【ポイント紹介】支笏湖フィールド徹底解説!

写真:筆者

今回は北海道でレイクフィッシングの人気が高い『支笏湖』をご紹介したいと思います。まずは、この写真を見てください。上は文字があるので見えづらいですね。では下の写真はいかがでしょうか。水が透明過ぎます。左は自分の目線から見た状態です。波の光加減で水があるのがわかりますね。右はドン深になる掛け上がり手前です。

支笏湖の透明度
写真:筆者

この状態が一番、透き通っている状態の支笏湖です。10mや20mでも見えてしまいます。人間が見えるということはお魚はもっと見えているのでしょうね。そういった透明度も、攻略のカギになります。まずは支笏湖という湖をご説明します。

目次

支笏湖とは

北海道の道央に位置するフィッシングレイクフィールドの代表的な湖の一つです。 支笏洞爺国立公園内にある湖です。もう一つ洞爺湖という珍しいカルデラ湖があります。今度ご紹介します。

支笏湖フィールドスペック

  • 標高:248m
  • 面積:78.7㎢
  • 周囲:41㎞
  • 最大深度:363m
  • 平均水深:226m
  • 貯水量:20.9㎦
  • 解氷結氷期:不凍湖
  • 岸地質:岩盤、玉砂利、砂礫、砂地、泥質砂
  • 岸際:自然湖岸、一部護岸・テトラあり
  • インレット:美笛川、丹鳴(ニナル)川、フレナイ川、オコタンペ川
  • アウトレット:千歳川
  • 温泉:丸駒温泉、支笏湖温泉

湖の周囲は約40㎞もあり、その広大さゆえに様々なフィールドシチュエーションがあります。支笏湖は山が噴火してできたカルデラ湖です。先程ご紹介した透明度に加えて、水深は約360mもあるため、冬でも凍る事がありません。『日本最北の不凍湖』として、シーズンに関わらず果敢にチャレンジするアングラーがあとを経たちません。そして深さが日本で二番目です。支笏湖は『巨大な水がめ』と称され貯水量は琵琶湖の次で琵琶湖の3/4の水量です。それに対して面積は1/9しかありませんので、とんでもなく深いということです。立体的にトラウトを探る難しさがあり、アングラーを悩ませる湖です。

実は支笏湖の深さを感じるために、風のない夏の晴れた日に、こんなことをしてみました。手漕ぎボートで支笏湖の東側の真ん中ちかくまで行きました。湖の底を覗くと天気がいいのに真下は真っ暗。なーんも見えません。底が黒っぽいのかなぁ。と思い、岸から持ってきた5cmぐらいの白い石を落としてみたんです。ヒラヒラと落ちていきます。どんどん落ちていきます。落ちていくのが、ずうぅっっと見えるんです。多分1分ぐらいだと思いますが、まだ見えます。。。どんだけ深いねん!と思ったのも束の間、350m以上の深さの上に一人で浮かんでると考えたら、急に怖くなって急いで岸近くまで戻りました(笑)。溺れたら助かりませんね。諸説ありますが、『死骨湖』と呼ばれていたこともあるそうです。

次にこの広大な広さと深さに生息するトラウトとベイトをご紹介します。

生息する魚

トラウトはアメマス、ニジマス、サクラマス、ブラウントラウト。禁漁区や禁漁期間、遊漁料が設けられているヒメマス(チップ)が生息します。その他にはウグイ、コイが生息しています。アメマスやニジマス、サクラマスの50cmオーバーが生息。特に支笏湖のニジマスはシコニジと呼ばれアングラー憧れのトラウトです。人気のブラウントラウトは、なんと70~80cmクラスがいます。

ブラウントラウト
写真:筆者

ベイト(捕食対象生物)

水生のベイトですが、支笏湖は他の湖と違いワカサギがいません。ですのでワカサギの群れを追いかけるという習性が支笏湖のトラウトには見られません。トゲウオ、ドジョウ、ハナカジカ、スジエビが生息しており、これらを捕食するためビックトラウトが岸際をクルージングします。水生昆虫ではカゲロウ、トビゲラなどがいます。

陸生のベイトとしては、エゾハルゼミ、カメムシ、コガネムシ、蝶などです。特に支笏湖で有名なのは、5月中旬から6月ぐらいに鳴き出すエゾハルゼミです。雲の隙間から日が出ると、一斉に鳴き出します。そして湖畔の木々から飛び出したセミが湖面に落ちるのです。支笏湖の水が綺麗すぎて鏡のように空が映り、誤って落ちてしまうのでしょう。セミが落ちた時の水の輪を目掛けて、ザッッパァーンと、どデカいトラウトがライズし捕食する光景を見ることができます。

このエゾハルゼミのお陰で、支笏湖ではテレストリアルのセミルアーで釣るトップの釣りが有名になり、セミルアーのホットケメゾットが定番となりました。

この支笏湖を攻めるためのタックルをご紹介します。

タックル

ロッド

支笏湖で使用するルアーの重さは5~20gぐらいになります。支笏湖は広くて深いため、重いルアーを遠投するため、長めのロッドが必要になります。しかし大物が浅瀬や近場にいる時があり軽めのルアーを短いロッドでコントロールするような繊細な釣りを強いられる場合の2種類の釣法が必要です。ロッド選択で釣法が分かれるため、釣果につながる重要な要素の一つになります。詳しくご説明致します。

  • 重いルアーや遠投で攻める場合は、8~10フィートのML~M程度
  • 軽いルアーや水面、近くを狙う場合は、6.5~7.6フィートのL~ML程度

私は9.6fと7.6fの2本持っていきます。長いロッドはランガンするには厳しいのですが、 遠くの方でライズがある時や回遊魚待ち、あるいは深場を攻める時に、重めのルアーを遠投する必要があるので使用します。逆に短いロッドは足元をどデカいのがクルージングしてきた場合などに、軽いルアーを対応するためです。両方対応するには、どうしても2本必要になります。硬さは遠くに飛ばす必要があるので硬めを選択しがちですが、海と違い、繊細なルアー操作が必要になるので、硬くてもM(ミディアム)が良いと思います。初心者の方はMLやLの方が操作もしやすく、ファイトした時にもロッドがある程度、トラウトのパワーをいなしてくれるのでおすすめです。

リール

リールもロッドの長短に合わせますが、短めの場合2000番ぐらい、長めの場合2500番ぐらいあれば十分です。ラインについては、最低150mは巻いておいた方がいいです。アメマスは時期によっては掛け上がり奥の深い場合に集まることが多く、100mぐらいはラインが出ていきます。ライントラブルやトラウトとのファイト時にラインが足りないなどにならないように、事前のラインチェックが必要です。ドラグ性能については高性能なものをおすすめします。アメマスはそんなに暴れませんが、支笏湖のブラウントラウト、ニジマスはとてもパワーがあり凄まじいジャンプをします。特にサクラマスはとんでもないスピードで走りだしますので、DaiwaのATDなどドラグ性能が高いリールはロッドワークをカバーしてくれますので重宝します。

湖のタックルについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。

あわせて読みたい
【おすすめタックル】湖・ダム湖のデカ鱒を攻める! 今回は、使用しているタックルから2019年最新情報まで、湖などの止水域で有効なタックルのスペック情報を記載していきます。最後には、おまけ情報を付けました。お楽しみに~

ルアー

支笏湖では、様々なルアー釣法が開発され、アングラーに楽しまれています。代表的なルアータイプをいくつかご紹介します。

  • セミルアー:エゾハルゼミがなく時期にホットケメゾットで大物を狙う
  • スプーン:4~7cm、5~10g程度の肉厚系でプリプリ泳ぐタイプのデットスロー
  • ジグスプーン:7~13cm、8~18g程度の細身のヒラヒラとフォールするタイプで縦の釣り
  • ジグ:5~7cm、7~20g程度のジギングのようにシャクリを入れながら底を探る縦の釣り
  • ジグミノー:5~13cm、7~18g程度で、ベイトのトゲウオに似た形でユラユラ泳ぐタイプが効果的
  • ミノー:5~12cm、5~15gで、リップレスやジョイントを利用しているも多く、トラウトに見切られない自然な動きをするルアーが効果的

次回支笏湖おすすめルアーを詳しくご紹介します!お楽しみに。それでは、支笏湖の各ポイントを詳しくご説明致します。

ポイント

支笏湖のポイントを大きく分けると以下の5つのエリアに分かれます

エリア

  1. 美笛川~フレナイ川 
  2. 支笏トンネル~大崎橋
  3. 虹鱒橋・姫鱒橋~モーラップキャンプ場
  4. 旧有料道路~旧ポロピナイキャンプ場
  5. 旧伊東温泉~オコタン岬
画像出典:Google Map

各エリアのポイントごとに、詳しくご説明していきます

①美笛川~フレナイ川

美笛キャンプ場があり、初夏からな晩夏まではキャンプ客でにぎわうエリアです。ポイントとしては支笏湖のメインインレットの美笛川があり、秋には産卵で遡上するため、大物の実績も多い場所です。キャンプ場の駐車場(有料)があります。キャンプしながら釣りができるということもできる好ポイントです。

画像出典:Google Map

Ⓐフレナイ川

フレナイ川は小さな川です。河口まで行くには、道路は車が通行止めになっていますので、この旧道を歩いていくしかありません。深い森の中を約4㎞あるので相当な体力が必要です。最近ではあまり行く人がいないので、穴場とも言えますが、ヒグマには注意が必要です。絶対に一人ではいかないでください。

Ⓑ丹鳴川(ニナル)

丹鳴川はさらに小さな川ですが、大物が上がるポイントの一つです。美笛キャンプ場から、湖畔沿いを歩いて行くことができます。移動しながらのランガンが出来ます。岸からすぐドン深なので、できるだけ水に入らないように気配を消して進みましょう。大物は意外と近くにいます。

Ⓒ美笛川

支笏湖最大のインレットです。支笏湖のトラウトたちの母なる川で産卵期はこの美笛川に遡上します。河口周辺が美笛キャンプ場となっており、駐車場(有料)や管理棟があり利便性が高いです。その分人気も高く混み合うポイントの一つです。河口付近はバックが取れる場所なのでフライマンに最適なエリアです。

②支笏トンネル~大崎橋

支笏湖の中で国道からすぐ降りられる、ポイントがいくつか続きます。春先より秋の方が大物が出る場所でもあります。

画像出典:Google Map

Ⓐ支笏トンネル

美笛キャンプ場側から支笏トンネルを抜けて、すぐ左の場所に駐車場(4~5台)があります。逆から来るとトンネル手前右側です。国道に近く入りやすいのでアングラーにとっては都合がいいのですが、その分、車の音や人が多く、警戒している魚が多いです。朝マズメや夕マズメが狙い目です。秋には産卵で美笛川に向かうためにサクラマスが岸寄りします。

サクラマス
写真:筆者

Ⓑ苔の洞門

苔の洞門という、苔の綺麗な渓谷があった場所です。2014年の大雨災害で渓谷ごと流されてしまい、今は閉鎖しています。苔の洞門入り口の反対側を10分ほど歩きますが湖畔に降りられます。支笏湖の南側はワンドが多いのですが、ここはフラットな湖岸で、深場が点在するポイントです。このポイントで大物をゲットした方も多いと思います。

Ⓒ大崎橋

支笏湖にはいくつか橋があり、支笏湖の南岸のちょうど真ん中にあたります。風不死岳(ふっぷしだけ)の裾野で湖岸が突き出している場所でもあり、人気があります。居付きタイプと回遊タイプの両方のビックトラウトが狙える場所です。

次のページ>>>いよいよ支笏湖の定番ポイントです。シーズン情報も満載です!

1 2
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次