東北ではナメタガレイがお正月の定番!このような文化の理由を紹介

出典:写真AC

みなさんの地域ではその土地ならではのお正月料理などはありますか?地域によって食文化は大きく異なり、全国で一緒だと思っていた食文化であっても、一部の地域にしか伝えられていないものがあったりしますよね。地域の食文化の歴史を知ることで、時代背景などを知るきっかけにもなり、いままで知らなかった貴重なことを知ることができるかもしれません。

ここでは宮城県で大晦日やお正月に縁起がよいとされ食べられるナメタガレイ、お雑煮に入れるハゼ汁などの紹介をいたします。
みなさんが気になっている「なぜ縁起がよいとされるのか」も合わせて紹介いたしますので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。

目次

岩手や宮城などではお正月にお馴染みのナメタガレイ

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地域によってはババガレイやインドカレイなどと呼ばれるナメタガレイですが、大晦日を迎える前には価値があがり、お店に並ぶ販売価格も高くなります。

12月の中ごろからはスーパーで売られることも多くなり、大晦日を迎えるころは価格が最も高騰します。冷凍のナメタガレイもありますが、やはり人気は生のナメタガレイ。食感も冷凍物に比べると柔らかさがあり、とてもおいしいです。

カレイは刺身や塩焼きといった料理方法が一般的ですが、お正月に食べられるナメタガレイは煮つけにするのが一般的です。煮つけはカレイの臭みを消す効果があり、白身でクセのない味は世代を問わず支持される人気のお正月料理です。

なぜ縁起がよいとされる?

ナメタガレイが縁起がよいとされる理由は諸説あります。

カレイは漢字で「家例」といわれることもあり、受け継がれた伝統を守るといった言い伝えや、冬のカレイは子ども(卵)を多く持っているため子孫繁栄を願う、カレイの卵は黄金色をしているため、これが商売繁盛を願うといわれます。 このように子孫繁栄や商売繁盛を願い、お正月に好んで食べられる魚に定着し現代まで受け継がれています。

いつからこのような文化は広まった?

明治以降にはナメタガレイをお正月に食べる文化があったようで、これが東北地方には現在も伝わっています。

戦前、お正月には冬が旬である魚であるタラを縁起がよいとし食べていたそうです。しかし、漁獲高の減少を受けてそれ以降に漁獲高が安定していたナメタガレイに魚種が変更されたようです。

当時は庶民に愛される魚としてナメタガレイが代表的なものであったようで、特別高価な魚といったことはなかったようです。

宮城で有名なお正月料理のもうひとつにハゼ汁

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これも明治以降に始まった文化で、仙台ではナメタガレイとハゼ汁がセットでお正月に食べることが縁起がよいとされます。

ハゼ汁とは焼きハゼの出汁をお雑煮に入れることで、ハゼの香ばしい出汁が非常においしいとされる正月料理です。
東北では秋がハゼ釣りの旬の時期なので、お正月に備えてそれまで冷凍保存しておく方も多いです。東北ではお正月により一層価値があがる食材で、ナメタガレイに比べると少し知名度が下がるかもしれませんが、お正月の定番食材として有名です。

ハゼは現在では手軽に食べることができる食材ですが、明治時代にはハゼは貴族が食べるような食材で、一般人が食べることは難しいものでした。そのため、「正月にはせめてハゼの出汁だけでも…」といったことで広まっていった文化とされます。

まとめ

今回は東北のお正月料理の紹介でしたが、このように季節ごとに好まれる伝統料理はもしかすると各地にあるかもしれません。みなさんの地域にはお正月に食べられる魚料理やそれ以外の食材などはありますか?調べてみると意外な食材が出てきたりしてびっくりすることがあるかもしれません。

ご高齢の方はこのような文化を大事にすることが多く、いまは文化が薄れてしまったものであっても、当時の文化を大切に守っている方も多いかもしれません。機会があればあなたのおじいさんやおばあさんに、昔から地域に伝わる食文化はあるか聞いてみてもおもしろそうですね。また、各ご家庭に縁起をかついでいる食材、魚種もありそうです。なぜそのようになったか由来を家族で話してみてはいかがでしょうか。

みなさんがいつも気軽に釣っている魚が時期によっては価値がぐっとあがり、そう簡単に手に入れることができない魚へと変化していることがあるかもしれませんね。地域によって違いがあるお正月の食文化、ぜひこの機会にもう一度注目してみてくださいね。

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