真冬にアナゴやキスが期待! 佐賀・唐津……東唐津漁港

みなさんはアナゴがいつ釣れるかご存じですか? ほとんどのガイドブックには夏と書かれているし、ベテランの多くもそう信じています。ところが、アナゴは冬でも釣れるのです。もちろん、最盛期ではありませんから数は期待できませんし、釣り場も限られます。反面、良型が多く、脂が乗っていて、夏のあっさりした味とは異なる味わいを楽しめます。その冬アナゴが釣れるのが、これから紹介する東唐津漁港です。

目次

●唐津市内を流れる松浦川

松浦川の反対側には唐津城がたたずんでいます。夜はライトアップされて非常に美しく、
アタリのない時間帯を慰めてくれます。

唐津市民にとって松浦川は大きな存在です。河口には唐津城があり、河口の東西には虹の松原が広がっています。東唐津漁港は河口の東側にあり、季節に応じてクロダイやスズキ、シロギス、マゴチ、ハゼ、アジなどが釣れます。

以前、近くにある火力発電所が稼働していた時代は温かい排水が流れ出し、冬でも各種の魚が釣れていました。しかし、玄海原子力発電所ができてから火力発電所はお役ご免になり、冬季は他の釣り場同様水温が下がるようになっています。

しかし、そのような状況でありながら、冬でもアナゴは期待できます。1月いっぱいはシロギスもヒットします。クロダイもアタります。水温が高い時期と違って冬は大きなメリットがあります。エサ盗りが少ないという点です。ハリに刺したエサはなかなかなくなりませんから、夏〜秋ほど頻繁にエサを交換する必要はないのです。それにともなって、準備するエサは少なくてよく、その分経費は安くなります。

●釣り方はチョイ投げが主体

出典:著者

アナゴという魚は砂や泥に潜っていて、夜になるとそこから抜け出し、エサを求めて泳ぎ回ります。常食としているのはムシ類や小魚、その他の小動物です。そこで、エサとしてムシ、またはキビナゴ、イワシを使います。釣り方は投げ釣りです。アナゴは海底を泳ぎ回っていますから、エサを中層で流しても目には留まらないのです。

ポイントは「エサがたくさんいるところ」です。ムシ(多毛類)が多く住んでいるのは干潟です。それを食べるために小魚や小動物も同じところへやってきます。といっても、あまりに浅いところは魚が警戒しますからそれなりに水深は必要です。
ただ、深場ほど魚が多いという迷信は捨ててください。深場に続くカケアガリや足元の捨て石周りなどがポイントですから、投げ釣りといっても遠投する必要はありません。チョイ投げで十分です。

●投げ竿でも万能竿でも十分

オモリは3〜5号で軽く投げるだけですから本格的な投げ竿を使う必要はありません。投げ竿があればそれでも十分だし、硬めの磯竿を使っても構いません。中型のスピニングリールには3号前後のラインを巻いておけばいいでしょう。オモリが小さいし、遠投することもありませんからテーパーライン(力糸)は不要です。

仕掛けはできるだけ簡単にしましょう。ラインに中通しオモリを通し、スイベルの先には3〜5号のハリスを1〜1.5m結び、ハリは流線、または丸セイゴ12、13号を使います。

夜釣りの特徴としてエサを目立たせたいので、ハリの近くにルミコなどのケミカルライトを使用します。ハリ上10〜20㎝に固定すると仕掛けを手に取るときも便利です。アタリを取るのに竿先ライトを使う人もいますが、アナゴ釣りではその必要はありません。

●2020年1月の釣果はアナゴ4匹、キス2匹


当日はここから竿を出しました。フラットで足場はいいのですが、柵はありませんから
夜は要注意です。移動するときは必ずライトで足元を確認してください

釣り場に着いたのは午後4時過ぎでした。明るいうちに仕掛けの準備と夕食をすませようと、急いで準備を始めます。同行したのは孫二人だから、三人分の仕掛けを用意します。孫たちはコンロで湯を沸かし、カップラーメンを作っています。二人とも山登りクラブに所属しているからキャンプには慣れています。

潮は最干潮から上げにかかったところです。流れはゆっくり上流に向かっています。外波止の先端付近から松浦川の中央に向かって仕掛けを投入します。妹はムシが苦手なので冷凍のキビナゴ、兄貴とボクはムシを使います。

冬に釣れるシロギスは良型が多く、これは刺身にして食べました。
身はコリコリしていました。

カップラーメンを食べて釣り開始。早々にアタリがありました。上がってきたのはなんとシロギスです。水温が高い時期なら珍しくないのですが、1月に釣れたのは初めての経験です。しかも25㎝と大きく、丸まると太っています。少し遠めに投げていた仕掛けにヒットしたものです。

アナゴはこのサイズです。立派でしょう? このクラスは2匹しか釣れませんでしたが、
波止でこれだけ釣れれば文句はありません。

同じサイズのシロギスを追加したあと、アタリが遠のきました。しかし、再びアタリが出ました。それも2匹立て続けです。どちらも本命のアナゴです。胴の太さは4〜5㎝とこれも良型です。そして、その後もう2匹、少し小さいのがヒットしたあとアタリは止まりました。満潮は10時過ぎだったので時合いはもう一度訪れると思っていましたが、アタリが出ることはありませんでした。それよりも、流れの方向が変わってやたら根掛かりするようになりました。

アナゴ釣りではシロギスのように少しずつサビいてくるのが効率的なのですが、それをやるとすぐ根掛かりしてしまいます。流れが変わるまでは置き竿にした方が賢い選択だといえそうです。

●まとめ

港に隣接して駐車場があります。そこにはこの看板がありますから、
料金箱に300円を入れてください(料金箱には200円と記されています)。

アナゴは目打ちという調理道具でまな板に固定して、中骨に沿って包丁を入れます。そうやって三枚に下ろすことを孫に教えて、蒲焼きで美味しく食べました。冬のアナゴはこってり味で評判は上々でした。海の魚は食べる楽しみも忘れられません。みなさんもぜひ美味しいアナゴを味わってください。

河口のチョイ投げはさまざまな魚が釣れます。記事には触れませんでしたが、リリースサイズのクロダイもヒットしました。2年前には50㎝オーバーも釣れたことがあります。寒い時期の夜釣りは慣れないと抵抗があるでしょうが、アタリが出ればほぼキープサイズの魚です。ぜひチャレンジしてみてください。

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