が柔らかいため、大きなものでも丸ごと食べられるのは嬉しいですね。
特に卵を持っている“子持ち”のホンモロコは味にくわえて、プチプチとした食感も相まってまさに絶品。
その味はさまざまなところで高く評価されていて、京都の料亭では高級魚として一線を画す存在となっています。また、取り扱うお店が多くないこともあって、遠方から足を運ぶ人も珍しくありません。
旬の時期は?
ホンモロコの旬は春先です。この時期は産卵前なので、卵を抱えています。身の上品なうま味と、それとはまた一風変わったコクのあるうま味を持つ卵とその食感は一度食べたら忘れられません。正真正銘“春の味覚”と呼べる代物です。
1ホンモロコ、おすすめの調理法3選!
ホンモロコが釣れたら是非、おすすめしたい調理法をご紹介します。スーパーに並ぶことが少ない魚なので、新鮮なホンモロコは釣り人の特権とも言えます。また、「魚の調理が苦手」という人向けに“手間いらず”な調理法もあるので、挑戦してみてください。
素焼き
新鮮なホンモロコが手に入ったら是非、挑戦していただきたい調理法が素焼きです。ホンモロコ料理としては一般的で、洗ったホンモロコの水気を取り、オーブンやガスコンロで焼きます。七輪で焼くとより一層美味しくいただけます。しっかりとしたうま味とホクホクとした食感が相まった、ホンモロコならではの味が楽しめる逸品です。
南蛮漬け
ホンモロコは南蛮漬けとも相性が良い魚です。もとから骨の柔らかい魚ですが、お酢が働いてより一層食べやすくなります。骨を気にしがちな子どもにもおすすめな調理法です。酸味が利いて、とてもさっぱり食べられるので、ついつい箸が進んでしまいます。
甘露煮
ホンモロコは甘露煮も有名です。甘辛い味付けと淡泊なホンモロコの味がよく馴染み、ご飯のお供、お酒のあてにもピッタリです。
春の風物詩、ホンモロコを求めて琵琶湖へ!
ホンモロコはあまり見かけない魚ではありますが、知る人ぞ知る味覚として多くの人の舌をうならせます。高級魚として扱われると聞いて、味が気になってしまう人もいるのではないでしょうか。
もうすぐホンモロコのベストシーズンである春になります。今のうちに準備をして、開幕に備えましょう。そして、春の味覚を存分に味わってみてください。