釣った魚や捕まえた魚を「飼ってみたい」と思ったことがある方も多いのでは?海水魚は飼育が難しいものですが、淡水魚であれば飼育も比較的簡単です。身近な場所で捕まえることができる淡水魚ですが、魚獲りの際には漁業調整規則を守る必要があり、少々注意が必要です。今回は、魚獲りの楽しみ方や、漁業調整規則についてご紹介します。

身近なところに隠れている淡水魚たち

たとえば住宅にある用水路、田んぼの横の溝など、そんな身近な水辺を魚が棲む場所として意識したことがありますか?よく目を凝らして静かに見守っていると、都会の住宅地でも、ちょっとした水辺に魚が生息しているのが分かります。

例えばここ。住宅の溝ですが、よく見ると小魚がたくさんいます。

いざ捕獲…のその前に

「漁業調整規則」をご存じでしょうか。釣りをしている方であれば、ご存じの方が多いのではないでしょうか。
漁業調整規則は、釣りや魚獲りをするときに守らなければいけないルールで、各都道府県によって決められている内容が異なります。場所や期間、捕まえても良い魚の大きさ、許可されている捕獲方法など、その内容はかなり細かなものです。生態系や環境、元気な魚を守ることが目的とされているため、魚を傷つけるような行為や、周囲を汚すような行為などが禁止されています。

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手づかみで魚を捕まえることを禁止していたり、○○という魚は〇cm以上でないと捕まえてはいけないなど、かなり細かく具体的に記されています。違反した場合は、書類送検や罰金刑になるなどもあり、注意が必要です。

許可なく捕獲できない&飼育できない魚も

魚獲りをしたいときには、漁業調整規則を守ることだけでなく、許可なく捕獲できない魚や許可なく飼育できない魚もいるため、何が該当するのかを知っておくことも大切です。
国指定の天然記念物・国内希少野生動植物種・特定外来生物はもちろんのこと、県指定、市指定など、魚獲りは複雑なルールがあります。国指定の天然記念物や国内希少野生動植物種は、故意に捕まえることは禁止されていますが、偶然網にかかってしまったケースでは、現地で少し観察したあと、すぐにその場に戻す程度であればOKとされているようです。

特定外来生物の無許可飼育に気をつけて!

特定外来生物のなかには、日本全国に生息が定着化してしまっているものもいます。ペットとして飼育するくらい良いだろうと考えられがちですが、これは1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金になり、「知らなかった」は言い訳として通用しません。近年では、ブルーギルやカダヤシの捕獲や飼育が問題視されています。

特にカダヤシはメダカに大変似ているため、メダカだと思って飼育していたのに実はカダヤシだったということが少なくありません。メダカとカダヤシは種としては遠いもの同士ですが、見た目が大変よく似ています。見分け方はいくつかありますが、分かりやすいのは「目」です。大阪府立環境農林水産総研究所によると、「メダカでは眼の上半分が青色を帯びるが、カダヤシはそうならない」とされています。

いざ!川魚の捕獲へ

今回は、住宅地の用水路でもんどりを使って魚を捕まえます。本当にこんな場所に魚がいるの?と思うような場所ですが、います。

使用したのは、透明なプラスチックでできている「もんどり」です。

この穴から魚が入る仕組みになっています。

反対側には取り外しできるフタが付いており、魚がかかったら、フタを開けて取り出すことができます。フタにはいくつか穴があけられているため、ある程度水流のある場所で仕掛けても、水がちゃんと流れるようになっています。

もんどりの使用については、漁業調整規則により、使用が禁止されている地域もあるため、必ず魚獲りをする前には確認するようにしましょう。もんどりは使用そのものが禁止の場合もあれば、もんどりそのものが問題ではなく、もんどりを使った魚獲りの際に、「エサ」を使用することを禁止しているというケースもあります。もんどりの使用については、「もんどり」という文言のほか、「びん漬漁法」という表現で使用の許可に関する内容が記載されていることがあります。

魚獲りをしたのは、このようなごくありふれた用水路です。一見すると魚がいるようには感じられません。しかし、しばらく目をこらしてみていると、用水路のなかで素早く動く小さな影があることが分かります。

非常に分かりづらいのですが、こんなに水深の浅い場所でも、わずかなくぼみに魚が隠れています。注意深く観察していない限り、そこに魚がいることに気が付く人は少ないでしょう。

用水路のなかでも、少し水深があるところを発見したので、そこにもんどりを沈めました。流れの少ない場所で、どのあたりにもんどりを仕掛けるか迷いましたが、ひとまず、用水路中央ではなく、サイドに近い場所を選んでみました。漁業調整規則でエサを撒くことが禁止されているため、エサは使用せず、ただもんどりを沈めただけです。透明プラスチックのもんどりなので、人間が見ても沈んでいることがとても分かりづらいです。これは期待できるかも…!

沈めてから3時間程度放置し、いざ様子を見に行くと…

エビ&魚がどっさり!

捕獲してはいけない魚、持ち帰ってはいけない魚であってはダメなので、捕獲できたらその場ですぐに調べることがポイントです。
今回もんどりにかかってくれたのは、ヌマエビとヌマムツでした。ヌマエビといえば、近年は飼育がさかんですが、釣り場では釣果を上げてくれる餌として人気ですよね。鯛やカレイ、ヒラメ、アジ、サバなど多くの魚が好みます。文字通り海老で鯛が釣れるという。ヌマエビの生息場所が分かったら、釣行前に捕獲しておけば、コスパの良い釣りが楽しめそうです。

ヌマムツは、カワムツとの区別がとても難しいですが、大阪府立環境農林水産総合研究所のホームページに、とても分かりやすい見極め方が記載されていました。

同ホームページによると、ヌマムツは、以前はカワムツと同じ種類と考えられており、カワムツA型と呼ばれていたそうです。現在では別種として扱われ、(1)側線鱗数がカワムツよりもヌマムツのほうが多く、鱗が細かい。(2)尻ビレの分岐軟条数がカワムツよりもヌマムツが少ない(3)胸鰭ビレや腹ビレの前縁がカワムツは黄色で、ヌマムツはピンク色になるなど細かな違いがあります。飼育しても良い魚とされているため、今回捕獲できたなかから、ヌマムツを5匹飼育することにしました。

釣りも魚獲りも漁業調整規則を守ることが基本!

魚獲りは、身近な自然環境を考えるきっかけにもなりますが、漁業調整規則をきちんと理解しておくことが重要になります。細かな規則が多く内容も難解であるため、分かりづらいことも珍しくありません。内容に疑問がある場合は、自治体に解釈を問い合わせておくと安心です。ルールを守って楽しく自然と触れ合いたいですね。