尺ヤマメ
写真:筆者

さて、前回以下の 尺ヤマメはどこ?実釣体験【ポイント編】を掲載しました。今回は『実釣編』です。

前回のポイント編に記載した通り、ヤマメの生態や探り方を駆使して尺ヤマメを釣り上げました。いかにして、そのポイントへの辿りついたのか、そして念願の尺ヤマメとは、どのようにファイトしたのか?詳しくご紹介します。まだあの感触が鮮明に残っています。どこの河川かも載せちゃいます。お楽しみに~

尺ヤマメの生息する川とは

河川情報

その河川には昔からイトウ、オショロコマ、ニジマス、イワナ、そしてアユ。もちろんヤマメもいます。北海道の鱒がほとんど生息してます。イトウやオショロコマは、かなり少なくなり、イトウの復活を目指してオビラメ会という保護団体が長年繁殖活動しています。オショロコマはこの河川の一部の支流で、まだ生息しています。イトウもオショロコマも日本河川の生息地で最南端と言われています。この素晴らしい環境は守っていきたいものです。ここまで記載したら北海道のアングラーは分かると思います。そうです、道央の一級河川『尻別川』です。

羊蹄山(蝦夷富士)
写真:筆者

尻別川とは

河口は日本海の岩内町にあり、水源は支笏湖の近くのフレ岳から始まり、その総距離は120kmを超えます。川の途中にそびえ立つ蝦夷富士こと日本百名山の一つ『羊蹄山』。その向かいには世界的に有名なスキー場がある『ニセコアンヌプリ』雪解け水が年中流れ込む清流です。国交省が毎年発表する『水質が最も良好な河川』へ常にランキングされる、道内でも屈指の一級河川です。

そのポイントはどう見つけたか?

これまでのヤマメの釣果

この川には、10数年通ってます。アベレージサイズは、ヤマメとイワナが25cm、ニジマスは30cmというところでしょうか、ニジマスやイワナの40cmオーバーは、そこそこ出るものの、ヤマメの30cmオーバーはなかなか出ません。28cmを何本か上げたのですが、ヤマメだけは、どうしても30cmを超えられませんでした。

岩魚
写真:筆者

この2cmの違いは何なのか?いつも川に向かう時に考えていました。あまり人が入らない場所なのか?それとも、ルアーでは、探れないような深みなのか?それとも、もっと山奥の上流なのか?しかし、山奥は熊が多いのであまり深追いはできません。水深の深い場所は、探るのは難しいのですが念入りに叩きました。様々なポイントをで数年試していましたが、やはり出ませんでした。

ポイントの探し方

最近、考え方を変えました。前回掲載した【ポイント編】の通り、基本に立ち戻りました。まず餌が豊富な場所。流れがあり、岩や倒木などがある。それらが存在するポイントを3カ所に絞り、1日はAポイント→Bポイント→Cポイントを探り、また違う日には時間を変えるためにB→C→Aと繰り返し探ってみたのです。

Aポイント
写真:筆者

やはり的中

夏の暑い日でした。朝一でAポイントの対岸側にアップクロスでキャストして岩に当てながら、岩陰の落ち込みにルアー落として底を探る、そしてルアーを流しながらダウンクロスになりかけた瞬間!ひったくられるような引きとともに猛ダッシュ。この引きは、イワナはもちろんニジマスとも違う強さと猛烈な速さです。

いよいよ念願の尺ヤマメ!と絶対バラせないという恐怖とパワーに、ドラグをゆるゆるにしていたせいもあり、縦横無尽に走る走る。登ったかと思えば降るを繰り返してやっと足元まで、ん?思ったより小さいな〜でも30cmはあるでしょうと計ったら、28cmのヤマメ。ガッカリ、やはり出ないのか。それでも28cmのヤマメもあまり出逢わないので写真を撮りリリース。かなり場を荒らされたので、見切りをつけて、Bポイントへ移動することにしました。

山女魚 28cm
写真:筆者

移動中、落ち着いて考えました。28cmに出逢えたという事は、このクラスはいるということ。同じ様なポイントを攻めてる訳ですから、この探り方は合ってるのではないかと、確信はまだ持てませんが、もう一尾出れば確信に近づくと考えました。ポイントでの詳しい探り方は後ほど掲載します。28cmまで成長したヤマメがあるわけですから、30cmオーバーもいるところを攻めてるハズだと期待が膨らみ、次のポイントでも、同じクラスのサイズがでるのでは?とBポイントに到着しました。10時を過ぎた頃です。

いよいよ本命のポイント

この場所は、車で川岸まで降りれる場所で、それなりに人気のポイントです。今までにニジマスとイワナは大きいサイズを上げたことがありますが、ヤマメは25cm前後が限界でした。渓相もよく、水深はあまりありませんが、流れもあり、攻めどこが多いポイントです。

私は川に到着したら、その一番近くをまずキャストします。最低10投はします。でも車の音のせいで大体釣れません。でもあえて叩いておきます。理由は鱒にルアーを見せておくのです。人が来たと警戒して活性は下がっていますが、鱒も気にはなるはずです。でもしつこくするとスレますので、ほどほどにして、上流か下流に移動します。

Bポイント
写真:筆者

その時は上流に移動しました。五分ほど歩いたでしょうか、また同じような攻めるポイントが出てきます。向かい側のボサ際にアップクロスでキャストし、ルアーを流します。先程と同じように、岩に当てながら、岩陰を攻めます。ググっと、小さなニジマスが掛かりました。この川のニジマスは小さくてもジャンプして暴れますので楽しめます。このポイントも見切り、もう少し上流に向かいます。

虹鱒
写真:筆者

そこは岩が切りだした壁沿いになっており、その岩壁側に流れが当たり、そこがえぐれているポイントです。このBポイントでは一番緊張する場所です。ルアーを決めてあまり近づかないで遠目からキャスト…着水し、岩陰にルアーが回り込んだ瞬間!ガツンとなかなかの手ごたえです。ただあまり走らない。。。イワナさんでした。イワナはいるんですよね。それなりのサイズが。。30cmは超えましたが、尺ヤマメが欲しい。同じ深みを攻めましたが、先程のイワナが人がいるぞ~と発令したようで、全く反応がなくなりました。車に戻り、下流を攻めようと、ルアーをキャストしながら下ります。小さなヤマメやニジマスと遊んでもらいながら、車の近くまで来ました。

岩魚
写真:筆者
このポイントです
写真:筆者

一番最初に、10投したポイントです。今度は草の中から、姿が見えないようにキャストします。手前の草際を流したかったのでほぼアップでキャストしました。

ロッドを立て気味にしながら、岩に当てて、岩陰に落とす…アップなのでもう3mぐらいのところでしょうか、ルアーが止まったんです。最初、岩底に引っかかったと思い、しかたなく草むらから出た瞬間!!そいつもびっくりしたんでしょう。対岸側に猛スピードで走っていきました。もちろんルアーを咥えたままなので、ロッドもバットから曲がり、ドラグが出っぱなしです。おいおいといいながら、川の中にジャブジャブ入り、今まで感じたことのない強い引き、そしてスピード。そうです、ヤツです。今思い返してもあの衝撃は忘れられません。

写真:筆者

10分は格闘した気がしますが、多分5分ぐらいでしょうね。なかなか寄ってくれないので、川に入り、やっとネットインできました。

今まで見たヤマメと全く違う形相をした、長年焦がれた、尺ヤマメ。もう計測しなくても30cm越えは確定してました。尺ヤマメってかわいくない。厳ついんだと初めて知りました。ニジマスやイワナは30ぐらいだとそんなに顔つきは変わりませんが、ヤマメは違いました。もうしばらく会えないであろう尺ヤマメです。30.5cm立派な体格と顔つき、きれいなパーマークとそれに似つかない、海サクラのような口。最高の一尾でした。

念願の尺ヤマメ
写真:筆者
写真:筆者

ポイントの攻め方

今回の攻め方を整理します。次のシーズンに役立つので、ここに書きとめておきたいと思います。

ポイントへの移動タイミング

攻める河川に寄りますが、ポイントを3か所ほどに定めて、約3時間程度で移動する。それを数回(数日)繰り返す。ただしポイントを回る順番は変える。変える意味は時間帯で釣れる可能性を探るためです。

ポイントでの探り方

一か所にとどまらず、キャストを10回ほどしたら、上流か下流へ移動する。その時の探り方を詳しく記載します。基本的にアップクロスへキャストします。着水と同時に糸ふけを取ります。その後は、ロッドを立て気味で、ルアーが岩や底に当たるのが、わかる程度にテンションを掛けながら、少しずつリールを巻きます。ルアーが岩に当たったタイミングで少しロッドを起こします。そしてそのままロッドを少し下げる。そうすると岩をかわして水の流れで岩陰の下の写真の場所にルアーが入ります。

写真:筆者

ここが肝心です。ルアーが底に引っかかるかも…と心配なぐらい、そのまま転がします。糸ふけは取ってくださいね、テンション掛けたままです。これをダウンかダウンクロスになるまで、繰り返します。ダウンになった時も同じです。岩の向こう側にルアーが落ちるイメージで流します。

私の経験上ですが、大きなヤマメは一番エサが流れてくる場所を、安全な場所、川底や草陰で見ていると考えています。泳ぐスピードが速いので、見つけたら飛びつくという感じです。この様な、テクニックを行うには、それなりのタックルが必要です。ナチュラルウォーターでミノーを使う方は、UL(ウルトラライト)を利用する場合が多いと思いますが、ULぐらい柔らかいと、この操作はできません。私はスプーンで攻めますので、L(ライト)かML(ミディアムライト)が理想です。タックルとルアーについては別途執筆しますね。

まとめ

執筆しているときも、あの時の光景と手ごたえを思い出しながら書きました。めったに逢わない魚だからこそ、思い出に残るわけです。また出逢いたいものです。そのためには、綺麗な河川を維持し続ける必要があります。アングラーだけでは、その効果は少ないかもしれませんが、小さな積み重ねが、大切だと思います。