編集部注:本稿タイトルにクロダイに関して一般的ではない表現(海の女王)がありましたので訂正の上掲載しております

撮影:筆者
クロダイの口は予想外に大きいものです。3〜5号のチヌバリでも、40㎝クラスのクロダイだと
まっすぐ引けば口に掛からず、そのまますっぽ抜けてしまいます。クロダイが完全にハリを飲み込んで走り出すまで待って、それからアワせるように心がけてください。

クロダイを釣る要素として、仕掛けとエサは大きな比重を占めています。ビギナーの皆さんは往々にして竿やリールを重視しがちですが、クロダイのウキ釣りでは正直いってそれほど大切ではありません。皆さんもそう思っているのではないでしょうか?
どんなものでもいいというと言い過ぎですが、それよりは仕掛け、エサの方がはるかに重要です。その重要な仕掛けとエサとはどんなものなのかを簡単に解説してみましょう。

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●仕掛けは細く…が基本

クロダイの引きはそれほど強くなく、途中でバラすことはほとんどありません。そのため、ハリスは1.25〜1.5号で十分です。3号や5号では明らかにオーバースペックです。
仕掛けが細いとサシエがコマセと同じ動きに近づくため、クロダイが警戒しないという大きなメリットもあります。以下、仕掛けの各部を紹介しましょう。

◇ハリス

圧倒的に小型の多い秋は1〜1.25号、冬〜春は大型がヒットする確率が高いため1.5号はほしいところです。

1.25号と1.5号とはほんのわずかな違いでしかないと思うでしょう。事実、標準直径は0.205㎜と0.185㎜ですから、その差は0.02㎜しかありません。それを体感するには根掛かりさせてみれば簡単です。引き切ろうとしても1.5号は簡単ではありません。1.25号も簡単ではないのですが、1.5号ほどではありません。

◇ライン

ラインの太さは、ハリスの1〜2ランク上というのが標準とされています。釣りの世界にはトータルバランスという言葉があります。竿からライン、ハリス、ハリに至るまでバランスが取れていないと、それぞれの強度を十分発揮できないということです。ハリスが細くてラインが異常に太いとか、その逆のケースでもハリスやラインの能力を存分に発揮できないのです。

釣りに入門したばかりの皆さんにはわかりにくい内容なのでこれ以上は触れませんが、他の機会で詳しく解説したいと考えています。ともかくも、ここでは、ハリス1.25号ならラインは1.5〜1.75号、ハリス1.5号だとラインは1.75〜2号と覚えておいてください。

◇ハリ

ハリの種類は非常に多く、それぞれ特徴があります。では、クロダイ釣りに用いるチヌバリの特徴はというと、ヒネリがかかっていることです(ヒネリのないチヌバリもあります)。
ヒネリがかかっている理由は、飲み込ませたハリがアワセによって出てくるとき、ノドに掛かりやすくなるからです。ストレートだとそのままノドを通り抜けやすいのです。

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クロダイ釣りでは飲み込ませるのが常識なので、ハリのサイズについてはあまり気にする必要はありません。釣り方によっては8〜10号という大きなハリでもクロダイは食ってきます。
クロダイが食べるのはエサであって、ハリではありません。ハリは単にゴミにすぎないのです。

だからといって、標準がないのではビギナーの皆さんは困るでしょうから、ここではエサの大きさに合わせるとしておきましょう。
通常、サシエに使うのはオキアミですから、そのオキアミの大きさにちょうどいいサイズが2〜4号です。オキアミの粒が小さければ当然ハリも小さくなります。

◇ウキ

撮影:筆者
立ちウキはトップが長く水面上に出ていると見やすいのですが、風が吹くとその影響で移動してマキエから外れる可能性が高くなります。そこで、風が強いときは吃水を深くして水面には少ししか出ないようにします。

クロダイ釣りの場合、全国的に立ちウキ(棒ウキ)というイメージが強く、特に堤防では70〜80%の釣り人が立ちウキを使っています。視認性が高く、小さなアタリも取りやすいというメリットがあるため立ちウキの人気が非常に高いのも無理はありません。

ただ、仕掛けが絡みやすく、誘いもかけにくいという弱点もあることだけは知っておいてください。サイズ(負荷オモリ)は水深や潮の速さによって使用するオモリが異なり、それによってウキサイズも変わるためなんともいえないのですが、2B〜1号というのが一般的と思えばいいでしょう。

●コマセとツケエが必要

撮影:筆者
集魚材はさまざまな種類があります。クロダイ用は全体に比重が大きく早く沈むタイプが多いのですが、麦がたくさん入っていると沈む速度はさらに早くなり、海底に溜まりやすくなります。ただ、時期や場所によっては麦が禁止されているケースもありますので注意してください。
 

クロダイのウキ釣りではコマセが必要です。生のオキアミに集魚材を混ぜたものが基本で、これを海底に溜めてクロダイを寄せ、それに誘われてやって来たクロダイを釣るという考え方です。そのため、コマセはクロダイ用の比重の大きい集魚材を加えてできるだけ同一地点に投入し、海底にコマセの山を作るようにします。一日分としてオキアミ2角(3㎏×2)と集魚材1袋というのが標準です。

一方、サシエはほかの魚と同様、オキアミが中心になりますが、食いがいい反面、このエサは軟らかく、仕掛けを投入した際に落ちやすいのと、水温が高い時期はエサ盗りが多くてすぐ食べられてしまうという弱点があります。
そのため、6〜11月はオキアミ以外にエビのムキミやネリエといった、エサ盗りに強いサシエを準備することをお勧めします。

さらには、同じエサを続けるとクロダイは飽きるという傾向があります。ずっと続けていたオキアミをほかのエサに替えた途端にヒットすることが少なくないので、2、3種類のサシエを持参した方が楽しめます。手元になにもなければ、堤防で簡単に手に入る貝類やカニ、フナムシもぜひ試してみてください。

●まとめ

クロダイという魚は海底近くを生息域としているため、ウキ釣りではサシエが海底近くを漂うようにウキ下を設定します。仕掛けがスムーズに流れるようなら少しずつウキ下を深くしてみてください。ときどき海底に引っかかるようであればその辺りがベストです。
もちろん、その海底にはコマセが溜まっていることが絶対条件です。釣りを始める前にコマセをダンゴにして、5、6個を沈めておく人もいます。仕掛けを流している間もしばしばコマセを投入して、ここにエサがあるよとアピールしてください。